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『自意識とコメディの日々』を読んで気になった、ストーリー構成の「システム」。

ストーリー構成

オークラさんは、テレビ東京『ゴッドタン』などのバラエティー番組の構成や、TBSラジオ『バナナマンのバナナムーンGOLD』などで放送作家も務めているそのオークラさんの本『自意識とコメディの日々を読み、コント(またはドラマ)の構成について、気になる文章があった。

ドラマの世界に1つのシステム(ルールや状況)を作り、そのシステムを前提としてお話を進めていく。

自意識とコメディの日々』-「ドラマでも笑いを」

この文章の前後、「システムコントの天才、バカリズムが描くドラマはバカリズムのコントと似ている」と書かれていて、「『架空OL日記』がいい例だろう」とも書かれていた。

架空OL日記』では、バカリズムさんがOLになりきり日常を過ごす。ドラマの世界に、「バカリズムさんがOLになりきり日常を過ごす」という普通ではない状況を作り、それがごく普通の状況であると前提し、話が進む。

バカリズムさんが脚本を手掛けた、最近のドラマ『ブラッシュアップライフ』だと、「人生をやり直す」というのがシステムに当たるだろう。


1つのシステム

オークラさんの本に書かれていた、「1つのシステム(ルールや状況)を作り、そのシステムを前提としてお話を進めていく」というストーリー構成は、伊坂幸太郎さんの小説に通じるものがあると思ったので、いくつか紹介する。


『オー!ファーザー』

「父親」のシステム

主人公の「父親」には4つの特徴がある。小説の段落の中で登場する「父親」の特徴によって、段落と段落の間に描かれた、4つのマーク(本📖、バスケットボール🏀、ハート❤、お金🪙)が、それぞれ濃くなる。


『ガソリン生活』

「車同士が会話する」というシステム

登場する車は、緑色のデミオ、白のカローラーGT、黒のアテンザ、ナンバープレートが「9625」のトラック、ミニクーパー、シトロエン、アルファロメオ…車同士の会話には、ほのぼのとした要素もあるのだが、ある事件が…


『終末のフール』

「数年後、地球が滅びる」というシステム

『終末のフール』は、目次に書かれた「章題」が印象的。

終末のフール
太陽のシール
籠城のビール
冬眠のガール
鋼鉄のウール
天体のヨール
演劇のオール
深海のポール

章題」の名前の付け方がハライチのネタのヤーツ。

ということで、ハライチのネタっぽい感じで、それぞれの「章題」を、まとめたいと思います。

終末のフール
  地球の終末は、3年後?!…そんな馬鹿な。
太陽のシール
  綺麗な円形の夕陽。空に貼りついたシールみたい!
籠城のビール
  籠城中も、ビールは鮮やかな麦色をしていますね。
冬眠のガール
  いつもと様子が違うなぁ…冬眠?…これから、あの子、冬眠するの?
鋼鉄のウール
  これって本当に鋼鉄?なぜだか、とっても、やわらかい!
天体のヨール
  天体は、夜に観測しないと。
演劇のオール
  演劇を全員でしようぜ!
深海のポール
  この深海には、かつてここに文明があったことをあらわすかのような、支柱がありますね。

※ハライチの結成は2006年で、『終末のフール』に収録されている各章は2004〜2005年に連載されたものなので、ハライチのネタの「〇〇なヤーツ」よりも、『終末のフール』の章題の方が、おそらく誕生が早い。


最後に

いや、けっこう序盤で、オークラさんの本、関係なくなっちゃったよ!

どうもありがとうございました。


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