見出し画像

性格の変えられる部分とは?

こんにちは、HSPのもちふわです。
今日は性格の変えられる部分について考えてみました。図説にしてみましたのでご覧ください。

性格の変えられる部分とは

よく性格は遺伝子と環境の二つから作られると耳にします。
両親から受け継いだ遺伝子の影響が50%、本人の経験や偶然の出来事などを含め育ってきた環境の影響が50%と言われます。

遺伝子(音に敏感だとかアレルギー体質だとかいう素質)と環境(大家族だとか親が大らかだとか、都市部に住むとか田舎だとか)の一方だけで決められないのは、双子や養子の研究から導かれたことだそうです。

一卵性双生児の遺伝子は同一ですが、環境による遺伝子の発現の仕方が違うそうで、よって双子でも一定の類似性はあっても、性格は全く同じにはならないといいます。

性格=素質(遺伝子)+環境だとして、では私達自身が努力して変えられるところはどこでしょうか。

素質(遺伝子)持って生まれたもので変えることはできません。遺伝子を書き換えて脚を長くしたりできないのと同じで、HSPとしての感覚の繊細さ(音に敏感だとか肌触りが気になるとか、他人の感情に引きずられてしまうとか)を変えることもできません。

持って生まれた繊細な気質を変えようとして、自分は平気なんだ気にならないはずだと無理やり思い込もうとするのは誤った努力であって、更なる苦しさを生みます。

私も生まれて40年以上もずっと、精神的にも肉体的にも強い人間になりたいと思って来ました。繊細で些細なことで思い悩む自分が嫌で、無理やり豪快で逞しいキャラを演じたこともありました。

でもどんなに努力しても強い人間になれなかったのは、変えられない遺伝子を必死で変えようとしていたから、もともと変えられないものを変えようとしていたからだと気づきました。

では、人が性格で変えられる部分は遺伝子や素質ではなく、環境にありました。

変えられない環境と変えられる環境

環境の中でも選べる部分と選べない部分があります。
選べない環境とは独立前の幼少期から青年期の環境です。親の庇護下で子どもは育つため、親の考え方や影響をダイレクトに受けます。

家族構成や住んでいる地域など、本人に合っているものならば良いでしょうが、子どもの繊細さが理解できない親の場合や、理解していてもアプローチの仕方がすれ違ってしまうことや、その他偶然のアクシデントなど様々な経験も影響します。

親と子の相性や家庭環境や地域、学校との相性が合わない場合や、出来事が結果としてトラウマになったりすれば、子どもは苦しんで育つことになります。

幼少期の環境が子どもの素質を伸ばすか伸ばさないか、それは言うなれば運であって子ども本人の責任ではなく、さもすれば親自身さえも努力の及ぶところではないかもしれません。

幼少期を何とか過ぎた子どもは大人になります。それでも生きづらさを抱えて生きているのならば、それは幼少期の環境に適応するために選んできた考え方と行動のパターンを幼少期のままに引き摺って繰り返しているからだと思います。

自分自身に刷り込まれた、自分で刷り込んできた思考と行動のパターンは、成人になる頃には既に自動化しており、子供の頃に役に立っていたパターンは大人になると逆に苦しみを生み、悲しいことに自分自身で苦しさを選択してしまっているとも言えます。

幸せになるために環境を自分自身で選ぶ

ピンチはチャンスといいますが、まさに苦しい時は自分が変化するチャンスです。

大事なのは自分で自分を幸せにすると決意することです。
それまで親や周りの人たちに認められることで得てきた自己肯定感は、大人になった今は他者承認へのこだわりを生み、自分の人生の幸せを周りに委ねていることになります。

周囲はいつも自分の希望どおりに動くとは限りません。周りがどうであろうと自分が自分に納得しているのであれば、認めてもらえなくても不安に思うことはなくなります。

たとえ、自分以外の人たちに理解してもらえなくても自分がこの人生を選ぶ。自分が自分で心地よい、幸せだと思える考え方や行動を選ぶ決意が必要となります。

そのためには変えられる部分と変えられない部分を見極めること、変えられる部分に自分の力を使って思考と行動のパターンを変化させていくのです。

変えられる環境とは?

変えられる環境とは以下の二つのことです。

①友人関係と職場環境、生活環境
②自分のものの考え方、とらえ方、行動の仕方

①友人関係と職場環境、生活環境を選択する


大人になると、ある程度人間関係を選択したり、仕事や住む場所を変えることができるようになります。
最終目標は自分で自分を幸せにすることですので、そのために自分が心地よい、なるべく自然体でいられる人たちを選んで付き合うことが大切になってきます。

HSPは雰囲気を読んでしまうため、自分より周りの人のために動いてしまいます。それがクセになると、本当は嫌だなと感じているときでも不快な感情に蓋をして周りに過剰同調しがちです。

気付かぬうちに疲労困憊し、たまりにたまった鬱憤が、ある日突然何かのきっかけで爆発してしまい、体調不良やメンタルの落ち込みに発展してなかなか回復することができなくなります。

今の人付き合い、仕事、生活環境が自分にとって無理はないものなのか、自分自身にプラスになるものが本当にあるのか、快か不快か、安心か不安か、喜びか苦しみかを、自分自身の身体の感覚に問うて自分に合わないものに気づき、必要なものとそうでないものを振り分けて行くことが大切になってきます。

