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#宗田理

12/27 『ずっと一年生⁉ トラブル解決大作戦』を読んだ

まずイラストを一目見て「カワイイ」と興味を抱き、次に作者が宗田理だったのを見てマジか? となった。さらにあらすじを読むと、何年も留年しててずっと一年生の女子生徒がいろいろ飛び回って活躍する……とあり、こォんな癖強なものを宗田理が……⁉ と目を疑う。もしや新シリーズ開始なのかと思いきや、2003年に刊行されたものを角川つばさ文庫版として出し直したものだった。しかし『ぼくら』シリーズに負けず劣らぬ、とても良いキャラだ。 お話は短いエピソードを積み重ねていくシンプルな構成で、出てく

10/7 『ぼくらの第二次七日間戦争 グランド・フィナーレ!』を読んだ

おいおいおい……最後の最後に、めっちゃ面白かった。ここ数冊のお話は、正直なところ1冊のお話としちゃちょいと微妙だったりいまいち把握しづらかったりで、愛が無ければ楽しむのが難しいところが多かったんだけど、この最終巻、『ぼくら』シリーズ完結巻たるこの巻は、すごい楽しめた。グランド・フィナーレという仰々しいタイトルほどには大きな騒動もなく、英治の今までの経歴を考えれば日常の一コマていどだったと言えなくもないんだけど、だからこそ逆にフィナーレを飾るに相応しい、そう思えた。読み終えた後

9/6 『ぼくらの第二次七日間戦争 再生教師』を読んだ

前巻で行方不明になったままその後が描かれなかった女子生徒が、その後無事救出されていたことが判明した。よかった。前巻のうちに判明してくれてれば尚よかったが。 そして今回はひとみの勤める中学校で、黒板にマザーグースの詩が書かれるという怪事件が起こったところから始まる。ひとみの中学校といえばオメガ事件が記憶に新しいが、今巻ではオの字も出てこなかった。あれから推定2~3年は経っているはずだから、事件を知る生徒もいなくなって、自然消滅したのだろうか。 序盤は最近の子どもたちの倫理観や死

8/11 『ぼくらの第二次七日間戦争 援交をぶっとばせ!』を読んだ

徳間文庫の『ぼくら』シリーズ第2シーズン、あるいは現時点での『ぼくら』最後のシーズン。いよいよ最後の『ぼくら』の夏だ。前作の終わりが衝撃的だっただけに、期待と不安が入り交じる。 英治たちは30歳の節目を迎えている。前シーズンからは数年が経過してることになるか。魔女軍団たちとはどうなったのか……結局あの学園は魔女たちが支配したのか。ポジティブに考えるとするなら、思想強めだが彼女らの教育方針もひとつのやり方だということで、よろしくやっていくことになったって感じなのかな。キノコも合

7/18 『ぼくらの魔女教師』を読んだ

今度の学校は伝統あるお嬢様学校、相手は学校を牛耳る「魔女」と呼ばれる教師とその配下たる「魔女軍団」総勢50名……と、このシリーズで一番おもしろそうなあらすじ。では、あったんだが……中盤まではなかなかスリリングでよかったけど、終盤にさしかかると勢いは増すもののちょっとスリリングの性質が変わってきて、そして最後にはギョッとしたまま飛び抜けていってしまった。クスリとアヤしいキノコと苛烈な男性嫌悪思想で教師や生徒を支配下に置いているかに思われていた教頭が、実際はクスリもキノコもハッタ

6/11 『ぼくらの失格教師』を読んだ

タイトルにもあるとおり、今回は問題あるのは主に教師たちで、生徒らと英治はおおむね良好な関係を築けている。不良も少ない。ろくでもない教師たちを相手取るという意味で、原点回帰といった趣がある。前2作がちょっと突飛に過ぎ、あまりいい評価を得られなかったのだろうか……とか勘繰っちゃう。英治の選んだ道として結構いいと思うんだけどな、悪魔教師。 戦う相手が怠慢な教師たちだけで、スケールは小さいのだが、そのクズ教師の描き方にはわりと新しさがあったように思う。ふてぶてしいというか何というか…

5/12 『ぼくらの特命教師』を読んだ

前作での描写から、英治の年齢は30代半ばから後半くらいか、とあたりをつけていたが、今回、終盤でぼくらメンバーが一部集結したときに柿沼が三浪の末に医大合格し、まだ在学中という情報が出たことで、最大でも27くらいということが明らかになった。思ったより若かった……英治も、ある程度普通の教師経験を積んでから悪魔教師にクラスチェンジしたと思ってたが、わりとすぐ悪魔道に邁進してたんだな。まっとうな教師としての道はひとみに譲り、自身は邪道を突き詰めてゆくと考えれば、ある意味いいチームワーク

