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紫陽花と老人

老人は足をよろよろ引きずり歩いてきた。
立ち止まりぼきっと紫陽花の花を折った。
きのうの朝、7時過ぎ、雨の中の話です。
 
遅く寝たのに早く目が覚めて、
ちょっと散歩しようかと外へ出た。
しばらく歩くと、近所じゃないけど近所の幼稚園。
紫陽花がとてもきれいに咲いてる。
それも塀から〝わっ〟と乗り出すように。
 
なんかチビッコたちみたいに元気でいいな。
 
通りかかる時に思っていたのは、わたしだけじゃないみたい。
パシャリと写真におさめているひとを見かけたことも少なくない。
 
老人が歩いてきた。
 
よろよろと、からの、
 
ぼきっ!
 
「えーーっ」
 
枝ごと折った花を持ってよろよろと立ち去った。
 
なんだったんだろう。
 
土曜の朝に見た幻か。
 
いや、たぶん幻ではない。
 
桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿とは昔からよく言われる。
念のため、改めて意味を調べてみたらいろいろだった。
 
飾ってるんやろか、家に。
 
そんなことを考えると、なんだか怖いような、切ないような、
底の知れないなにかも感じたりした、雨の中。
 
美で、罪で、幻みたいで、現実で、人間です。
 
 

最近、ホラー映画(?)の話をしていたせい?
目を背けながらも、好きというか、観てしまう。人間。


旅芝居の芝居にも、
『あじさいの花』という芝居がある。
最近よく取り上げる若葉さん(若葉しげる総帥、前回の記事)作の、
やはり、女性が主人公のお話。確か山本周五郎の短編が元だったはず?
かなしくって懸命でたくましい若葉さん描く女。
大事なセリフに「瀬戸際」という言葉が使われます。
お弟子さん(直系ではないが尊敬するというひと)が言っていた。
「おれも女形でよくやってた。あの「瀬戸際」って言葉がいいんだよね」


浅田次郎に『薔薇盗人』っていうのもありました。
浅田次郎っ、って感じの短編集、以下略。
その中の一篇は『あじさい心中』。
浅田次郎が描く「昭和の」ストリップ劇場とおじさんの話、以下略。

『天切り松闇語り』は好き。芝居にしたいと言っていた役者も居た。
『壬生義士伝』も旅芝居で観た。あの斎藤一は会長じゃないと、あかん。


というような、短いのんとそれで思い出した徒然も、
日々またアップしていくかもしれません。

◆◆◆
以下は、すこしだけ自己紹介 。よろしければお付き合い下さい。
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構成作家/ライター/コラム・エッセイスト
中村桃子(桃花舞台)と申します。
大衆芸能、
旅芝居(大衆演劇)や、
今はストリップ🦋♥とストリップ劇場に魅了される物書きです。

普段はラジオ番組構成や資料やCM書き、各種文章やキャッチコピーなども、やっています。

劇場が好き。人間に興味が尽きません。

演劇鑑賞(歌舞伎、ミュージカル、新感線、小劇場、演芸、プロレス)などの鑑賞と、学生時代の劇団活動(作・演出/制作/役者)経験などを経て、
某劇団の音楽監督、亡き関西の喜劇作家、大阪を愛するエッセイストなどに師事したり。からの大阪の制作会社兼広告代理店勤務を経て、フリー。

舞台と本と、やはり劇場と人間と、あ、酒も愛し、人間をひたすら書いてきて、書いています。

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lifeworkたる原稿企画(書籍化)2本を進め中。

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momo|桃花舞台
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