年末が近づくにつれて、友人からの連絡が普段より届くようになる。高校の同期や、大学でともに資格をとるために学んだ友人。懐かしいと思いながらも過去のノリで馬鹿な話に興じる。 そんな中、大学に通っていた時の友人が濃厚接触者になり、年末年始はぼっち生活だと嘆いていた。私は、自分がコロナになった経験があるので、「どうせ休みなんやから、本でも読んでゆっくりすればええやん」と話した。すると、「お前にもらった本でも読むかな。まだ半分くらいしか読んでない」と。その時、自分が過去にマネー
人生長くなれば、自分を変えてくれる人に出会うものだ。専門学校を出てすぐ空調関係の会社で働くことになった。しかし、労働環境は劣悪。エアコンの会社なので当たり前だが、夏と冬が馬鹿みたいに忙しく、ほとんど寝る間もない。それに室外機が恐ろしいほど重く、体には負担がかかる。春と秋は反対に驚くほど暇だ。 会社で朝から晩まで理解できないエアコン関連の製品の資料を見るだけだった。 仕事自体の大変さもさることながら、会社の人間関係も最悪だった。挨拶をしても返さない人ばかりだし、新人に何か
人間誰しも自分の利益のために動きたくなるものだ。どんな時でもギバーとして心の芯を持ち続けられる人はそういない。自分自身はどうかと考えてみた。 子どもの時、親に叱られるたびに「何で自分ばかり言われるんだ!」「弟だってやってるのに」「自分は恵まれない子どもだ」なんて被害者意識をよくもっていたことを今でも思い出せる。そんな考えが頭に浮かべば浮かぶほど、ずるい考えを持つようになった。細かいことだが、本来兄弟でわけるべきおやつを親が見ていないうちに少し多めにとったこともたくさん
昨日の記事で書いたテイカーと反対にいちするのがギバー。ギバーとは自分の利益を最優先するのではなく、相手に“与えることができる人”を指す。 この言葉を聞いて思い出したエピソードがある。10年以上前のことだ。体調不良だったにも関わらず、久しぶりに高校時代の友だちと忘年会があるということで無理して天王寺まで会いに行った。酒を飲むことは体調が悪かったのでできなかったが、久しぶりの友との再開を喜んだ。 帰り際、「大丈夫か?」「無理するなよ」と言われ、別れた後、駅のホームのベ
日本人の成人の学習率が先進国の中で極めて低い。そんな記事見たのはいつの日だったろうか。その記事を見て、周りを見渡すと、確かに“学ぶ人”と“学ばない人”の差が著しいと感じた。 そんな危機感から取り入れたインプットのうちの1つに、voicyがある。voicyとは、音声メディアの1つで、何か作業をしながらでも情報を受け取ることができる。私は、毎日朝食を食べながらこのアプリでインプットしている。 今日の話題は“テイカー”についてだ。テイカーとは、自分の利益のためだけに相手
高校生の時、3年間クラスが同じだった仲間が急死した。友だちづたいに聞かされた時はただただ驚いた。原因は“コロナ”だった。 急死した仲間はいつも一緒に行動していたわけではないが、仲の良かったメンバーと一緒にキャンプに行ったり、カラオケに行ったり、まれに遊びに行くような仲だった。いつも陽気でお調子者。誰とでも打ち解け、友だちが多い。そんな彼がもうこの世界にはいないなんて信じられない。どうやら、一人暮らしをしていて、誰も助けに来てくれる人がいなかったようだ。仕事先の人が無断
先週の土曜日、早朝から泳がせ用のアジを調達し、和歌山紀北に向かった。20号のおもりをつけて泳がせて、マゴチ、ヒラメ、青物が釣れることを願って待っていると、ふと自分の爪がおかしいことに気づいた。「親指の爪が‥へこんでいる?」よく見ると親指の爪の真ん中あたりに横線が入り、触るとくっきりへこんでいることがわかった。見れば両側の爪がへこんでいる。他の指は‥見た感じではわかりにくいが、やはり同様に横線が入り、へこんでいた。 “爪の変形は病気のサイン”と聞いたこともある。釣りをしな
