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短編小説

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2020年4月の記事一覧

短編小説。 『カエル。』

短編小説。 『カエル。』

・ここに観察日記を書いておこうと思う。思い出せる限り。

・初日。

 30分残業した仕事を終わり、家に帰る。家から職場まで約1時間かかる。もうそれにも慣れた結婚生活10年目。夏のじめじめした日。関東では、明日更新されるであろう今季最高気温が観測された。

新婚の時、電車に乗ってる間に今日は何をしてあげよう、どうやって喜ばせてやろうなどと考えていたが、最近はめっきり。このつまらない日常になにか刺激

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短編小説。 『銀河と出会い。』

・私という人物。

私は地球単位で考えると生涯の、どのあたりでスポットが当たるのだろう。そんなことを考えながら今日も世界は明日を迎える。世界から見たらちっぽけなこの私は夢の中でだけ宇宙に行くことができる。宇宙の果て、惑星から惑星にジャンプして飛び越えることができる。そして何万光年も先にある銀河を目指す途中で夢から醒め、昨日と順番が違うだけの授業がある学校に向かい歩く。

人生は一度きりで私

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短編小説。虹の見える丘。

0、 日常。
1、 変化。

登場人物
ぼく
盲目の彼女
クラスのみんな

(僕の知識不足で、盲目の方は普通のクラスにいないことが多いかもなのですが、あくまでフィクションとして見てやってください)

0 日常。

雨が降っている。普通だ。慣れたことだ。僕はいつも持ち歩いている折り畳み傘で今日も帰るんだ。僕が、なにか気合いいれて出かけたり、行事があったりすると雨が降る。最初は僕が原因

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