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  • おはようとおやすみのまんなかが今。

    今日も明日も明後日も。 おはようからおやすみまでの時間をいきる。 広告業界の片隅で呼吸をするしがない個人の 笑って泣いてもがく日々、頭のなか。

記事一覧

今を変えたかったアラサー女が、キャリコン資格の勉強を通じて「自分の価値」に気づいた話。

昨年7月からはじまり、約9カ月。 私はキャリアコンサルタントの資格をとるべく 仕事のかたわら、学校に通い、講座を受講し そこで得たツテで勉強会に参加していた。 ――…

ももか
4年前
7

藤原基央は、星でも神でもない。

わかっている。 彼は、1億以上の人が生きるこの日本で 唄を生業にしてきたというだけの ちいさな個人であることを。 まあ街頭アンケートで 「この人知ってます?」投票を…

ももか
4年前
5

藤原基央を神と崇めた女の話。

 15歳の私にとって、藤原基央は神だった。  藤原基央はBUMP OF CHICKENというバンドのボーカルだ。いつも基本的に彼の眼は前髪でかくれていて、表情はよく見えない。ちょ…

ももか
4年前
5

19時過ぎ、上司の電話に気をつけろ。

定時をすこしすぎた頃、上司からの着信。 ももかさんはもう帰りました、って言ってほしかったな。うっかり取り次がれちゃったな。 「社長がももかさんと飲みたいって!」 …

ももか
5年前
1

深夜2時、夢を殺した。

5歳の私は、たしかスチュワーデスになりたかった。 なんでなりたかったのかは、ちっとも覚えていない。空を飛びたかったのか?遠くに行きたかったのか? でも間違いなく言…

ももか
5年前
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さようなら、を告げる練習。

お世話になった山内さん(仮名)が、退職する。しかも、会社都合による左遷を断った、という理由だ。山内さんとの思い出を振り返っていたら、なんだかとても心が苦しくなっ…

ももか
7年前
1

今を変えたかったアラサー女が、キャリコン資格の勉強を通じて「自分の価値」に気づいた話。

昨年7月からはじまり、約9カ月。
私はキャリアコンサルタントの資格をとるべく
仕事のかたわら、学校に通い、講座を受講し
そこで得たツテで勉強会に参加していた。

――受講動機は単純。
「今を変えたかった」からだ。

――――――
★仕事
二十歳で夢を見て出版業界へ飛び込むが、
布団で眠ることすら許されない過酷な現実から逃亡。
その後、夢を捨てきれずライターになるも、
後輩の驚異的な才能に心折れ、後

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藤原基央は、星でも神でもない。

わかっている。
彼は、1億以上の人が生きるこの日本で
唄を生業にしてきたというだけの
ちいさな個人であることを。

まあ街頭アンケートで
「この人知ってます?」投票をしたら
10代~30代くらいの音楽大好き人間には
「藤原基央!」「藤くん!」と叫ばれる
知名度をお持ちだとは思うけれど
全国民の誰もが知っている有名人ではない。

うまく喋れないことを音に込めようとするし、
仲間と音を鳴らすことを楽し

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藤原基央を神と崇めた女の話。

 15歳の私にとって、藤原基央は神だった。
 藤原基央はBUMP OF CHICKENというバンドのボーカルだ。いつも基本的に彼の眼は前髪でかくれていて、表情はよく見えない。ちょっと心配になるくらいに細くて、黒いスキニーがよく似あう。一時期はバンドマンといえば藤原基央の量産型といえるくらい、彼は多くのバンドマンのあこがれの的だったし、こぞって彼の真似をした。
 私も彼にあこがれていた多くのうちの一

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19時過ぎ、上司の電話に気をつけろ。

定時をすこしすぎた頃、上司からの着信。
ももかさんはもう帰りました、って言ってほしかったな。うっかり取り次がれちゃったな。
「社長がももかさんと飲みたいって!」

ああ、やっぱり。
私の口をついたのは
「あーごめんなさい、仕事終わらなくて。また次の機会に…」
定型文と化した、なめらかな嘘。

ああ、これで何度目でしょう。
次こそは。次、こそは。その次、こそは。

いつからこんなにも自然に嘘がつける

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深夜2時、夢を殺した。

5歳の私は、たしかスチュワーデスになりたかった。
なんでなりたかったのかは、ちっとも覚えていない。空を飛びたかったのか?遠くに行きたかったのか?
でも間違いなく言えることが、ひとつだけある。
あの時の私は何者にでもなれると思っていた。
絵を描けば賞を取れた。走るのも速かった。周りの子より、難しい文字を知っていた。
望みさえすれば、自分は何だってできると、根拠もなく信じていた。

ーー小学校3年生

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さようなら、を告げる練習。

お世話になった山内さん(仮名)が、退職する。しかも、会社都合による左遷を断った、という理由だ。山内さんとの思い出を振り返っていたら、なんだかとても心が苦しくなってきたので、本人にさようならを告げる前に、その練習をしようと思う。

私が入社したのは、およそ3年前。期待と不安を胸にいっぱい詰め込みながら、会社のドアを開けた日のことを今でも覚えている。「今日からお世話になります」と挨拶をして、鞄から真新

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