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オマージュと真実と

突然だが、パクリが嫌いだ。
パクリや利用(する・される)が嫌だ。
でもパクリっていったい何だろう。どこからどこまでを言うのだろう。
パクリというときつい言葉だが、便利な言葉もたくさんある。
オマージュとかインスパイアとかパロディとかリスペクトとか二次創作とかなんだかかんだか。
これらの言葉で言い逃れ……言い逃れという言葉もきついが、
本心からそんな気持ちでこれらの気持ちで作られるものだってあるだろうし、それぞれがそれぞれに、でも、「ん?」もあるかもしれないし、ああ、難しい。
結局は受け取ったひとの感覚というか主観というかそれに任されるのかもしれない。
アンソニー・ホロヴィッツの『カササギ殺人事件』は、
パクリが嫌いなわたしが、にんまり、ふふふ、からの「おぉっ」となり、「オマージュやん」と、悪く思わないどころか、
にたっと、うれしく(?)なったミステリーだ。
 
2016年というちょっと前の作品。
2019年に「このミステリーがすごい!」などに選ばれ話題となったので、
知っている方も既に読まれた方も多いんじゃないかと思う。
わたしは読んでいなくて、昨年知人が読んで紹介していたことで興味を持っており、先日書店で目にしたので手に取った。
 
海外ミステリーはひさしぶり。いつぶり?
私的ミステリーブームはもうほんとずっと前のこと、
にほんのものも海外のものも読み漁った。
そこからハードボイルドに傾倒してゆく訳だけれど、
子供の頃は「探偵になりたい」と憧れたことも少なくない。
今も思わなくもない。なんか儲からなさそうやけど(笑)
 
話がそれた、『カササギ殺人事件』だ。
 
カササギっていう言葉の時点で、なんか、もう「あ」「お」。
と、思うのもミステリーファン、じゃないかなあ。
 
などと考えながら読み進めるうちに、やはり「うふふ、ニタリ。
途中からこの「うふふ、ニタリ」は「え?! ええ?!?!」に変わる。
それがちょうど上巻の終わりくらい。
でも、そう思うそう思わせてくれたことに読み終えてから「ニタリ」みたいな。
わあ、たのしかったな、と、え、あれ、愛しさのようなものすら、ふふふ。
 
例によってネタバレというか詳細は書きたくないし書かない。
と言いつつ、これすらネタバレかもしれない。
(ということはいつもいつでも何にも思う悩むのだけれど)
古今東西のミステリーを読んできた人読み漁ってきた人には懐かしいような、
だからといって、そんな「コア層」だけが楽しい・楽しめるという作品ではなく、
特にこれまでミステリーにそんなに触れてはこなかった人も、だから、「わぁ」って思わされるような。
つまりは、作者のミステリー愛というか、
あの作家やあの作品や作品たちへのリスペクト、
尊敬や、尊重や、なにより「好きだ」「好きで、だから、(今)私が居ます」という気持ちが、ひとつのあたらしいミステリー作品というかたちになったような気がして、ふふふ。

2つのフレーズが、とても印象深い。
 
「この本はわたしの人生を変えた」

そして
 
「ミステリとは、真実をめぐる物語である」

これらのフレーズがどこでどう出てくるかは、お楽しみに。

わたし、思うねん。
 
これは、こういうのは、「パクリ」ではないと。
こういう作品を、が、「オマージュ」っていうのやないか、と。 



2か月前? もっと? 前に読んで、書こうと思うも放ったままだったので。
ということで間借り書店「本屋・桃花舞台」 
(湯島・出発点のはこハブコーナー内)にも既に置いております。
他の本同様、よければお手に取ってみて下さい。
そしてこの本は、買うときは、買われるなら、
上下巻どちらかじゃなく、どちらも一緒に同時に、買っていただければ! です。いや、ほんとにっ。


ずっと言っている「パクリが嫌い」の話。過去記事から。


イギリスのミステリー(など)のオマージュだということはすぐにわかると思うのですが、
わたし、それと共に、読み始めて最初の方、
なんか、なぜか『金田一少年の事件簿』も思い出しもしました。
ギャー。世代ですねえ。
ドラマは観ていません。漫画は読んでいました。人に借りて。学習塾の机の下で。
あの作品、主人公たちとかはどうでもいいんやが、
犯人最後めっちゃ語りますよね、あれがいいねん(笑)


本の話もまた書きたいなー書いていかななーと思っています。
今手元に置いて読み進めている本たちは
わりにかためなものやゆっくり読みたい本ばかりで、なかなかです。
またおいおい、ぼちぼちいろいろ、更新します。
本のことも、ほかのこともね。



◆◆◆
以下は、すこしだけ自己紹介 。
よろしければお付き合い下さい。

構成作家/ライター/コラム・エッセイスト
中村桃子(桃花舞台)と申します。
大衆芸能、
旅芝居(大衆演劇)や、
今はストリップ🦋♥とストリップ劇場に魅了される物書きです。

普段はラジオ番組構成や資料やCM書き、
各種文章やキャッチコピーなど、やっています。

劇場が好き。人間に興味が尽きません。

舞台鑑賞(歌舞伎、ミュージカル、新感線、小劇場、演芸、プロレス)と、
学生時代の劇団活動(作・演出/制作/役者)、
本を読むことと書くことで生きてきました。

某劇団の音楽監督、
亡き関西の喜劇作家、
大阪を愛するエッセイストに師事し、
大阪の制作会社兼広告代理店勤務を経て、フリー。

詳しいプロフィールや経歴やご挨拶は以下のBlogのトップページから。
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lifeworkたる原稿企画(書籍化)2本を進め中。
その顔見世と筋トレを兼ねての1日1色々note「桃花舞台」を更新中です。
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旅芝居・大衆演劇関係でも、各種ライティング業をずっとやってきました。
文、キャッチコピー、映像などの企画・構成、各種文、台本、
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担当していたDVD付マガジン『演劇の友』は休刊ですが、
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