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愛しき友へ

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中学からの親友の最期に寄り添った記録。
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#エッセイ

11ヶ月目

11ヶ月目

愛しき友が旅立って11ヶ月目。

あれから何かが劇的に変わった訳ではないけれど、一日一日を大切に過ごしていると胸張って言えるほどでもないけれど、出来るだけ自分に嘘をつかないように心がけている。

誰でも無条件に爺さん婆さんになれる訳ではないから。

最近も血液検査で骨髄球が出て再検査した。
最終的には問題なかったけれど、ちょっとググってみたら恐ろしい病気のことが書かれたサイトばかり引っかかった。

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髪を捧げるということ

髪を捧げるということ

平成最後の暑い夏に十万億土へ旅立った親友暁子のがんが発覚した5年前、私はいても立ってもいられなかった。
しかし、親友とはいえ血の繋がった身内ではないので、例えば治療方針の決定など核心的な部分には関われない。寺社仏閣にお参りしたりお守りを渡したりがせいぜいだ。
いや、実はそれさえも余計な事で、これまでと変わらず普通に接するのが親友としての最良の行動だったのだ。

それでも何かせずにはいられなかった。

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納骨 共にあるということ

納骨 共にあるということ

昨日、愛しき友がお墓に納骨された。
仕事が休みだったなら出発の見送りだけでもしたかったのだけど、出勤だったので始業前に休憩室で人知れず黙祷。

儚いなぁ…でも5年間もがんと戦ったんだ、結構しぶとかった。でも、最後はあっという間だった。
強いけど儚い…命ってそういうものなのかもしれない。
暁子は5年間の戦闘期間があったが、事故や災害に巻き込まれたら本当にあっという間だ。どんなに強く生きようが、必要と

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人は死んだらどこへ行く?

人は死んだらどこへ行く?

愛しき友が旅立って四十九日が経った。
私はいつもの通り、寝て起きて仕事に行って帰ってきた。ただ、普段はそんなにマメにしていないお線香を仏壇に供えた。

人は死んだらどうなるのだろう。

誰もが一度くらいは考えたことがあるのではないかと思う。
死んでしまった人からインタビューなど出来るわけもないので、死んだらこうなる、という詳細なレポートはまだ存在しない(はず)。ただ、臨死体験を経験した人の証言はあ

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”悲しみ”の成仏

”悲しみ”の成仏

※先にこちらをお読みください↓
https://note.mu/mougi/m/me73b5c27c34b

愛しき友が十万億土に旅立ったことは、葬儀告別式が一通り済んだ後同級生たちに連絡をした。
私と美和子でそれぞれ連絡のつく人たちに片っ端から伝えたので、一通り伝わっただろう。
しかし、もう一人どうしても伝えたい人がいた。

お世話になった恩師である。

中学1年生の時、私、暁子、美和子は同じク

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弔い

弔い

過去のnoteを未読の方はこちらをご覧ください。
https://note.mu/mougi/m/me73b5c27c34b

7月25日、中学1年生の頃からの親友、暁子が十万億土へ旅立った。
前の週に「あと2週間から1ヶ月」と命の期限を告げられてからまだ1週間しか経っていなかった。

亡くなる前日にお見舞いに行ったが(もちろんその時は翌日旅立つと思っていない)、顔も身体もすっかり痩せ細った暁子は

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がんを患った愛しき友

普段、ほぼニュースチェック用ツールと化しているLINEにグループトークの招待が来た。高校時代の友人美和子からだった。私の気持ちが少し重くなった。暁子の事だろうか。
美和子、暁子とは学生時代同じ学び舎で青春時代を過ごした親友だった。卒業後、二人は夜の蝶になってやるぜといいながら、結婚願望の強かった私の頭を飛び越えて早々と結婚。子供が何人か授かった数年後、それぞれ結婚生活で色々あったのか早々と離婚しシ

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