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旅を経て

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2019年2/10からの4ヶ月間の旅で感じたことをつらつらと。 訪れた国は イスラエル/パレスチナ/エジプト/ポーランド/ハンガリー/セルビア/コソボ/マケドニア/ギリシャ/アル…
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イスラエル・パレスチナに行った時のこと3

イスラエル・パレスチナに行った時のこと3

私は石畳の上にいた。「エルサレム・ストーン」と呼ばれる、乳白色の石で織りなされる古都の只中に立っていた。乳白色という色のせいか、はたまたそこはキリスト教/ユダヤ教のエリアだったせいか、想像よりも清潔で、管理されている場所という印象を受け、どことなく拍子抜けだった。
ガイドのプロであるM氏と、その娘であるTと一緒に歩いていた。
連れてこられて来る場所ではないのだなと思った、あくまで満を辞して来たるべ

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イスラエル・パレスチナに行った時のこと2

イスラエル・パレスチナに行った時のこと2

イスラエルへと出発する2/10の三日前、私は原宿にあるピアススタジオで、兼ねてから開けたかった鼻のピアスを開けていた。強烈なわさびを摂取したかのようなツーンとした痛みが瞬間的に広がり、意思とは無関係に片目から涙がツーと流れ落ちた。

出発前日の夜に私は39℃ほどの発熱をしたことを覚えている。身体が丈夫なので、インフルエンザにでもかからない限り見たことのない数字だった。

眠り、朝。
早朝、快晴だっ

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イスラエル・パレスチナに行った時のこと1

イスラエル・パレスチナに行った時のこと1

事実を淡々と書いてみる。
私がイスラエル/パレスチナに行ったのは2019年の2月のこと。
その前年である2018年の4月に、青森県と秋田県にまたがる十和田湖にある、ホテルへと出稼ぎに行った。その時の私は22歳で、どこに住むでもなく、神奈川にある実家と、元々の生まれ故郷である札幌の友人たちの家、そして京都にいる友人たちの家などを転々とするような生活をしていた。17歳から始めた歌は変わらず続けてはいた

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混血の葛藤

イスラエルは北部、地中海沿いにあるアッコ(アラビア語ではアッカ)という町に行ったときのこと。

港に面した旧市街は縦横1キロほどしかない小さなもので、そこを取り囲むように新しく背の高い建物が並ぶ新市街がある。私はどうも古い街並みに目がなく、均一で無味無臭な新しい建物の並ぶ町を歩くと寂しくなってくることすらあるので、真っ先に旧市街へと向かう。石造りの門を潜って町へと足を踏み入れる!野菜の大雑把に並ぶ

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はじめまして

渡邊萌奈です。エジプトと日本のハーフです。歌を歌っています。昨年4ヶ月間外国を旅して感じた途方もない感情や、日々感じる何かを未解決なまま提起していこうと思っています。
一発目の投稿に自己紹介がてら、旅で強く気持ちが掻き立てられた瞬間を羅列したものを、下記に載せます。それでは何卒。

〈長いです。途方もないことについて〉

今朝もたまたま911同時多発テロの映像や巻き込まれた人が最後に遺した音声を

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