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2023年詩

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#大切

170「詩」実り

170「詩」実り

長い時間をかけ
実ったものはなんだったのだろう
熟成したものはあったのだろうか
醗酵したものはあったのだろうか

気の遠くなるくらい
同じに見える朝を繰り返し
食べ眠り同じ事を繰り返し
実ったものがあったのだろうか

確かに
時は
経ってしまった

シワとシミの
増えた手のひらが
時の流れを伝える

思い出のなかで
大切な人たちが
増えていく

ー大切な人たちは
幸せでいてー

もうじき葉を落とし

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133「一行詩」

133「一行詩」

その小道の角を曲がれば空に行った大切な人が微笑んでいる

118「詩」思い

118「詩」思い

思いがいっぱいあるのに
伝える言葉が見つからない

とても大切な思いが
伝えてもらえないことに疼いている

なにか大切なものを落としてきた
歯がゆいままだ

徐々に濃くなる空に
浮かんだ月が明るさを増していく夕べ

今日と明日を分けるように
飛行機雲が一筋伸びていった

104「詩」そんな時

104「詩」そんな時

大切にしてきた
嘘のない心を込めて

周りにいた人たち
周りにいた生き物
周りにあった草花

それは
ほんとうのことだ

伝えようとはしなかった
感じとってもらえばそれでよかった

ほんの少し
ほんの少し
わたしがなにかの助けになれたら

わたしの周りにいる人や生き物たち植物たちが
ほんの少し
ほんの少し
あたたかな気持ちになれたら

わたしが生きている意味があるように思えた

ある日
ほんの歪ん

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38「詩」人間だから

38「詩」人間だから

ありきたりの生活をしてきた

ありきたりに結婚し

ありきたりに子どもを育てた

大切に大切に育まれた子どもたち

ありきたりの幸せでいいと

親たちは願った

ある日

いちばん大切なものが何か
見失った人間たちが
その命を奪う

人間が
人の命を奪っていいわけなんて
どこにもない

ありきたりの生活が
眩しいくらいに
輝いて見える

いちばん大切なもの

人間だから出来ること

ありきたりの人

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24「詩」2月に

24「詩」2月に

2月

暗闇に星たちが響いている
金属製の小さく軽やかな音が降り注いでる

耳を澄ませるとかすかに
君の声が聞こえたような

僕はずっと君を見ている

その声が聞こえたような

2月

君は飛行機に乗ったまま
空の高みに昇っていった
その日がまたやってくる

君がいたから
私はいままで
頑張ってきた

遠くにいても君の生き方が
いつも私を励ましてくれた
大切な友

凍てついた大地は
星たちの音を受

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7「詩」 大切な人のために

7「詩」 大切な人のために

自分が嫌いだった
顔も美しくなかった
自信などまったくなかった

いつもおどおどと
人の顔を読み取り
その人が喜ぶような
言葉ばかり口にした

自分などどうでも良かった

幸せではなかった
嬉しいことなどまったくなかった

いつもおどおどと
人の顔を読み取り
幸せだと
うその言葉ばかり口にした

自分などどうでも良かった

自分が嫌いだった

ある日
出会った大切な人

大切な人が笑うと
自分も嬉

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