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病児保育がないフランス、病気になったら?

保育園に預けるようになったら、病気してばかりだよ。3ヶ月ごとに病気するけど、それは保育園だから仕方のないことだよね。

と小さい子のいるママンたちからは、笑いながらよく聞かされていたことだった。

一週間の慣らし保育のはじめの二日間は、親も一緒に園での生活を体験した。そのときはちょうど冬だったこともあったけど、鼻水垂らしてない子がいなかったのには驚いた。
おもちゃを共有して、カミカミしてるわけだから、これは時間の問題だなと思った。

例に漏れず、これまで咳なんてしたことなかったおーちゃんが、保育園に行くようになってからすぐに風邪をひいてしまった。鼻水はなかなか治らない。案の定、夕方保育園の副園長先生から電話がきて、38.9度あってドリプランを飲ませました。ということだった。

ーードリプランというのは、痛みや熱が出てだるいときなどに飲む、フランスのどこの家庭にも必ずと言っていいほどある常備薬。赤ちゃん用はシロップで、体重に合わせて飲む量を測る。保育園入園の持ち物リストに入っていた。ーー

みんなそうだと思うけど、保育園からの連絡はいつもどきどきする。
そういう気持ちを察してか、園長先生も、副園長先生も、いつもまずは

心配しないで、そんなにたいしたことじゃないから

と言ってから、話を始めてくれるから、少し安心できる。

そして、最後に迎えに行った方がいいか聞くと、

大丈夫、様子をみましょう。何かあればまた連絡します。

といつもそれで終わり。

確かに赤ちゃんの頃はすぐ熱を出すけど、大したことがないことが多い。それにすぐ熱が下がってけろっとして、いつも通りに遊んでいる。保育園側は親がすぐ迎えに行くのが難しいということも理解してくれてるし、普段からよくみてくれてる保育士さんや園の看護師さん、そして園長先生たちが大丈夫と判断しているのだから、大丈夫なんだろうと思うし、疑ったことはない。それに心配なら迎えに行けばいいだけのこと。

これまで何回も保育園から熱が出ましたという内容の電話がかかってきたことがあるけど、迎えにきてほしいと言われたことは一度もない。39度超えたこともある。なんとなく保育園は何かあるとすぐ呼び出しされると思って構えてたから、これには拍子抜けだった。

ところで、フランスには、日本の病児保育、病後児保育というようなものがない。子どもが病気になってしまったら、会社を休まないといけないのか。
もちろん、熱が高くてぐったりしてるようなときには仕事なんて行かずに看病するのが当たり前だと思う。

でも、風邪が治りかけで、まだ少し熱があるけど元気に遊んでるし、何日も仕事休めないし、どうしようかなと思ったとき、朝出かける前に保育園へ電話して聞いてみたことがある。

熱があっても、普段通りに遊ぶことができて、よく食べているなら、連れてきてもいいですよ。

という答えだった。ほかの子たちと同じように過ごせて、保育士さんたちにいつも以上の余計な心配をかけなくてもいい状態、なのだろう。体温の明確な基準などはなく、親の判断に任せ、日本の病児保育に預けられるくらいの状態ならだいたい受け入れてくれる。断られたこともない。それに、病院で処方された薬も頼めば飲ませてくれるのはありがたい。

そして、子どもが生まれる前はこれまでほとんど風邪もひいたことがなかったのに、子どもが病気になった次の週は必ずと言っていいほど私も病院に行っている。

お医者さんには、

保育園一年目は子どもも親も病気ばかりしてしまうのは当たり前。たぶん次の年も、まだ病気することがあるでしょう。でも三年目には、とても身体の強いママになってるはずだから!

とはげまされた。

慣らし保育で見たように保育園では誰かしらは風邪を引いてるので、周りのお友だちから病気をもらってくることも多くなる。その反面、自分の子が他の子に病気を移す可能性だってあるのでそれはお互い様。この二年間は病院通いも受け入れるしかないんだろうな。



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