モリマサシ / THE FOREST

THE FOREST 株式会社ザ・フォレスト 代表取締役/fes創ったり、fes に遊…

モリマサシ / THE FOREST

THE FOREST 株式会社ザ・フォレスト 代表取締役/fes創ったり、fes に遊びに行ったり、潜伏したり。フェス企画制作、ライブ制作、ステージ演出、空間演出など rockin'on→OORONG-SHA→独立

最近の記事

SUMMER SONIC2023 を終えて

今年のサマソニ、いよいよ清濁併せ呑む巨大な存在として次の段階にきた感がある。ブッキングと勢いと多様性の巨大さが、アフターコロナの人々の開放感、興味、期待、欲求、映えとかのモードとうまくあわさって、雑多とか、節操の無さも超えてきたという印象。 New Jeansおじさん論争と運営と熱中症の危険性だとか、 ジャニーズのファンが徹夜どころか前の日から並んでるだとか、そういうのがケンドリックラマーの研ぎ澄まされたステージとはあまりにも無関係すぎるところにあったし、協賛ブースの充実&

    • リアム・ギャラガー / ケンドリック・ラマー@SUMMER SONIC2023

      リアム・ギャラガー。 Oasisが止まって以来こんなに直球でOasisを演るリアムははじめてなのでそれだけでもう優勝。 SEから既にOasis。「Fuckin' in the Bushes」。頭2曲は「Morning Glory」「Rock'n Roll Star」そして自然に「Wall of Glass」が入る。 「Wonderwall」では正真正銘の大合唱というものを我々に思い出させてくれて、「Champagne supernova」のリフレインと大歓声で締め括る。 リ

      • blur @ SUMMER SONIC2023

        これ、このまま新作中心のセットリストだけで固めて、生カメ映像はカラーフィルターみたいのでやり過ごす地味めな1時間半になる感じ?まあ、それもやりかねないよね、と 一瞬不安がよぎるも、結果的に、blurに期待される曲がほぼ網羅されて、彼ららしい姿も見られて、演出的にもクリエイティブな香りが所々で感じられ、幸福度の高い初日のヘッドライナーになったかと。 最近はメガネをせず、フランス辺りのイケオジ俳優のように眼光鋭いグレアム。そんなグレアムよりメガネ率が高くなり、ビリー・アイリッシ

        • FUJIROCK FESTIVAL'23感想

          もうすぐ今年のフジロックが終わる。 ステージのサービスLEDが縦型の傾向になって数年、いろいろとフェスやライブを観てきたけど、初日の矢沢永吉は最も縦の形にハマりが良かったと思う。 象徴でもある白いマイクスタンドと白いスーツでキメたその立ち姿も、ステージ上でのそのすべての所作も、是非とも「全身で」映し出して欲しい美意識の塊というか流儀みたいなものなので、大画面でそれができるのが凄くいいんですよね。 もちろん細部まで、その表情、指先の動きまで完成されていて、当然圧倒的に唄が上手

        SUMMER SONIC2023 を終えて

          映画THE FIRST「SLUM DUNK」

          映画THE FIRST「SLUM DUNK」。やりたいことが明確で、そしてこの井上雄彦インタビュー、めちゃくちゃ腑に落ちるし共感できました。 自分の直接作業で、ある程度表現を完結できる漫画と、人にお願いしなければ成立しえないアニメ制作。 似て非なる仕事と役割の中で、自分の関わる意味、責任とこだわり、妥協と許容、言語化と直感とか、凄くわかりやすく話されています。 自分の経験や仕事にあてはめられる人も多いのでは。 自分の場合、経験上、音楽の世界では、言語化が非常に得意なアーテ

          映画THE FIRST「SLUM DUNK」

          生のライブやフェスはこの先、無くなると思いますか?

          たまに大学の講義でお話する機会がありまして、先日、 学生からの質問にこのようなものがありました。  「生のライブやフェスはこの先、無くなると思いますか?」 いや、なくなるわけないですし、それ困るよね、というかその質問くるか、と思いつつ、 「自分の予想ではあと50年くらいはマトリックスの世界にならない気がしていて、少なくとも今の技術では生のライブに絶対勝てないと思うので、配信を楽しんだら是非、ライブやフェスに行ってみて下さい、全然違うので。 アーティストにとっても、ただカメ

          生のライブやフェスはこの先、無くなると思いますか?

          SUMMER SONIC2022と論争

          サマソニの大盛況には希望を感じ、嬉しく思いました。 SNSでは、影響力のある出演者のMCについて、配慮やリスペクトに等に関する論争がいくつか生まれましたが、皆が考え、知るためには良い機会だったと思いますし、これは若いオーディエンス、または新たなお客さんが増えた結果でもあり、この洋楽邦楽含んだ巨大フェスが巨大であり続けるためには必要な、避けては通れないプロセスだとも思います。 そういう意味では若いお客さんに溢れていた会場は健全に成功に向かっているように思えましたし、あとは、良く

          SUMMER SONIC2022と論争

          FUJI ROCK FESTIVAL'22感想

          FUJI ROCK FESTIVAL'22より戻りました。 偉大な25年の歴史のうち22回くらいは参加していますが、本番3日間こんなにも天気が安定した苗場は超レアパターンなのでは。 まさかの一度もレインコートと長靴を使用せず。こんなことあったかな。。。くらい記憶にないです。 前日までは雨降ったみたいなので、あくまでもお客さん目線の話です。 今回が2回目の参加になる息子は、初参加のときの豪雨とは違う、気持ちの良いフジロックも体験できたようでそれは良かった。 結果的に今年もコロ

