ストレートと他者と ミヤジに思う伝え方や表現とか
ここ数日程、おやきょうだいというものの面倒な身内事であちこち走りまわっていた中で、
ふと2つの医療サスペンスを思い出した。
『ディア・ペイシェント』(2020)
これは若い医師の成長譚。
と、書くとベタに聞こえるかもしれないが、
原作者である南杏子はライターから医師となり、
看取りや介護を経て何本も小説家デビューという
なかなかな経歴の持ち主でいらっしゃる。
だからか、書かれる作品がリアルで、とても説得力がある(気がする)
しかも、それらがミステリータッチだったりもして、なんだかもう、なんなんだ。
ドラマではモンスターペイシェントを演じた田中哲司の演技が壮絶だった。
現代の社会問題の寄せ集めのように描かれた役で印象深い。
『破裂』(2015)
仲代達矢と椎名桔平と滝藤賢一のトリプル主演。
日本を代表する名優と言われながら心臓の病におかされる仲代、
野心と野望の心臓外科医の椎名、
「国民生活省のマキャベリ」(!)と呼ばれる天才官僚役の滝藤、
3人による硬派な医療サスペンス。
老化した心臓を若返らせる夢の治療法(と副作用)、
国による「プロジェクト天寿」、「ピンピン生きてポックリ死んでもらいましょう」
「医者は、三人殺して初めて、一人前になる」
こちらの原作者(久坂部羊)も医師であり小説家だ。
人間同士のぶつかり合いと、リアリティ、ゾクゾクする作品だった。
破裂の話をもっとしたいところだけれど。
『ディア・ペイシェント』の主題歌は、
宮本浩次の『P.S. I love you』だったなあ、
って思い出した。
あの宮本浩次である。歌詞がすごい。
〝がんばろぜ〟
〝愛してるぜ日々を〟
改めて、唸ってしまった。
なんやねん!(笑)と。
がんばろぜ。
愛してるぜ君を。
愛してるぜ日々を。
なんやねん。
もう他に言い換えようがないくらいストレートな歌詞を全力MAXこれ以上ないくらいのアツさで歌うのは。
それがこのひとだ。このひとなんだ。
すげえなあ。いろんな意味で。
世の中には、溢れている。
小洒落た歌詞やメロディー。
難解な言葉遣い。
かっこよさげだけれどよく見ると意味とかない言葉、
技巧(ちゃんとしたものも、その技巧に酔ったものも、技巧が嫌みなものも)
人からああみられたいこうみられたいでひねくりまわす言葉。
って、もしかしたら、それはいつも誰もの誰でものことではないか。
歌だけじゃなく、誰かになにかを伝える上で。
カタチを整えて、よりきれいに、より、届くようにとか。
わかりやすいように。社会的に。ばかにされないように。失礼のないように、
人よりもかっこうよく。うつくしく、とか。
それがあかんとかじゃなくて、たぶんそのほうが多いのかもしれない。
そんな中、「さあがんばろうぜ!」(『俺たちの明日』より)
どっちが優れているとか劣っているとかそういう話ではないとわたしは思うねん。
好き嫌いとか、同じ聞き手でも
その日や状態状況とか気分とかによる好き嫌い響く響かん、沁みる沁みないとか、いろいろあるやろうし。
うるさいと、直球だと、ただうるさいとか、あほだと言われたり思われたり、笑われたりとかだって、あるやろうし。
しんどい人に「がんばろう」って言うのはあかん、とかよく言われること。
その通りやと思うねん。うん、そうやんなあ。
でも、
すげー疲れたときに、
うるさいけどクドいけど、
例えばキヨシローのうえーいとかふえーとか言う声と直球の歌詞を聴いたらうれしくなっちゃうときとか、も、あるし、
浩次の「がんばろうぜ」が響くやろう人もおるし、
ストレートや直球の力を、も、やはり思う今日この頃です。
ストレートは投げたやつぶつかると危ないし、割らずストレートで呑むのも危ないけどね。
そう、結局は、ストレートも、技巧も、どっちも一緒やねん。と、わたしは思うのだ。
一緒じゃない。けど、一緒やねん。
気持ち、アタマじゃなく気持ち、と、そのひとや、その状況。
気持ち。
アタマが勝っているときは、カタチだけになりがちだったりもする。
技巧に酔っている時は、無意識かもやが、気持ちのバランスが「己」に傾いたりもするときもあって。
直球だったり、稚拙だのと言われたりするようなものは、気持ちまっすぐだけれど、まっすぐすぎて時に時には相手を考えて(るつもりでも)考えていなかったりもある。
ストレートと、「聞く」こと、「ちゃんと聞く・聞こうとする」、ことの大事さ、難しさ、奥深さを、思う今日この頃です。
つまりは、伝える伝わるとか、相手のことを。
つまりは、やはり、〝人間〟のことを。
がんばろぜ。
愛してるぜ日々を。
ドラマ『破裂』を観ていたとき、
過去に心臓のバチスタ手術をした人が居て、
でも元気で、今も元気で、たまに思い出したように連絡がきたり、したり、するのですが、
わたしはいつも「元気ですかー」とか「生存確認でーす」とか言う。ストレート!
