[詩]Lilium


夏の暑さに頭を抱えて
冷たい机でほっぺを冷やす
夏休みの宿題は20%
進まないペンを鼻に乗せる

君が貸してくれた本に挟まった
名前の知らない花の栞
見たことがないくらい綺麗だった

君と出逢った瞬間に始まった
DNAが軋むような衝動が棘す
また笑って見せて私の前で
クシャクシャの顔面が見たい

今日はまだ始まっていない
風鈴が鳴ったのが合図みたい
世界が一瞬でスタートした
おはようのようなメッセージ

君が忘れた髪飾りをなぞって
打ち損じた銃弾みたいに
真皮から滲んだ色をしていた

君と歩いた記憶が鍵となって
色素が抜けたとしても思い出して
ふざけ合ったり糖質を食べ
また2人で明日を作ろうよ

君がそっぽを向いてしまったことを
嫌われてしまったみたいに勘違いしていた
私なんかと過ごして退屈じゃないかな
迷惑じゃないかと不安に駆られた

君が愛した人達を私も愛すよ
君の機械仕掛けの心臓だとしたも
プルスを感じさせてあげる
無邪気な姿をまた見せてよ

また2人で今を進めようよ

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