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四月五月の俳句など


かりかりとスパム焼きたる三鬼の忌

三鬼忌のメロンパンの屑まで喰ふ

豆菓子もらうて食ふ山頭火の忌

うまい棒たらこ味なら炎えてをり


レコードのやうに押葉を聴く五月

古書に旅すれば押花押葉紙魚

某オークションで吐きそうになりながら競り落した豊口陽子『睡蓮宮』に押葉が挟まっていた。

万緑にビリヤニ弁当てふ提案

てふてふや風ぞんざいに撫でさする

春風にゆるる神社や酒饅頭

蝶生るコロツケ揚がるまで二分

薫風に海鮮パスタてふ提案

えびほたてあさりいかなつ来たりけり

●五月六日は久保田万太郎の忌日。
今年は没後六十年。

湯豆腐やいのちのはてのうすあかり 久保田万太郎

傘雨忌のプツチンプリンうすく削ぐ 目八

珈琲にトーストたまご小鳥くる

バタ塗つて網目くきやか猫の産

焼かれゐるA5ランクの炎帝よ

肉に病んで赤い夏野になつてゐる

白南風を踊る焼きそばマイスター

B品のいびつを愛す聖五月

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