トニー小山

ソニー一筋45年 プロジェクトマネジメントをわかりやすく伝えるエバンジェリスト(伝道師…

トニー小山

ソニー一筋45年 プロジェクトマネジメントをわかりやすく伝えるエバンジェリスト(伝道師)を使命としています。仕事の進め方や方法に関する有用な情報をプロジェクトマネジメントを中心に発信していきます。2024年は第二の人生のスタートです。よろしくお願い致します。

最近の記事

カンバンボード

 カンバンボードについて考えてみましょう。  カンバンボードとは、作業を可視化し、効率を高めるために設計された、プロジェクト管理ツールのことです。「やらなくてはいけないタスクが溜まっており、どこから手を付けるべきか把握したい」「どのメンバーがどんなタスクを行っているかすぐに分かればいいのに」といったニーズに応えてくれるツールです。カンバンボードは、タスクを可視化し、進行をコントロールするタスク管理手法です。おもにアジャイル開発の管理によく使われます。  カンバンボードは元々、

    • バックログリファインメント

       バックログリファインメントについて考えてみましょう。  アジャイル開発を行う際には、スクラムというフレームワークに沿ってプロジェクトを進めていきます。  バックログリファインメントとは、プロダクトオーナーやマネージャー、チームメンバーがプロダクトバックログのアイテムを見直し、優先順位を付ける期間のことです。 このプロジェクト管理プロセスは、アジャイル手法で使用されています。  バックログリファインメントでは、プロダクトバックログの見直しを通して開発の優先順位を付けます。プ

      • バックログ

         バックログについて考えてみましょう。  バックログ(backlog)は、プロジェクト管理やソフトウェア開発などのコンテキストで使われる用語です。一般的には、まだ完了していないタスクや作業のリストをさします。このリストには、進行中のプロジェクトやタスクの残りの部分、やるべきことの全体像が含まれています。バックログは、タスクの優先順位付けや進捗管理、プロジェクトの計画やスケジュールの立案などに活用されます。特に、アジャイルソフトウェア開発では、プロダクトバックログやスプリントバ

        • インクリメント

           アジャイル開発におけるインクリメントについて考えてみましょう。  「インクリメント」とは、短い期間(通常は1〜4週間)で実装された機能や価値をさします。アジャイル方法論では、開発チームが1つのイテレーション(通常はスプリントと呼ばれます)の間に取り組むべき機能やタスクを決定し、その期間内にそれらを実装してテストすることが一般的です。  インクリメントは、各スプリントの結果として生み出される成果物であり、通常は動作可能なソフトウェアの形で提供されます。このアプローチにより、開

        カンバンボード

          スクラムマスター

           スクラムマスターについて考えてみましょう。  スクラムマスターは、スクラム開発においてチームのマネジメントを担う重要な役割です。 主な業務内容と役割は次の通り。 1.スクラム手法の実践とコーチング  スクラムの原則と手法を実践させる役割を果たします。チームがスクラムを理解し、適切に実践できるようにコーチングを行います。チームがスプリントゴールを達成するために、スクラムの方法を一番知っている人物として、ファシリテーションを行います。 2.障害物の取り除き  チームスピードの妨

          スクラムマスター

          スクルラムチーム

           スクルラムチームについて考えてみましょう。   スクラムチームとは、スクラム開発において開発を担当するチームをいいます。少人数で構成されるスクラムチームは、アプリやシステム等のプロダクト開発と成果物の提供に責任を持つ協力チームです。プロダクトの成功はスクラムチームの連携と協力が鍵となります。  スクラムチームの人数 スクラムチームの人数として、通常は、5人〜9人程度が、望ましい人数として推奨されています。この5人~9人のスクラムチームが、プロジェクトの進行のための自己組織化

          スクルラムチーム

          プロダクトオーナー

           プロダクトオーナーについて考えてみましょう。  プロダクトオーナーは、スクラム開発のプロセスにおいて重要な役割を果たします。スクラム開発成功の鍵は「プロダクトオーナー」が握っています。プロダクトバックログを管理し、チームをゴールへと牽引する存在です。開発の方向性を定め、プロダクトの価値を最大化することに責任を持ちます。 プロダクトオーナーの主な役割は次の3つです。 1.プロダクトのビジョンを決めて共有する 開発の完遂だけでなく、プロダクトの価値を最大化するため、ビジョンの明

          プロダクトオーナー

          スプリント

           スクラム開発で使用されるスプリントについて考えてみましょう。  スクラム開発では、顧客が要望するシステムに実装すべき機能をいくつかの段階に分け、優先度の高い順に反復して開発することが特徴です。この反復の単位を「スプリント」と呼びます。スプリントの期間は短期間であることが特徴で、通常1~4週間で設定されます。 この期間中に、仕様の確定から詳細設計、開発、テストまで、システム開発に必要なほぼすべての業務が行われます。  スプリントを始める前には、以下のスクラム開発の体制を整えて

