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歩き出した物語(雨)




あの娘はとても気取ってるから

あの娘はいつも疲れてるのさ

アメツブとびこむおいしい窓際

一筋の光 音楽的な虹

さくじつ赤く燃やした廃の匂い

さくじつ飲み過ぎた炭酸の余韻

さくばん憎まれた雨男の逆ねじ

君は悲しい顔で何を見ていたの

君は困った顔で遠くをみていたの

君は眠った顔で誰を夢見ていたの

風がふく 青いトタン屋根

狭い世界で生きてる人に

あいさつをかわし過ぎ去る時間

甘い気持ちを聞き歩くのがあの娘

まなざしが時と景色を止める

走る坊や パパの笑い ママの嘆き

アメツブだらけの窓ガラスに

それぞれの想いと長い言い訳

言葉にならないでどっかいっちゃうんだよ

用もなくのぞきこんでニッと笑うんだよ

今はまだ何も見えやしないよ

あの娘が疲れているうちは

寒い雨降りの朝は眠るだけだよ

正しくもないウソつきじゃないよ

近道知らないだけだよアメツブだらけだよ



乾いた空 赤いベンチ ダッフルコートの彼女

呪文を唱えてるの



りんりんらんらんだれかにいいたいな
りんりんらんらん歌いながらあるくよ




トタン屋根から青い恋しが落ちてくる。
あの娘はささやくように暮らしたいだけ。
あの娘は脚も耳もよくないから聴くだけよ。




「いま、なんてったの?」







生足で暮らしたい♡



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