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福島県への風評加害・情報災害問題

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情報災害としての福島県への風評被害問題および自主避難者問題について
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#処理水放出

風評 加害と被害

風評 加害と被害

加藤文宏

──寺田寅彦は「流言蜚語」で次のように書いた。

風評は漠然と発生しないある中華料理店の被害

 風評は噂であったり、人々の間で交わされる話題だ。
 この風評が原因で発生する被害いわゆる「風評被害」は、長らく漠然とした現象によってもたらされる出来事とされていた。
 「あの店は、靴を履いた足で鶏ガラを鍋に押し込んでからスープを取っている」と悪い噂が立って、客足が遠のいた中華料理店が筆者の

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デブリに触れた水と言い出したのは誰だ2 政治に利用された定型句

デブリに触れた水と言い出したのは誰だ2 政治に利用された定型句

加藤文宏

第一回

──「デブリに触れた水」という言葉が定型句のように使われている。X(旧ツイッター)に書き込まれた投稿数は、8月16日から31日までで1,181件と急増した。

負の感情を回収した政治家とジャーナリスト ALPS処理水放出の直前から盛んに耳にするようになった表現、「デブリに触れた水」がいつ、どのように定着し、なぜ爆発的に使用されるに至ったか。この疑問を、第一回[デブリに触れた水

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デブリに触れた水と言い出したのは誰だ 定型句に支配された風評

デブリに触れた水と言い出したのは誰だ 定型句に支配された風評

加藤文宏

改訂履歴/2023年9月23日 21:33 | 安藤量子氏から発言は「拒否感を持っている人の心情を分析して述べた」との意見が入りました。筆者は、そのうえで安東氏が自らの考えに重ね合わせて発言したものと解釈し論考を執筆しました。公開第一版で「発言」とのみ記述していた箇所を、拒否感を持っている人の心情を代弁したとわかるよう改訂しました。

その言葉はどこで生まれたか爆発的な増加

 「デブ

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人々の土地を奪ってタンクを置け/共産党ふじしまともこが目指す強権政治

人々の土地を奪ってタンクを置け/共産党ふじしまともこが目指す強権政治


──「強権・独裁政治」を目指しているのは誰か。どうみても日本共産党ではないか。

人々の声を一蹴する暴挙 川口市の共産党市議ふじしまともこ氏は、ALPS処理水放出に科学的根拠を伴わない反対論をX(ツイッター)で繰り返し、

と投稿した。「人々の土地を奪ってタンク置き場にしろ」というのだ。
 この主張には、福島県の人々を中心に批判が多数寄せられている。
 避難区域は人々が所有し、長年にわたり暮らし

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処理水放出をめぐる韓国世論の実態

処理水放出をめぐる韓国世論の実態

取材・論考・タイトル写真
加藤文宏

どこまでも政治的な反対論 福島第一原子力発電所事故から12年、いよいよALPS処理水の放出がはじまる。処理水をめぐっては、韓国の最大野党「共に民主党」の議員団が放出阻止を掲げて福島県を訪ね、中核派が運営するクリニックを訪問する異様なできごとがあった。朝鮮日報が4月6日の社説で「デマ政治の誘惑を捨てられない共に民主党」と論じたことでもわかるように、韓国内の放出反

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