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トニ・モリスンから知ることは、上っ面で生きてることを認識させてくれる出来事だった。

1993年にノーベル文学賞を受賞したトニ・モリスン。授賞理由では、「幻想的かつ詩的手法を駆使し、黒人社会を通して見た米国の現実をえぐる素晴らしい業績をあげた」と称賛されたとある。

私が、トニ・モリスンを知ったのは、大江健三郎のエッセイを読んでいて彼女に対する記述があったからだ。

最近は、読書するにも自然と道が開けてくる。
そのままの流れで進んでいこうと思っている。

トニ・モリスンの代表作と言われる「ソロモンの歌」を手に取った。

人種という部分を今までどう考えてきただろうか。

日本人であり、日本にいることで始まり、現在も日本にいる。

その事は、当たり前として根底にある。

人種というものを考える事すらなかった環境で生きてきたとしか考えられない。

表面では、色々、目にし、耳で聞き、考えろ、考えろと言われるが本当の所で実感がない。

それが自分の人間としての幅を狭めているのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。

例えば、海外に居住していたり知り合いがいたりするのならまた、自分の問題として考えるのかもしれない。

もしかしたら、そういう部分も知らないで生きているというのは、人間として足りてないのかもと考えが進んでいく。

この本、読むの怖いなぁ。

無知は、無知のままでいいとか、すぐに考えるタイプである。

自分が何者なんだ。

そこに人間としての種類の部分で悩むとしたら。
どこまでも掘っていきそうになる。

黒人のルーツや、生活。インディアン、白人、黒人。この小説は根源に触れるなかで何を見い出すかを伝えてくる。

今まで、深く何も考えてきていない私が読み進めてもいいものかと。考えながら読んでいたのだが、結局読みたい欲が勝った。

自分が知ることは決して簡単に「わかるよ」とか言える種類のものではない。
浅い、浅いところで表面上っ面のみを感じて書くような事ではないなと思いながら書いている。

だけど、違う国の違う人種の人間が、今その時代の片鱗を少し知りそれを恥じずに書く事が、何年後かに更なる成長を知れる手段だと思うので書き残しておく。

人間の一生は、ルーツを知る事で何かの答えを得ようとするが、そこに実体として有るものへの葛藤や満足は、何代にも渡り人間がつくりだしているものである。

この本を読むと、難しく考えたくなるが深い所へいこうとする頭が足りないのである。

どうにもこうにも、落とし込み方が私はそれで、どう考えるか。どう表現出来るか。という読書をしているので黒人社会背景を知らない私が上っ面で書くのは違うと思う。

結果、勉強しとけば良かったなぁとなる。

物語を物語として楽しめばいいじゃないか。

とか自分でも思うのだが。

あまりにも、黒人のルーツを探す、何者かを知る、自由とは、行き詰まり感、焦燥感、人物像、時代背景のそれぞれ描写がそれをただの物語にさせてくれない。とても力のある本だ。

自分で何を書いているのか、とても恥ずかしく思うくらいなのだが、ちょっと読んでもらいたい。

これは、もう。難解だけど読書の醍醐味に溢れている。

誰か指南して欲しい。

なんのはなしですか

読書家。読書冥利に尽きる場面に出くわしたと知る。






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