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海を見る人(著:小林泰三:短編集)【まだ読書紹介の真の恐ろしさを理解していないようだな。シン・オソロシサを!「大変だ。兄ちゃんが壁に向かってなんか言ってる」】

小林泰三先生の短編集の中でもっとも逸品がつまってるもののひとつ。

長編「天獄と地国」の短編バージョンがまずあります。
前に長編バージョンを紹介しましたが、短編バージョンの方がリリカルで良いという人が結構おられます。

長編バージョンの紹介はこちら。↑

「時計の中のレンズ」
こちらは逆に、円筒形の中の世界です。
まあ某スペースコロニーと同じですが、いちばんの違いは山があること。
円筒形スペースコロニーは回転により疑似重力を作ります。
つまり、真ん中の回転軸の辺りは、無重力になってるわけ。

だから高い山脈を登ろうとするとき、高くなればなるほど、重さが軽くなるという不思議現象が起こる。そんな世界をマルコポーロみたいに旅をするという旅行記。

表題作「海を見る人」は、浜辺から来た少女と一年後の再会を約束するが、向こうの一年とこちらの一年が違う、しかもその上・・・
浜は浜でも、ブラックホールの岸辺かなんかに住んでるのか?という話。
あれです。新海誠監督のデビュー作「ほしのこえ」と同じネタですよ。

なんというか、今回は普通のSF小説群のような気がします。

うん?
「母と子と渦をめぐる冒険」
純一郎君とかいう探査機が出てくるけど、もしかして小泉パパ政権時代か?
この探査機は知能が低いらしく、命じられたことを知っている範囲内でしか行えない低レベルのメカらしい。うむむ、グロい。
まあ、これがこの作者先生の本来のスタイル。

他に2作ありますが、手元になく思い出しがたいので割愛しておきましょう。

必ずしも普通ではなく、やはり小林泰三作品ではありましたね。
でもまあ、リリカルな作品が多めだと感じます。
これ読んでから他の作品を読むと、びっくりするかも。

異世界を描くときに、まったくのファンタジーではなく、何か合理的な理由付けをしてあると途端にSFになるんですよねー。

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