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数値分析のキホンは、要素分解と対応付け

おはようございます!

外は大荒れ
今日は家で、じっくり戦略を考えてみます


経営戦略で重要な、お金の見通し
今後の利益は、どのくらいまで増やせるのか、最悪の場合は?
と、シミュレーションできる状態にしたいもの

少し、具体的に考えてみます



1個売ると、利益はいくら?

経営数字のお話をしていて、
売上については、だいたい把握している経営者が多い
でも、利益は?と聞くと、答えが曖昧…

さらに、1個あたりの利益は?
と聞くと、答えが出てこないことが多い

決算書で、全体の利益を把握することも重要ですが、
1個あたりの利益
さらに、品目ごとの1個あたりの利益、、、
と分解して捉えられると、数字の解像度がグッと上がり、
今まで見えていなかったものが、見えてきます


売上の分解

売上は、単価 × 数量に分解する

品目 : 単価 × 数量 (日付、取引先、備考)

このくらいの数字、データが紐づいて記録できれば、まずはOKです

ザックリと合計額の集計だけでは、分析に使えない
何をどのくらい上げたり・下げたりすればいいか、打ち手を考えるには、
単価 × 数量 への分解が、最初の一歩です!

ついでに、取引案件ごとに、
日付、取引先、品目の情報、カテゴリ―分類(タグ付け等)も対応づけて
記録すれば、多角的な分析が可能になります

EXCELなら、横一行に収めて記録する感じです


費用の分解

売上と同様に、費用についても品目ごとに分解して捉えます
売上にかかる費用は、項目(費目)として何があるでしょうか?

  • 変動費

    • 材料費、原料費

    • 労務費(人件費にまとめるのもアリ)

    • 外注費

    • その他(消耗品など)

  • 固定費

    • 人件費(労務費、営業、管理など会社全体)

    • その他(販管費から人件費を除いたもの)

だいたい、こんな感じでしょうか
業種や会社によって、若干、分類が違うかもしれません

決算書の費目を参考に、売上1個あたりの費用も分解してみましょう


材料費、外注費

材料費や外注費は、品目ごとに、いくらかかっているか、
調べればわかると思います

ちょっと面倒だけど、品目ごとに対応づけて記録する
ここをサボると、分析不可能になります
まずは大まかな対応づけ、記録でOK

直接の対応付けが難しい場合は、
年次の決算書や
月次試算表の数字を分解して、
どの品目にどれだけ割り当てるか、比例分配を考えても、いいと思います

人件費(労務費)

品目ごとに、直接関わる人の稼働時間、作業時間から、
人件費を算出します

どの品目に、誰が、何時間、関わったか、
ここを対応づけて記録する
品目ごとに、かかった時間がわかれば、あとは計算でなんとかなります

人件費も 単価 × 数量(時間) に分解します

品目ごとの時間がわかっても、単価がわからない、という方が多い
ざっくり算出するには、こんな感じ

  1. 決算書などから、会社全体の人件費合計額を抽出
    (給与、賞与、法定福利費、福利厚生費などを含む、研修費は含まない)

  2. 一人あたりの年間人件費をザックリ算出
    (会社全体の人件費合計額 ÷ 社員数)

  3. 時間あたりの人件費をザックリ算出
    (一人あたりの年間人件費 ÷ 2000時間)

社員ごとの費用にバラツキはあると思います
数値的に考慮できればベターですが、
悩むようなら、ザックリと同額として、人数で割り算するのもアリです

年間の労働時間も、わからない場合は、
ザックリと 年間2000時間とするのがオススメ
実際は、1500~2500の間のことが多いです

ここでは、傾向分析ができればいいので、細かい数字は気にしないこと
脱完璧主義で、まず全体を見通すことが大事です!

細部が気になる人も多いのですが、
結局、全体像が見えないと目的が達成できない、本末転倒
まず、ザックリと、全体像を見えるようにしてから、
徐々に解像度を上げて行けばOKです


品目に直接関わらない、営業さん、経理、経営者の人件費は
まるっと合計値を出した上で、売上比率で分配するのが、簡単です


最終的に、決算書の合計と、品目ごとに分解した数字の合計額が
一致することが重要。
合計が合わない場合は、どこかで調整が必要、とだけ覚えておいてください


1個あたりの利益は?

売上と費用を対応づけて、計算できたら
1個あたりの利益も簡単に計算できます

利益 = 売上 - 費用

で、ここで安心するのは、まだ早い!


品目ごとの利益のバラツキを分析する

品目ごとの1個あたりの利益が計算できたら、
それを会社全体で、ズラ~っと、一覧にして並べます

EXCELなら、縦方向に品目ごとの利益が並ぶ

利益の大きいものから、小さいものへ、順番になるようにソート!
中には、利益がマイナス(赤字)のものがあったりしませんか?

これを、グラフにしてみると、
会社の利益構造がよくわかります

  • 一部の商品(品目)だけが利益を稼ぎ出しているケース

  • 平均的に利益が出ているケース

  • 多くの商品(品目)で、利益ゼロかマイナス(赤字)のケース

などなど

余裕があれば、売上金額と利益の2軸でプロットしてみると、
さらに、気づくことが多い

これを見れば、何から手をつければいいか、見えてきます
考え込むより、少し手を動かして、
次の一手のヒントを自ら見つける、という発想が大事!


数値分析 → アクション(設計、計画)

まずは、分解して分析
その先に、何をどのくらい変えるか、戦略的アクションの設計、計画があります

じっと耐えて、ガマンするより、
できることから、こつこつと分析してみませんか?
きっと、明るい未来が見えてくるハズです!!



以前の記事も参考になれば、嬉しいです!


この記事を書いたのは、

収益の柱を増やす「未来実現パートナー」 川原茂樹
https://mousoubiz.com/
https://twitter.com/mousoubiz


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