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映画THE FIRST「SLUM DUNK」

映画THE FIRST「SLUM DUNK」。やりたいことが明確で、そしてこの井上雄彦インタビュー、めちゃくちゃ腑に落ちるし共感できました。

自分の直接作業で、ある程度表現を完結できる漫画と、人にお願いしなければ成立しえないアニメ制作。
似て非なる仕事と役割の中で、自分の関わる意味、責任とこだわり、妥協と許容、言語化と直感とか、凄くわかりやすく話されています。
自分の経験や仕事にあてはめられる人も多いのでは。

自分の場合、経験上、音楽の世界では、言語化が非常に得意なアーティストやプロデューサーもいれば、
逆に作品や音に込めることの感覚や直感、余白を大切にし、言語化やカテゴライズを苦手としたり、避けるようにしているアーティストに分かれているように思います。

自分はスタッフなので、ライブやフェスを具現化する制作進行の過程ではイメージの言語化と共有能力とか語彙力は必須と考えていますので、日々それを磨きたいと思う一方で、
彼らの尊いクリエイティブを、安易に自分が言語化することのおこがましさと恐ろしさの間で葛藤するのです。でも、それやらないと進まないし。

インタビューの最後に「絵がうまくなった」ことがこの映画への挑戦でのプラスだったと言っていることも、この人らしくて原点で本質であり、
井上雄彦、やっぱり凄いなと思いました。

週刊連載を読んでいた子供の頃にわからなかった表現力の幅と緻密さとかそれらに込められた凄みが、読み返す度に、自分が年を重ねる度に、わかるようになってくるし、
そうやって時を経た今、当時テレビアニメ化で個人的には子供ながらにクリエイティブの部分でがっかりした記憶があって、それをきっちり取り返してもらえたような嬉しさもあり、
今回の映画化にとても感激しました。

何が言いたいかというと、「今更?映画化?」と思っている人ほど観た方がいいですよ、映画館で。ということです。

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