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「全国最中図鑑」47 大内もなたん(山口県山口市)

中世、西日本の守護大名として勢力を誇った大内氏の24代目当主・弘世ひろよは、京の文化や情緒に感銘を受け、地形のよく似た山口盆地に、京都を模した街づくりを行なった。これが「西の京」山口の始まりである。
弘世は京の三条家から美しいお姫様を嫁に迎えるが、当時の山口は何もない田舎で、姫は華やかな都を恋しがった。そこで弘世は都から大勢の人形師を呼び寄せ、館いっぱいに人形を飾ってお姫様を慰め、喜ばせた。町の人々は館を「人形御殿」と呼び、弘世の愛妻家ぶりを伝えたという。
このラブストーリーから生まれたのが、山口名物の「大内人形」。夫婦円満の守り神といわれ、今も人々に愛されている。
「大内もなたん」は、このコロンと可愛い形の大内人形をかたどった最中で、人形と同じくお殿様とお姫様のペアになっている。お殿様には粒揃いの北海道特選小豆の粒あん、お姫様には北海道産手亡豆の白あんに京都の老舗茶園丸宗の石臼挽き抹茶を合わせた贅沢な抹茶あんが、それぞれ入っている。

山口風月堂
山口市下堅小路2


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日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途中で出会った最中のなかで、ユニークで忘れることのできないご当地最中を紹介していきます。


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