4/2 『ぼくらの悪魔教師』を読んだ

新学期も始まったことだし、10ヶ月ほど空けていた「月1ぼくら」の催しを再開。いよいよ初めて読む徳間文庫の『ぼくら』だ。これまでの角川文庫で出ていたものは、忘れていたところも多々あったけど概ねかつて読んだことのあるものだったが、これ以後の徳間文庫から出ている7冊は未体験の領域。この7冊を読んでしまえばいよいよ本当に『ぼくら』が終わってしまう、英治たちとお別れしてしまうと思うと、わりとマジで胸がざわざわとしてきてしまう。いやまあ、現在でも角川つばさ文庫から中学時代の新作書き下ろし

6/11 『ぼくらのラストサマー』を読んだ

面白かった。 まだ続編もあるが角川文庫におけるぼくらシリーズの最終巻は、 「菊地先生、彼女から電話」 という台詞から始まり、なかなか印象的である。大学を卒業して、とうとう正式に教師となった英治なのだ。もうすっかり大人だ。 実際、今まであれだけ「悪い大人をとっちめろ」とやってきたのに、今作においては倒すべき大人などは出てこない。ただ、子どもたちに絶大な人気を誇るミュージシャン・クニオにまつわる騒ぎに巻き込まれるだけだ。いや、正しく言えば巻き込まれさえしてないか

5/7 『ぼくらのグリム・ファイル探険 下』を読んだ

面白かった。 情報ウィルスの原因と治療法を求めてドイツに向かったぼくら。そこで謎の鍵を握る怪しい女性との邂逅から、暗黒秘密組織や更にはナチの残党の影までもが現れだして、話の規模がどんどん大きくなってくる。 最初に追っていたその女性は実は敵ではなくむしろ真の敵と戦っていたイイモンで、そして真の敵こそが女性憎悪を募らせ現代に魔女狩りを復活せしめんとする暗黒秘密結社で、しかもナチ残党ともつるんでいて情報ウィルスはナチスが開発しようとしていた兵器だったという……のだがそれらは全てそ

4/18 『ぼくらのグリム・ファイル探険 上』を読んだ

面白かった。 ページ開いてすぐ、章のはじめにイラスト、それもマンガ形式のイラストが入っていてびっくりする。なんと作中にキーアイテムとして出てくるマンガの一部が、各章のはじめにイラストとして出てくるという形式をとっているのだった。昔に一度読んだことがあった筈なのに全く憶えてなかった。ただそのことに触れられるのはこの上巻の後半で、それまでは本文と関係なさそうなマンガが飛び飛びで掲載されてるだけなので、当時の自分はあまり理解できてなかったのかもしれない。しかし、急にこんなことをや

3/6 『ぼくらののら犬砦』を読んだ

面白かった。 このぼくらシリーズ再読は基本的に、過去に読んだことあったり持っていたりしても角川文庫版を新しく中古で買って(新しく中古で買って?)読むこととしていたが、これだけは近所のブックオフをいくら探し回っても見つからず、仕方なく家にあった、20年以上前のかつて読んだそれを改めて開くこととしたのだった。平成10年の初版本、保存状態は最悪の一言。カバーは消え失せ表紙や角もぼろぼろ、頁は全体に満遍なく黄ばんでいる。確か、小学生のとき食中毒で入院して、そのときのお供に親が買って

9/9 『ぼくらの卒業旅行』を読んだ

面白かった。 序盤、中川冴子がその命を燃やし尽くし、旅立ってしまう。昔に読んでた記憶では、この中川冴子というキャラクターは、あくまでゲスト的な存在としてほんの少しぼくらの中に登場してたものだと思っていたけど、今こうして読み返してみると全然そんなことはなく、ときには英治たちのいたずら計画に参画したりもして、「ぼくら」の一員として確かに生き抜いたとても重要なキャラだった。 そして時は過ぎゆき、英治たちは受験に励み、大学に受かったり落ちたりして卒業。中学に比べるととてもあっけない。

8/10 『ぼくらのロストワールド』を読んだ

面白かった。 高3の夏。母校の中学で起こった事件、妹弟や後輩たちを助けるためにぼくらが動く。いいけどいい加減受験のことも考えなさいよとも思う。 この辺りからちょっとぼくらの面々が説教くさくなっていく感じがある……いや、それはもともと少なからずあったけど、菊地や相原、安永たちが「最近の中学生たちはどうしちまったんだ?」ってなっていくという。まあ高校生らしいといえばらしいか。それに、お前たちが無茶しすぎだという話でもある。 と、最初はそんな感じで後輩どもを憂いてはいるのだが、「修