②自分のものの考え方、とらえ方、行動の仕方を変えてゆく

HSPが合わない環境に過剰適応し続けて大人になると、自分を苦しめる思考と行動のパターンにはまりがちです。

大人になった自分は、自分を苦しめる思考と行動のパターンを変えることが出来る力を持っているのに、それに気づかないと苦しさから抜け出すことがかなかな出来ません。

例えば幼少期に、厳格な親の下で過度なスパルタ教育に耐えてきたとします。小さな頃の自分は外で遊びたくてしかたないのに、自分の希望を親に伝えると怒られて叩かれて勉強量を増やされる。自分の思いに蓋をして、我慢して勉強すると今度は親の機嫌が良くなり褒められる。

そこから幼いHSPが学習するのは他者承認をベースとしたパターンになり結果、
「自分の要望を言うと、不快なことが起きる。
相手の希望を想像して、希望に添えば不快なことから避けられる。
本当は苦しくても我慢すると褒めてもらえて、誰かに自分の価値を認めてもらえる」

と自分を苦しめる選択が思考と行動様式が刷り込まれます。

悲しいことに過剰適応したHSP(私)が得たものは、自己主張を諦めることでした。

自己主張を止めると、次第に自分で自分の気持ちが分からなくなり、自分の軸が作れなくなります。
自分の意見を聞かれようものなら、本当は「よく分からない」「自分の意見なんてない」「どっちでもいい」のに、「この人はこう答えて欲しいに違いないからこう言おう」と求められた模範回答を自分の意見として答えます

求められた自分を演じるようになると、演じた自分を好きな他の人間が集まり、演じた自分に沿うような環境を選択してしまいます。
そしてまた求められた自分を演じ続け、一見満ち足りたように見えるけれども、本来の自分は苦しさに耐え続けたままひたすら堪えているという悪循環になります。

けれど身体は意思によるごまかしは効きません。
苦しさに耐えかねて様々な自律神経やうつ病などの様々な疾患として現れてくるわけです。

本来、人は産まれたままで既に完璧であって、誰が認めてくれなくても価値のある存在です。

けれど育った環境を耐え抜いた結果、自分の価値は他者承認によってのみ認められるものと思い込み、自分で自分を認めることを放棄してしまっているのです。

自分で自分を幸せにするために出来ること

①自分の好きなものを沢山書き出す

ひとりの時間を沢山とって、自分に向き合うことで、自分自身の感覚を取り戻せます。

自分自身の感覚を取り戻すためには、心地よさについて沢山考えてみるのです。

自分は何をしている時に心地よいと思うのかを書き出します。

幸せだと思うこと
楽しいと思うこと
好きだなと思うこと
綺麗だなと思うこと
元気になること

A4のコピー用紙を準備して自分の心地よさを引き出してくれるものをどんどん書いて行きます。スマホのメモ帳でもいいですし、内容は単純なことで構いません。

朝見た空がとても綺麗だった、とか
街路樹が青々して美しかった、とか
洗濯物が干せて嬉しい、とか
ドラマが楽しすぎて次回が早く見たい、とか


自分が「いいな」と感じるものなら何でもいいのです。
毎日自分が「好きだな」「嬉しいな」「心地よいな」と思えるものを集めて行くうちに、何となく自分ってこんなものが好きだったんだな、こういうのが得意なんだな、こういうことが楽しくこなせるんだな、というものが見えてきます。

そこには誰の承認も、誰の許可も必要ありません
書いてみて、本当に好きかどうか引っかかるものはもしかしたら、誰かによく思われようとして理想を演じて書いている自分なのかもしれません。
本当に自分自身が好きなものか、よく思われたくて、立派に思われたくて書いているものかどうかは自分の感覚が教えてくれます。

目を閉じて、それをやっている自分を想像してみて、落ち着いた心地よい穏やかな気持ちになったのなら本来の自分です。
焦ったり、他人と比較し始めたり、もやもやし始めたら誰かの理想像を演じている自分です。

心地良さが自分自身を形作ります
トライして楽しいことを集めて行く。合わないことは卒業させていく。取捨選択を繰り返すことで自分自身に気づいていくのです。

②学びによって自分を表現するコミニュケーションスキルを身につける

自己主張は悪いことではないと知ること、コミュニケーションの方法は我慢することだけではないと知ることです。

ただやみくもに自分の主張だけを相手に押し付ける訳ではありません。今まで相手の思いだけを尊重していたことやめて、同じように自分の思いも大事にしていきます。

ここでは詳しい内容は割愛しますが、アサーティブコミュニケーションアンガーマネジメントが有効です。
書籍も沢山出ていますので、気になったら是非読んでみて下さい。

HSPの気質はネガティブにとらえてしまいがちですが、繊細だからこそ素晴らしい芸術作品が生まれたり、共感性が高いからこそ人に寄り添えたり、優しさが育まれたりと良い面に気づけば可能性は大きく広がります。

ずっと苦しんで来たHSPの特性を、自分に授けられた大切なプレゼントと捉え直せば、良い特性を生かして行ける。
その先には、唯一無二の自分の存在を自分自身が肯定出来るゆるぎない自己肯定の気持ちが産まれ、自分軸に気づくことで自分の幸せを自分で選ぶ事ができるようになるのだと思います。

最後にニーバーの祈りを載せておきます。
NPOメンタルレスキュー協会の訳がとても素敵で、悩んだ時私はよく思い出して眺めています。

どうか今苦しんでいるHSPさんたちが、自分を自分で幸せにする選択が出来ますように。
とりとめもない私の雑記ですが少しでもお役に立てれば嬉しいです。

ここまで長い文章を読んで下さりありがとうございました。
皆さまに素敵な毎日が訪れますよう、心よりお祈り申し上げます。

ニーバーの祈り
「神よ私に変えられるものを変える勇気と、
変えられないものを受け入れる冷静さと、
その二つを見極める知恵を与えたまえ」

NPOメンタルレスキュー協会訳


written by もちふわ














この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?