          スタンドアップミーティング

           スタンドアップミーティングについて考えてみましょう。  ソフトウェア開発チームでは、一般的に「スタンドアップミーティング」と呼ばれる会議が行われます。この短い会議の目的は、チームメンバーが現在取り組んでいる仕事の進捗状況を共有したり、仕事の障害となっているブロッカーをどのようにして取り除くことができるか話し合ったりすることです。  スタンドアップミーティングとは主にアジャイル手法やスクラム手法を用いるチームで行われる短い会議のことですが、チームの手法にかかわらず取り入れるこ

          スタンドアップミーティング

          インセプションデッキ

           インセプションデッキについて考えてみましょう。  インセプションデッキ:Inception Deckは直訳すると「最初のカードの束」、その言葉のとおりこれから走り出すプロジェクトの概要をまとめ、メンバーが同じ認識・目標をもって行動するためのものです。  ThoughtWorks社のRobin Gibson氏が考案したものでアジャイル開発の現場で多く取り入れられています。「これからスタートするプロジェクトの全体像(目的・方向性・優先順位・開発環境など・コストや人材・背景)をプ

          インセプションデッキ

          フィッシュボウル・ウインドウ

           フィッシュボウル・ウインドウについて考えてみましょう。  フィッシュボウル・ウインドウ(Fishbowl Window)は、対話を深めつつ参加者全員で内容を共有するための方法論です。立場の異なる参加者がお互いの観点を理解し、傾聴することを促進します。この手法は、プロジェクトマネジメントにおいても有用です。  具体的な進め方は次の通りです。 ①空間の中心に2つから10のイスを円を描くように配置します。 ②内側の円に座る人が対話をする人で、外側の人は対話を眺めます。この外側か

          フィッシュボウル・ウインドウ

          IDEAL

           IDEALについて考えてみましょう。「IDEAL Model(アイディーイーエイエルモデル)」とは、組織におけるプロセス改善を推進する際、具体的な活動内容を計画・定義できるよう、改善活動の典型的なライフサイクルを示したリファレンスモデルです。「開始」「診断」「確立」「行動」「学習」の5つの頭文字から「IDEAL」と呼ばれます。  Ⅰ:Initiating(開始フェイズ)  D:Diagnosing(診断フェイズ)  E:Establishing(確立フェイズ)  A:Act

          アジャイルとスクラム

           アジャイルとスクラムについて考えてみましょう。ソフトウェア開発の分野でよく使われるプロジェクトマネジメント手法です。しかし、これらの用語はしばしば混同されます。    まず、スクラムはアジャイルの一種であり、特定のフレームワークや手法を用いてプロジェクトを進める手法です。スクラムは小さなチームでの開発に適しており、特定の期間(スプリント)内で一つの機能やタスクを完成させることを重視します。逆に、アジャイルはプロジェクト全体を柔軟に進めるための考え方であり、スクラムを含むさま

          アジャイルとスクラム

          ウォーターフォールとアジャイル

           ウォーターフォールとアジャイルについて考えてみましょう。いずれもソフトウェア開発プロセスですがアプローチが異なります。  ウォーターフォールは、システムやソフトウェア開発で用いられる開発手法の一種で、ウォーターフォール型開発とも呼ばれます。ウォーターフォールという名が示すとおり「滝(Waterfall)のように落下するが如く開発が進む」ことから、その名が付けられています。この手法では、開発に必要な工程を段階的に区切って、順番に進行していきます。工程ごとに品質を管理できるため

          ウォーターフォールとアジャイル

          FMEAとFTA

           FMEAとFTAについて考えてみましょう。両方ともリスク管理やシステムの信頼性向上に使用される手法ですが、異なるアプローチを取ります。  FMEA(Failure Mode and Effects Analysis:故障モード影響解析)は、システムやプロセスにおける潜在的な故障モード(Failure Mode)とその影響(Effects)を特定し、それらが発生するリスクを評価するための手法です。通常、定量的な手法で、故障の発生確率、影響の深刻度、および検出可能性を評価し、リ

          プロジェクトバッファとフィーディングバッファ

           プロジェクトバッファとフィーディングバッファについて考えてみましょう。CCPM(Critical Chain Project Management)は、エリヤフ・ゴールドラットが開発した制約条件の理論(TOC:Theory of Constraints)に基づき全体最適化の観点から開発されたCCM(Critical Chain Method:クリティカル・チェーン法)を発展させたプロジェクト管理手法です。ゴールドラットは、各タスクにおいて各作業者は作業所要期間見積りを約2倍

          プロジェクトバッファとフィーディングバッファ