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続・アトピー対策備忘録17: 体質改善15 アトピー治療の全体像

 アトピー性皮膚炎の症状がかなり落ち着いて来たので、一旦また治療の流れを纏めてみたい。

①除去療法
 小麦食品を主としたアレルゲンの食事からの除去。ある程度の糖質制限も併せて行うと尚良い。
 効果が大きく即効性のある治療であり、継続も重要であるため真っ先に行う。
 除去するのはあくまで「体感としてアレルギー症状を引き起こしている食品」であり、検査のみでその判断は行わない。

②サプリ摂取
 各種ビタミン・ミネラルやアミノ酸、整腸剤や生菌製剤によるプロバイオティクスの摂取。場合によりハーブ等天然の抗菌作用のある食品やサプリ、胃腸の状態により消化剤、腎機能が低下していれば浮腫み解消のサプリ等を摂取しても良い。
 鼻炎や胃腸障害等の一部症状には即効性があるが、基本的には治療の為に3・4ヶ月以上の長期に渡る服用が前提となる。当然早期に始める。
 根本的な体質改善と治療の根幹であり、全般的なアレルギー症状を改善する。肌の菲薄化と根強い炎症や浮腫みの改善にのみ、どうしても数ヶ月の時間は掛かるが間違い無く改善する。

 肌荒れや湿疹・炎症が酷い場合は通常より亜鉛・ビタミンC・アルギニン・グルタミン・HMB等、創傷治療に必須の栄養素を多く摂取する(特に亜鉛・アルギニンは治療基準での継続的な摂取を推奨、亜鉛:50〜150mg・アルギニン:5〜7g、アルギニンと共に条件付き必須アミノ酸であるグルタミンも同様に摂取する、面倒であれば創傷治療に用いられるONS「アバンド」を飲むと良い)。これにより皮膚の修復促進と免疫力向上による皮膚症状の改善が期待出来る。
 加えて汎ゆるエネルギー代謝に補酵素として関わるナイアシンも併せて摂取するべきで、これはコルチゾールの前駆体であるコレステロールの合成を促進して炎症予防や痒み・鼻炎に良く効き、セラミド合成も促進する。ナイアシンフラッシュに慣らす意味でナイアシンアミドから始めるか、少量の摂取から徐々に量を増やしていくと良い。最終的にナイアシンアミドなら1,500mg、ナイアシンなら500mgを摂取したい。

 一つ注意すべきなのは酵母由来の栄養サプリだろうか。偶に有るものだが人に依ってはアレルゲンとなる場合があるため、基本的に避けた方が無難である(酵母由来の酵素は問題無い様なのがやや難しいところだが、量の問題なのだろうか)。

③ミネラル温浴・HSP療法・冷水浴
 ①・②と併せて行う事で相乗効果が期待出来る。塩化マグネシウム摂取やHSP(ヒートショックプロテイン)の合成、自律神経の調整や血流改善、副腎皮質ホルモンの分泌を促す。風呂の温度は40・41度が無難だが、特に疲れや肌荒れが気になる時は短時間でも42度で入ると効果が高い(勿論サウナなら尚良い)。塩化マグネシウムは風呂に入れない場合も濃度1%弱程度の化粧水として日常で肌に塗布したり、シャワー上がりの保湿に使用するだけでもある程度効果が有る(塩化ナトリウムが完全に除去されたものを使用するのが望ましい)。
 通常の入浴だけでも皮膚の保湿・血行促進(浮腫み解消と傷の治癒促進)、表皮の除菌(湿疹や炎症予防)、自律神経の調整と肌には良い効果ばかりである。特に冬は代謝が上がる一方で血行や内分泌が滞る季節であるため意識して行いたい(言葉通り風呂に入る暇さえ無い程忙しい状況での成人アトピー発症例・再発例も多い)。
 温熱による痒みが起きる場合はナイアシンアミドや亜鉛でのヒスタミン・コントロールや、入浴後の冷水浴(冷水シャワー)での冷却が多少だが効果が有る。

 即効性と短期的な効果が非常に高く、体感ではステロイド薬とほぼ同様の効果が得られた。熱が肌に悪いという意見も一部有るが、私の場合はスチームサウナに連日入っても問題は無く、むしろ症状は日に日に改善していった。
 ただサウナを辞めて二日後には症状が少し振り返したため、効果は余り持続しない様である(治療としてならば連日か最低でも隔日で利用したい)。

 また洗浄時の患部への界面活性剤の使用は極力控える。界面活性剤での洗浄後に保湿を行うより、湯水での洗浄のみで皮脂を保つ方が患部への刺激は遥かに少なく抑えられる(保湿を行ってはいけないという事では無い)。

④カンジダ除菌
 ①〜③を行い表皮症状や腸内細菌叢の改善がある程度進んだ後に行う。ダイオフの副作用が付き纏うため、重症者は勿論のこと軽症者も基本的に専門の医院での治療を推奨。また余裕があるならば治療の始めから医院にて行うと良い。

⑤その他
 ステロイド薬は症状が悪化した時にのみ適宜使用する。数日の短期的な使用のみならば副作用も特に問題にならない。
 皮膚症状には亜鉛華軟膏を塗布の上、ガーゼにて被覆する事が望ましい。
 痒みが強い場合は場所により薬用の抗掻痒成分の軟膏や、抗ヒスタミン薬の服用と使い分けて対処する。

 日々の生活においては胃腸に負担を掛ける様な事は避ける。よって不必要な抗生剤や頭痛薬の服用、カフェイン入り飲料の常飲は避ける。

 一方で皮膚の修復の為にもタンパク質は積極的に摂取したい。プロテイン等で効率的に補うのも良いが胃腸障害故の消化の悪さも有り、消化剤や酵素サプリ等にて胃腸の補助を行うのが望ましい(負担が重いならアミノ酸サプリのみでも良い、摂取はバランスを考慮し網羅的に、EAA等での摂取はアミノ酸全体の2割程度に留める)。

 また適度な運動は循環器機能の改善やHSP・成長ホルモン産生の促進に繋がるため、継続的に行う事が望ましい。

 腸内環境や表皮にて過剰増殖した真菌を除菌・抗菌する事に加え、口腔ケアにおいても除菌を意識し除菌・殺菌成分を含む歯磨き剤等のケア用品を用いる。

 医療機関での検査の際は悪影響が出やすい肝臓・腎臓の機能や直接的にアレルギー疾患の検査をまず行い、次いで腸内環境を検査する。必要ならばホルモン等の内分泌について調べても良い。


 追記:下部リンク「アトピーマニュアル」はアトピー性皮膚炎の詳細について参考になるため載せておく。


 根強い炎症と肌の菲薄化の症状が在った中指第一関節部は以前に比べ大幅に状態が改善した。浮腫みと色素沈着は今後の治療にて改善していく。
 ステロイド薬を漫然と塗り続けるプロアクティブ療法では決してこの様な改善は望めなかった。

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