去年の冬、忘れもしない。仕事が長引きそうなので、近くのスーパーに夜食を買いに行った。その帰り道、車が数台止まっていた。道の真ん中には数人の人だかりと、倒れているおじいさんがいた。とっさに、「何かできることありますか?」と、自転車を降りて声をかけた。引いてしまったのは30代の女性、車の中には子どもがいるようだった。事故を起こしたショックで少し混乱していたが、先に助けに入っていた男性と、とりあえず歩道の方へ運ぶことになった。意識はあるが、頭からの出血がひどくすぐに救急車を呼んだ
久しぶりの1人の夏だ。せっかくというか、1人になったのだから時間を無駄にしたくない。“今までで1番楽しい夏だった”と言える時間にしたいと思い、職場の先輩と和歌山、すさみの宿に泊まる2泊3日の海釣り旅行に出かけた。去年から、海釣りデビューをして、アジやサバ、太刀魚やマゴチなど、さまざまな魚を釣るようになった。しかし、泊まりがけで一日中釣り三昧の体験をするのは初めてだ。 職場の健康診断が終わったら休む間もなく有給をとり、二人で和歌山へ。道中はどんな仕掛けで狙うか、事前にリサー
4年前、高校の時からの友人にバス釣りをしようと誘われてエントリーモデルのロッドとリールを20数年ぶりに買った。 小学生の時に流行った釣りアニメ“グランダー武蔵”の影響で2年くらいバスフィッシングをしていた。しかし、当時は何も考えずにカッコいいルアーをつけ、投げて巻いていれば釣れると思っていた。当然ながら釣れない。ルアーをロストするために投げているようなものだ。釣れないとやはり面白くないので飽きてやめてしまった。それが、友人の誘いで再開することになった。 再開したてのころ
“やりたいこと”があるということは本当にすばらしいことだと思う。3年前、職場に読書熱心な人がきた。その影響で自分もたくさんの本に触れるようになった。仕事関係の本や哲学書、健康、経済、食事、農業、医療など、たくさんの分野の本を読み漁った。 そのなかで出会った本の一つ、前田裕二氏が書いた“メモの魔力”という本に“自分を知ること”の大切さが書いてあった。自分が何に喜びを感じ、何に怒るのか。あるいは、20.30代、40.50代で何をしていたいのかなど、具体的に自分と向き合い、自分
突然の2週間の休み。2日目の夜は苦しさで意識を失いかけたが、3日目からは味覚の変化や咳の症状は残ったものの、倦怠感はだいぶましになった。得たものは“時間”だった。しかし、外出することはできない。だから、Amazonで買物をした。この時ほどAmazonに感謝したことはない。 自分が外出できない分、いろいろなところを旅しているような気分になれる本を探した。そこで出会ったのが自転車で世界一周を成し遂げた石田ゆうすけ氏の“行かずに死ねるか!”だった。 自分が見たことのない世界、
悪いタイミングというものをこれほど感じたことはない。別れた翌日に発熱。今まで健康そのものだったので、体温計もなかった。しかし、この倦怠感に喉の痛みはおそらくコロナだろう。 携帯で受け入れてくれる病院を探すが、指先は震え、意識が朦朧とする。やっと見つけた病院に電話をかけるが、ひどい倦怠感、咳に熱。こんな状態で10分間電話での問診は正直きつかった。ようやく受診することができ、翌日に結果が出た。“陽性”だった。別れてすぐに得たものはコロナウィルスだった。 職場に電話連絡をし、
“失くす”という言葉を聞いて、あなたはどんなことを思い浮かべるだろう。少し考えてみてほしい。 長年連れ添った恋人との別れ。日々忙殺される中で過ぎ去っていく時間。あるいは、旧友の急死。 人によってそれぞれイメージすることは違う。 これから、私自身が“失くす”ことにより、得たものについて書いていこうと思う。まずは、長年連れ添った恋人について。 今年の7月、3年半付き合った恋人と別れることを決意した。理由はシンプル。それがお互いの幸せのために必要だと感じたからだ。多分、こ