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【06/10~17の日記】心が満たされた日々

取り留めもない日記。題名の付かない日と出来事。

いつもよりもプライベートに踏み込んで、
でも記事にはならない散文たち。

まえよりずっと、エッセイです。


06.10
寂しい思いをさせてごめんね。
私もさみしくなってきた。

久しぶりに実家に帰った。1ヶ月以上ぶりだった。
私の部屋は私の部屋のままで変わらない。
母は髪を切ったみたいで「いいでしょ」って見せてきた。かわいい。

私が夜ご飯やらパンもおやつも、作ったものをLINEで逐一報告していて、やたらとパンに食いつかれたので強力粉とイースト持参での実家帰りはさすがに笑った。

ただいまと同時に、発酵の時間もあるからパン作りにとりかかる。楽しそうにこねる母を眺め、私はピクルスの材料を切った。それはもう、楽しそうにこねる。バターをいれるとつ艶っとなる生地を見てボールをいれて、発酵を待つわくわくを感じる。

仕事について、聞かれないはずがない。
「就活してるよ」
でもその一言で終わった。ちょっとほっとした空気を感じた。

前回母に会ったのは2週間くらい前だっただろうか。彼と住む家の方まで遊びに来た。にこにこお話してたのに、最後にはぎゅっと抱きしめられた。そして寂しそうな背中を見送った。

心配をかけていることが、苦しかった。安心させてあげたい。そう思っても行動に移せない自分が嫌で、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。今だってそれは変わらない。でも、安心したような空気になって私はほっとした。

ふわふわの白パンをそれはそれは気に入ってくれて、ご飯前なのにパクパク食べてた。ご飯後も「食べたいな〜」とか言って結局食べてた。母を笑わせてあげられたのが久しぶりだったような気がする。母が「美味しい!」ってにこにこ食べてくれることが、心の底から嬉しかった。

夜ご飯はコロッケだった。
コロッケに関わらず、お昼に実家に着いてからずっと、2人でキッチンに立って、食べて作って洗ってを何度も何度も繰り返してた。

おなかいっぱいでご飯を作って、
味見してて、できたものも美味しそうでまた食べて

毎日のようにキッチンに立っていた私はやっと戦力になって母と一緒にキッチンに立って料理をしてた。何だか昔から憧れていた時間を過ごせたようだった。

父には会いたくない。4月の終わりに会ってからまだ一度も顔を合わせていない。その時は悲しそうな泣きそうな顔で怒鳴られた。自分を責めることしかできなくて、ただ怒鳴られていた。そんな父から逃げるように、足早に身支度を済ませて帰路に着く。

母との別れは名残惜しかった。

たくさん食べた。
たけのこご飯、たけのこの煮物、ちりめん山椒、もつ煮、コロッケ、白パン、ピクルス、お味噌汁…

たくさん作った。
ピクルス、コロッケ、白パン、ちりめん、お味噌汁…

久しぶりのたった半日の実家帰り

久しぶりに和やかで食べて作って、楽しい空間だった。かわいい無邪気な母が大好きだなって改めて感じた。急に出て行ってごめんなさい。寂しい思いをさせてごめんなさい。

やっと私も素直に、母と会えない明日からの日々に「さみしい」って思えたよ。


06.11 癒されるとはきっとこのこと

お昼ご飯を食べたあと、リモートで家にいる彼がソファに座る私の太ももに頭を乗せる形で抱きついてきた。そのまま彼の身体に左手を乗せて、空いた右手で頭をふわふわと撫でた。

彼の体温が伝わってくる。身体がぽかぽかしてくる。彼を撫でる手がゆっくりゆったり、身体に心地よいリズムで動く。

彼を癒しているはずなのに、私の方が癒されていた。

そのまますっと眠ってしまうような、安心感とあたたかさを感じていた。

この時間が永遠ならいいのに。

そう思ってしまうお昼休みの15分間


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