          FUJI ROCK FESTIVAL'22感想

          追悼:テイラー・ホーキンス

          ショックなニュースですね、、、 テイラー・ホーキンスといえば、 なにかのライブ映像だったか、MVのなかのツアー映像だったのか、 「アラニス・モリセットのバンドって、凄いカッコイイドラムがいるな~」っていうのが最初の記憶。その後、しばらくしてから、フー・ファイターズの新しいドラムが入ったときに、「あ、あいつあのドラマーだ!」と、その時の感情を思い出した。 ニルヴァーナで叩いたデイヴ・グロールがドラムを任せられる人ってそうそういなかったと思う。 ご冥福をお祈りします。 90年代

          追悼:テイラー・ホーキンス

          「鎌倉殿の13人」とTVアニメ「平家物語」

          近頃のささやかな楽しみは「鎌倉殿の13人」とアニメ「平家物語」。 物事を多面的に見ることの大切さを突きつけられるので、セットで追いかけて観ていくのがお勧め。 対極から描かれ、全く異なる魅力を持つ2作品だけど共通して素晴らしいのはオープニング。曲と映像。良すぎ。 「鎌倉殿の13人」はそもそもタイトルに力があるし、曲も映像もどアタマから過剰なくらいの躍動感に溢れていてめちゃくちゃカッコイイです。 おそらく平家打倒は前半で終わり、13人の本筋は血生臭い権力闘争になっていくことを考

          「鎌倉殿の13人」とTVアニメ「平家物語」

          2022.2.13 宮本浩次@国際フォーラム

          一挙手一投足のすべてに情熱が溢れる稀代のフロントマン。そこにKey.小林さん、Gt.名越さん、Ba.マキさん、Dr.トムさん、という、もはや勝ったも同然な、こちらも嬉しくなるような、一方で自分このまま客席で観てていいんでしたっけ?的な気持ちにもなる豪華メンバー。2時間が経ったのが信じられないような充実。これで47都道府県まわっているとは、これもまた信じられないような事実。 名曲が高次元で披露されるなかで、いつもの「狂気の科学者&鬼才すぎる文豪」みたいな様子とは少し違い、スマ

          2022.2.13 宮本浩次@国際フォーラム

          2022.1.12 BRAHMAN@中野サンプラザ

          ホールでのBRAHMAN。なんというか人間的であり、その大きさを感じ、素晴らしかった。バンドにとって、椅子席にマスク着用というどアウェイな環境でどんなライヴになるのか、心配と期待と応援みたいなものが入り交じった気持ちでしたが、制約のなかで生まれる反動、的な力と可能性を感じた。 BRAHMANの魅力は、どしゃ降りのようなドラムと地鳴りのようなベース、オリエンタルな響きを持ちながらハードに鳴るギター。そして、闘神のようなボーカル。 いつもそれは観客の巨大なうねりのなかで発生、

          2022.1.12 BRAHMAN@中野サンプラザ

          フジロックが終わって、開催できて良かったと思う理由

          まず、今年のフジロック、開催できて本当に良かったと思う。 僕は「フジロックに関しては開催すべき」と思ってお客さんとして参加してきましたが、 関わるいろいろなスタッフ、関係者の顔を見て、話をして、実際に現場で起こっていることを見て、 やはりその考えに変わりはなかったのでこの文章を書いています。 人は皆、自分とその周辺や知っていることや知り合いに関しては 寛容になれますが、知らない人たちや見えない人たちに関しては 想像することが難しく、持っている情報次第でときに残酷に

          フジロックが終わって、開催できて良かったと思う理由

          「麒麟がくる」終わってしまった。。。

          基本的に大河のオープニングは素晴らしいものが多いので好きなのですが、今回のものは特に好きでした。 謀反人として知られる明智光秀を主人公に据えた場合の、本能寺の変に向かうまでの心情や暗示が、映像と音楽、文字のサイズなど、すべてを使って存分に表現されていたと思う。 「麒麟がくる」は、通常、信長、秀吉、家康の三傑を正統とした視点で語られることがあたりまえの戦国時代において埋もれてしまった光秀の生きざまやその役割がどれほど重要で意味を持っていたかにスポットを当てた題材と脚本であった

          「麒麟がくる」終わってしまった。。。

          映画「新解釈三国志」は観るべきか?重臣たちと相談してみました。

          映画「新解釈三国志」。三国志好きとして見るべきか。 自分の中の重臣たちが激論を繰り広げている。 ・・・・・・・・・・ 皆のもの、今日の軍議では 「新解釈三国志」を観に行くべきか話し合いたい。 夏候惇「遅れをとってはなりませぬ。即刻観に行くべし、と存じます。」 そうか。皆はどうじゃ? 関羽「我が君、このような映画、観るべきではござらん。」 何故じゃ? 関羽「三国志をネタにエンタメ化しているだけで、内容を伴いませぬ。1800円を投じるに値しませぬ。」 ふむう。

          映画「新解釈三国志」は観るべきか?重臣たちと相談してみました。

          追悼ディエゴ・マラドーナ

          ディエゴ・マラドーナが逝ってしまった。。。 元々、不摂生とかで長生きはしなそうな雰囲気がありつつも、 逆に歳をとっても歩けなくなってもスタジアムでアルゼンチン代表戦を観戦していそうなキャラクターでもあったので、いざこの世界にもうマラドーナがいないという事実を突きつけられると哀しい。 左利きの象徴ともいえるその存在や、背の高くなかったマラドーナが「それでも世界を魅了する特別な存在として君臨した」ことはその後の多くのアスリートはもちろん、たくさん人々に影響を与えたと思う。

          追悼ディエゴ・マラドーナ