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【ルーツ旅🌺実家の謎の解明④】理不尽な悪意のタネまき(その1)横暴な家長が招いた悲劇

★これまでのお話
とんでもないクズ男くんだった曽祖父のN助。彼は自分を棚にあげ、3男のお嫁さんのT子さん(私の祖母)につらくあたるようになりました

▼4人の子どもに恵まれたものの・・・

第二次A教事件から8年がたった、昭和18年8月

すでに太平洋戦争が始まり、夫が満州に出征してしまったので、T子さんは3人の子どもを抱え、ひとりで子育てを頑張っていました。

私が子どもたちをしっかり育てなくちゃ!

実は、T子さんは、長男が4歳のときに伝染病(疫痢)で亡くしていました。だからこそ、のこされた二男・三男・長女をしっかり育てようと、心に誓ったのです。

▼N助の理不尽な態度

ところが、当時はやっていたはしかに、二男が感染してしまいます。何日も高熱が続き、苦しそうな様子を見て、T子さんは、村のお医者さんに連れて行ってくれるように、しゅうとであるN助に頼みました

ところが、N助はこう言い放ちました。

「医者に行くことは許さん! もし行ったら離婚だ!!」

なぜだか理由はわかりません。

おそらく、あの事件以来、なにもかもお前のせいという感じでT子さんに責任を押し付け、みんなでいじめていたので、T子さんがすることには何でも反対という姿勢だったのでしょう。

T子さんは、家長であるN助のいうことには逆らえないと、しばらく我慢しましたが、あまりに苦しそうな二男の様子にいてもたってもいられなくなり、家を抜け出してお医者さんのところに走りました

しかし、時すでに遅し。医者には手のつけようがないほどに容体が悪化していたため、まもなく二男は息を引き取りました

わ、わしゃ悪くないぞ! 悪いのはT子だからな!!

こうして、N助により、1つめの悪意のタネが私の家系にまかれ、芽を出したのでした。

N助の悪意
このタネが徐々に成長し、子孫をむしばんでいきます


▼夫を追って満州へ移住

悲しみにくれたT子さんは、ここにいたら他の子どもたちも死なせてしまうかもしれないと危機感を抱き、夫のいる満州に移住しようと決意します。

すでに戦局は悪化していましたが、T子さんは、「夫と家族一緒に暮らしたい」との一心で、昭和19年4月子ども2人(三男、長女)とともに海を渡りました

もともと20歳のとき、ひとりで山形を出て、京都に移住したT子さんです。こうと決めたらやってしまう、思い切りの良さがありました。

わ~い、お父さんだ~!!

こうして、家族4人で暮らした1年数か月間は、T子さんの人生の中でもっとも幸せな時期でした。

▼敗戦と帰国

そして昭和20年8月。日本は敗戦し、満州には国境線を超えてロシアが攻めてきました。夫は軍に呼び出されて不在だったため、T子さんは子どもたちを連れて、軍が用意したトラックに乗り、日本を目指して逃げることになりました。5月に生まれたばかりの二女も含め、幼い子ども3人を連れての逃避行です。

3か月後、奉天にある避難民収容所にたどり着いたとき、子どもが1人も欠けることなく連れていたのはT子さんだけだったそうです。過酷な収容所生活もなんとか乗り越え、翌年6月、子どもとともに日本に帰ってきました。

T子さん、よく頑張りましたね。

私は、なにかつらいことや苦しいことがあったとき、よくT子さんのことを考えます。10か月に及ぶ過酷な逃避行生活をやりとげたT子さんの苦しみを考えると、何もかもたいしたことがないように思えてくるのです。

今の私が存在するのは、T子さん(祖母)が必死で母の命をつないでくれたから。

そう思うと、T子さんには感謝の念しかありません。

▼悪意のタネをまいた2人目の人物とは

それでは次に、私の家系に2つめの悪意のタネをまいた人物をご紹介しましょう。

このことを初めて知ったとき、私は驚愕しました。
なぜあの人がそんなことを?と、意外すぎて頭の中がクエスチョンマークでいっぱいになりました。

その人とは・・・・・

・・・・・

・・・

ジャーン!!!

わ、私です・・・

えっ?

T子さん???

で、でもあなた、命からがら、大切な子ども3人を連れて日本に帰ってきたんですよね。

なんで、子どもとその孫が不幸になるようなひどいことをするんでしょうか。

彼女がしたことと、その結果どんなことが引き起こされたのかについては、また次回以降にお話ししましょう。

(続く)

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★最後までお読み頂きありがとうございました。ぜひスキやコメント、フォローして頂けると嬉しいです。私も返させて頂きます。

★人物のイラストは、いらすとやさんにお借りしました☺️



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サポートありがとうございます! 近々、家系図のよくわからない部分を業者さんに現代語訳してもらおうと考えているので、サポートはその費用にあてさせていただきます。現代語訳はこのnoteで公開しますので、どうぞご期待ください。