「話し難いこと」を話す「勇気」
昨晩の報道番組で性的虐待について取り上げられていました。
登場人物は二人。
子供の頃に友達のお父さんから性暴力を受けた女性と、小児性愛を自認し、過去、何人もの男の子に性加害を加え執行猶予判決を受けた男性。
二人とも顔出しでインタビューを受けていました。
性暴力を受けた女性と性暴力を加えていた男性。
立場は全く逆で、観始めた時は正直「女性の話はともかく、男性の方の話は…」と思っていたのですが、話が進むに連れてその想いは変わって行きました。
私のところにも子供の頃に親兄弟などから性的虐待を受け、オトナになっても人間不信、男性不信に悩む方々が訪れています。
「男性不信」と書いたのは、この悩みで私のところにカウンセリングを受けに来られている方はみんな女性で、男性のお客様はいらっしゃらないからです。
そこで語られる過去は壮絶であり、まさにドラマなんかで描き出されるようなモノを超え、本当につらい人生を生き延びて来ている様子が伺えます。
子供の頃に自分がされたことがどんなことなのか始めは分からず、思春期を迎える頃にその時されたことの意味を理解し、そこから「自分は汚らわしい」「自分は汚れてしまった」などと感じるようになり、けどそのことを誰にも話せず独りで抱え込んでしまい、自傷行為などに走ってしまったり、或いは手当たり次第に自分の身体を異性に預けて性的関係を持ってしまったりと、それぞれに違いはあるものの、自らを傷付けてしまうような行動をしてしまっています。
またそれを話せたとしても、家族にはそれを受け止めてもらえなかったり、逆に「お前が悪いんだろう(誘ったんだろう)」などと余計に傷付けられたりしてしまっているケースもあり、もうそこにはやるせなさ、情けなさしか感じられなくなってしまいます。
そんな経験から自分を「受け止めてくれる」相手が出てくると、そこに愛着障がいや共依存、恋愛依存やSEX依存といった「認知の歪み」が出来上がってしまい、自らを犠牲にしながらも相手に尽くしてしまうような苦しい生き方を続け、そこから抜け出せないまま日々を過ごしてこられている方も多いんです。
このインタビューに答えていた女性もそのような経験を経て、幸いにもそれらを話しても理解し受け入れてくれるパートナーと出会い、現在は自身がしてきた経験を話すことで同じように悩み苦しんでいる方を救いたいと活動をされています。
また上記の男性は自らの行為から「子供を殺してしまうかも知れない」という不安から警察に自首し裁判を経て、現在(60代)に至る今でも精神科に通院を続けながら、自らの性衝動と向き合い続け、やはり自身がしてきたことの反省とこのような悩みを抱え苦しんでいる方々へその経験を顔を出してSNS等で発信をしている、という内容でした。
かたや被害者、かたや加害者。
その立場は違えど、していることは同じという部分に私は違和感よりも、そのような行動をしている「勇気」を感じました。
カウンセリングという閉鎖的な場面でさえ、このような悩みを話すには相当な勇気が必要なモノです。
ですがこのお二人は大勢の前で、或いは不特定多数に見られるSNSでそれらを話すという行動をしている。
それは本当にすごいことだと思ったんです。
一人が声を上げることで、その声が誰かに届き、その人が新たに行動を始めることが出来るかも知れない。
そんな願いが込められている行動は、人を動かします。
それじゃあ、この二人は自分の過去を受け止められているのかと言えば、決してそうではないという現状も話されていました。
女性は今でも精神的に不安定になることもあり、過去を話す上でやはりつらくなって涙が出てしまうこともあるそうです。
男性の方は今でも外出の際、子供を視界に入れないという行為を徹底して行っていました。
その性衝動は無くなったわけではなく今でもそれは残っていて、その衝動をコントロールするために徹底的に自分を律しているその姿には、今なお苦しみ続けながらもどうにかして前に進もうとする様子が伺えました。
番組の最後では、この二人が例の児童虐待が行なわれていた芸能事務所で虐待を受けていた方々が開いたイベントで実際に会い、お互いがお互いの勇気と行動を認め合い、お互いに尊敬をし、固い握手を交わすシーンで終わりました。
被害者と加害者がお互いの行動を理解し、認め、手を取り合うというのはなかなか難しいことだと思うんです。
特に被害を受けた方にとっては、その加害者は受け入れ難い存在であろうし、到底許せるはずも無いんだろうと思います。
もちろん性加害、性的虐待は犯罪であり、許されない行為なんです。
それだけは間違いはないのですが、加害をしていた自分と向き合い、反省し、罪を償う事の一環としてこのような活動をしている現実は、評価すべき事なんだ、と教えられた思いがしました。
同時にこの番組では、小児性愛についての研究はあまり進んでいない、とも伝えていました。
こういった部分でも研究や抑止の取り組みを進めて、一人でも多くの子どもがこのような犯罪に巻き込まれないようにしていくのも、今の世の中に必要な事なんだと感じました。
私はカウンセリングを通じて、このような方々のココロと向き合い、癒し、前を向いて生きられるようお手伝いをしていく。
それが使命であると改めて思いました。
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須藤 勝則
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