たまにガチャ切りされるし、たまに「おお、残念ながら生きてるわ」と言われます。
どやねん(笑)
全く、おやきょうだいも、他人も、己も、全くもう人間って、ね、なんなんやろねえ(笑)
*
どちらの作品も配信はU-NEXTのため、わたしは観られず。。
でもお試しプランをやるべきかやらぬべきか、
いや、もう途方もなくなるしなー。
破裂は原作を読もうかな、と思いつつも、ずっと忘れ中。
ドラマを観られる方、ばちばちの演技バトルとストーリーに震えてくださいな。
◆◆◆
以下は、自己紹介 。よろしければお付き合い下さい。
構成作家/ライター/コラム・エッセイスト
中村桃子(桃花舞台)と申します。
旅芝居(大衆演劇)や、
今はストリップ🦋♥とストリップ劇場に魅了される物書きです。
普段はラジオ番組構成や資料やCM書き、
各種文章やキャッチコピーなど、やっています。
劇場が好き。人間に興味が尽きません。
舞台鑑賞(歌舞伎、ミュージカル、新感線、小劇場、演芸、プロレス)と、
学生時代の劇団活動(作・演出/制作/役者)、
本を読むことと書くことで生きてきました。
某劇団の音楽監督、
亡き関西の喜劇作家、
大阪を愛するエッセイストに師事し、
大阪の制作会社兼広告代理店勤務を経て、フリー。
詳しいプロフィールや経歴やご挨拶は以下のBlogのトップページから。
ご連絡やお仕事の御依頼はこちらからもしくはDMでもお気軽にどうぞ。
めっちゃ、どうぞ。
lifeworkたる原稿企画(書籍化)2本を進め中。
その顔見世と筋トレを兼ねての1日1色々note「桃花舞台」を更新中。
【Twitter】と【Instagram】 など、各種フォローも、とてもうれしいです。
先日、ご縁あって素敵なWebマガジン「Stay Salty」Vol.33の巻頭、
「PEOPLE」にも載せていただきました。
5月1日から東京・湯島の本屋「出発点」で2箱古本屋もやっています。
参加した読書エッセイ集もお店と通販で取り扱い中。
旅と思索社様のWebマガジン「tabistory」では2種類の連載をしています。
酒場話「心はだか、ぴったんこ」(現在19話)と
大事な場所の話「Home」(現在、番外編を入れて4話)です。
noteは「ほぼ1日1エッセイ」、6つのマガジンにわけてまとめています。
旅芝居・大衆演劇関係では各種ライティング業をずっとやってきました。
文、キャッチコピー、映像などの企画・構成、各種文、台本、
役者絡みの代筆から、DVDパッケージのキャッチコピーや文。
担当していたDVD付マガジン『演劇の友』は休刊ですが、
YouTubeちゃんねるで過去映像が公開中です。
こちらのバックナンバーも、さきほどの「出発点」さんに置いています。
あなたとご縁がありますように。
今後ともどうぞよろしくお願いします。