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酒を愛する者しか入社できない会社があるという

今日の私は体調があまりよろしくない。
いや、逆に一周まわって、ハイ状態かも。

出社してすぐさまデスクに座って、会社の冷蔵庫にあったエナジードリンクをかちこんだ。

***

『えっ。大丈夫?しんどそう。。。』

たしか7つくらい年上の先輩男性が苦笑いしながら声をかけてきた。

『いやぁ、全然大丈夫じゃないっすね。最近寝れなくて、今日は朝の5時にやっと寝れたんで、3時間睡眠っすね。』

『あっそうなんや。今日も二日酔いかと思った。。。ドリエルとか飲まなあかんやつやな。』


今日の私は、何故か嘘をついてみていた。

正しくは、おっしゃる通りの二日酔いだ。

缶ビールを飲みながら友達と電話で話に花を咲かせていると、気づけば朝の5時になっていた。

真の答えは、二日酔いアンド睡眠不足だ。

***

私はこの会社に勤めて、もうすぐ1年になる。

さっきの先輩男性が一番年齢が近いといったところなので、若造は私だけ。

そんな私は、定期的に二日酔いになるほど飲んでしまう。

すぐ酔っぱらえればそこまで飲まないのに、ザルだから永遠と飲んでしまう。

だが、飲んだ分の影響はしっかりと反映され、次の日丸々二日酔いで死んでいることがほとんどだ。

朝、出社しては、会社のトイレで吐き、目を真っ赤にしてデスクに戻ったことや、白目を剥きながら、背を丸め、枯れ果てたガサついた声で電話対応をしていたことを、みんなは知っている。

『昨日も、たくさん飲んだの?』

とおはようの挨拶と共に、私のコンディションが悪いのを把握して声をかけてくる上司もいる。

有難いことに、みんな、怒ることはなく、酒飲み女いじりをして笑ってくれている。

まぁ、この会社の面接を受けたとき、お酒とは全く関係のない会社なのに、『あなたはお酒を飲める?』しか聞かれなかったもんな。

あれ?キャバクラの面接にでも来たんだっけと錯覚せざるをえなかった。

『はい!飲みます!好きです!毎日一番搾りを家で飲んでます!』

私は正直にリアルな現実をそのまま伝えた。

お酒の話は止まることなく、ざっと小一時間。

そして、アルバイトからの雇用なのに、面接に二度も会社に呼ばれた。

あの正直な答えだけが決め手ではないだろうけど、というかそれで決めたのなら本当に変な会社だけど、結果的に80人のうちの1人に選ばれて、今ここにいるんだとか。

大量のエナジードリンクと大量の500mlのビールが常備されている冷蔵庫を初めて見たときは、見間違いかと思い、目をこすってもう一度見直すというコメディアニメのようなことをしてしまった。

勤務時間終了1時間前から、みんなで各デスクに着席し、ソーシャルディスタンスを保ちながらの乾杯を何度かしたことがある。

もう一度言うけど、お酒を扱っている会社とかではない。

まぁ、ちょっとエンターテイメントで特殊な会社ではあるけれど。

なぜこんなにもお酒が好きな人たちが集められたのだろうか。

集める必要はあったのか。

謎である。本当に変な会社だ。

***

あぁ、文章をつらつら書いてると、意識が脳や指先に集中しているせいか、二日酔いアンド睡眠不足のしんどさをあまり感じなくて何とかなっている。

このしんどさを失くすのに一番最良な方法知ってるんですよ、実は。

‘‘ビールをまた飲み始めること‘‘

これに限るっす。

よい大人はマネしちゃダメですよ。ふふ

ってか、仕事しろってやつっすよね。

頑張りやすっ。うっす。


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