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ワイルダネス(著:伊藤明弘)【流れるようだろ。マンガ感想ってやつはさ。「そうかな・・・」】

ガンアクション漫画。
サンデージェネックスだったかな。連載誌は。
部隊は90年代のアメリカからメキシコにかけて。
刑事、ギャング、ギャングに命を狙われた少女、
銀行強盗の生き残り、麻薬捜査官、
などなど。
ハリウッド映画の名作をオマージュしつつも、いずれにも似ていない独特なストーリーラインになっています。

作者長期療養のため長い間、作品が止まっていましたが、
最近再開したそうです。
でも、まだ読めていません。
早いとこ結末を読みたいです。

まあ、ここでは知っている範囲でのみ話します。

***

銃アクションとか剣アクションには、
殺陣と書いて「たて」と読む、
そんな場面ごとの特に細かい筋書きが必要です。
(厳密には「たて」というと日本の時代劇の専門用語ですけど)
やってることは銃ものでも同じ。

要は、流れるようでありながら、
誰がどう動いて、どこで切られて、どこで撃たれるのか、
すべて秒単位で計算して計画を練っておかないといけません。
指示がおおまかだったり、緻密じゃないと、
どんなにやってもシーンは決まりません。
もちろん映画だけではなく、アニメや漫画、もちろん小説でもそうです。

動きが変だと矛盾が生じるんですよね。
絵的に成立しない。
文章であっても、絵が成立しないとおかしいです。
リアリティがありません。
リアリティがないと、急につまらなく感じ始めます。

誰かが、銃弾を3発撃っている間に、もう片方は階段を4歩飛び降りる、さらに別の誰かが扉をあける、みたいな計算を1秒、次の1秒で最初のひとりが・・・
みたいな場面ごとにすべて物理計算して、
正確に可動できるようにまでしておく。

さて、これはマンガなので、すべて作者の頭の中で決められますが、
私が観たところ、銃アクションマンガは、特に緻密です。
実銃がどんな動きをするのかも把握して、コマごとに、少しづつ事態が展開していきます。本当にアニメの絵コンテみたいなマンガを実際に作っていきます。

なので、流れるような作品になります。
マンガなのですが、映像的な作品です。
というか、アルゴリズム的。

例えば宮崎駿先生の「風の谷のナウシカ」も、本職のアニメ監督なので当然ですが、作風はそのまんま絵コンテであり、秒ごと、コマごとに少しづつ事態が動いていきます。

他にも園田健一先生の「ガンスミスキャッツ」やはり銃アクションマンガなので、絵コンテ的な作風です。そうじゃないと銃アクションはつまらないんですよね。

そのなかでも「ワイルダネス」は特に、絵コンテ的な、
あるいは「映画」的な、作りに描かれています。

すべて物理エンジンでアルゴリズムを組んで計算したような、
動きに矛盾のない、場面進行は、
飛びシーンもなくて、場面のはじや向こう側も常に同時進行していて、
紙の上のマンガなのに、すでにしてアニメのようです。

読むアニメです。


これは実際にアニメ化されたら、ここまで面白くなりませんね。
マンガでアニメをやってるから、すごく流麗になる。

***

というのが、おそらくこの作品が好きな理由なのですが。
あらすじとしては、

3人の事情が異なる主人公が、ふとしたことで一緒に行動しながら、
ギャングから追われ、麻薬捜査官にも行方を追われ、
アメリカから始まった話は、メキシコでの巨大な陰謀につながっており、
現地の没落したギャング組織を味方につけたりしながら、
話は進んでいきます。

群像劇的ですが、よく観ると群像劇ではないような。
まあでも、視点は最低でも3つ以上あるので、
(主人公3人組、追うギャング、追う麻薬捜査官)
群像劇かな。
ただ視点同士の間が割と近いので、分かりにくくないというか、
関連性が強いというか、強い合理性を感じます。

あるチームがこう動けば、
その結果として、Bチームは必然的にああ動かざるを得ないよね。
という。

メキシコが舞台なので、デスペラードなんかがほうふつとされます。
(よく知らないマカロニウエスタン風のキャラが出てくるし)
セルジオ・レオーネ映画だったかな?
(私より年齢層が高くないと、元ネタがわからんかも?)

***

というわけで、早く続巻を買いたいと思っている作品を、
今回は紹介させていただだだだきました。

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