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忘れられない君の優しい声

関ジャニ∞には「大阪ロマネスク」という曲がある。
「大阪ロマネスク」は、関ジャニ∞とeighterが昔から大事にしていた曲で、個人的にも思い出のたくさん詰まった大好きな曲だ。
今日はその「大阪ロマネスク」のことを書きたいと思う。


はじめての5人

私は、2021年9月26日に千葉県の幕張メッセで行なわれた、関ジャムFESへ参加した。
コロナ禍の音楽フェスということもあって、参加は迷ったが、大好きな丸山隆平の茶髪姿をこの目に焼き付けておきたくて、参加を決めた。

参加した理由にはもう一つ大きな理由があった。
5人体制になってからの関ジャニ∞は、2019年末から47都道府県を巡るホールツアー「upd8」を開催した。しかしホール規模ということもあって、チケットの倍率が高く、公演に当選したファンは限られていた。
そして、ツアー自体もコロナ禍で中止となり、私自身も地元公演に当選していたものの公演中止となり、5人の関ジャニ∞にはまだ会えていなかった。
ゆえに、この関ジャムFESは、コロナ禍以降で初めて、アリーナ規模の会場で5人の関ジャニ∞を見れる機会でもあったため、多くの関ジャニ∞のファン(総称:eighter)が期待を込めて待っていたライブでもあった。
私も楽しみに待っていた一人で、5人の関ジャニ∞を1度この目で見ることで、自分の中の関ジャニ∞をアップデートさせたくて、参加することにしたのであった。

その関ジャムFESのセットリストの中に、大阪ロマネスクがあった。
テレビ朝日「関ジャム」に定期的に出演している演奏家の清塚信也さんを中心に構成された”関ジャムスペシャルバンド”によるピアノアレンジ演奏のもと、関ジャニ∞が「大阪ロマネスク」を歌った。

5人に関ジャニ∞にようやく会えたこと、大好きな丸山くんに久しぶりに会えたこと、ただそれだけで嬉しかったのに、大好きで思い出の詰まった大阪ロマネスクを今日ここで聞けると思ってもいなかった。
だから、関ジャムスペシャルバンドで「大阪ロマネスクを今からやります」と発表された瞬間は嬉しかった。

だけど、単純に嬉しかったのは、この瞬間までだった。
これから私が、この目で見て、この耳で聞くのは、私が聞き慣れた大阪ロマネスクではなくて、確実に何かが変わった大阪ロマネスクだと気付いた瞬間、自分の心の中で急に不安になった。
新しい大阪ロマネスクを受け入れる自信がなかったからだ。
案の定、その直後に私が聞いた大阪ロマネスクは、私が知っていた大阪ロマネスクではなかった。

私の知っている7人の大阪ロマネスク


私が大学時代にしぬほど何十回何百回も聞いた、関ジャニ∞が7人だった時代の大阪ロマネスクは、以下の歌詞を丸山くんが歌っていた。

この街の言葉 乱暴と言ったね
でも僕は変えないよ 好きやと言うから

丸山くんの「好きやと言うから」は、歌い方がとても切なくて、でもその切なさの中に覚悟を持ったような強さを感じるので、この歌詞がずっと好きだった。

ダメなのか思うけど やっぱり好きやねん
丸山くんは、歌声自体が切なくて、歌い方も儚げに歌うので、丸山くんが「やっぱり好きやねん」って歌ってくれると、なんだか胸がぎゅっとなってしまう。そして、過去の自分の恋愛とか思い出しちゃう。そんな甘酸っぱさを感じてしまうこの歌詞と、その歌詞にマッチする丸山くんの歌声が好きで、ここの歌詞も大好きだった。

忘れられない君の優しい声 時間がとまっていく「忘れられない君の優しい声」と歌う丸山くんの声が、優しくて、忘れられない。それくらいにこの歌詞は、優しい声の持ち主の丸山くんにぴったりの歌詞だった。歌詞のとおり本当に優しい声が忘れられなくて、ずっとずっと好きだった。ロマネスクの中では一番好きな歌詞だと思う。

上に載せた歌詞は、丸山くんが歌っているパートだった。
でも、関ジャムFESで、私が聴いた、私が見た、5人のロマネスクには、上に載せたどの歌詞にも丸山くんの声は見当たらなかった。

落ちサビ
私が何十回何百回と、現場で、音源で、聴いてきたのは、少しクセのある、喫茶店のプリンのカラメルのようなほろ苦さのある声の、錦戸くんの落ちサビだった。
新しい落ちサビには、ほろ苦さがなかった。すごく優しい味がした。おばあちゃんが入れてくれた、暖かいお茶のような。切なくて儚いけど、毛布で包み込んでくれるように暖かい、大好きな丸山くんの声だった。

eighterに歌わせてくれたこともある大事な落ちサビを、私の大好きな丸山くんが胸を張ってソロで歌っていたのだった。

いたはずの好きな人の声がそこにいない。


そこにいたはずの好きな人の歌声がそこにいなくて、
いるはずのないところに好きな人の歌声がいる。

その事実が、どうしても受け入れられなかった。
大好きな人に重要な歌割りが任されて喜んでいいのか、錦戸くんや渋谷くんがいなくなった大阪ロマネスクを悲しんだほうがいいのか、それとも何も思わないのが正解なのか、新しく生まれ変わったことに対して何かを思っちゃいけないのか、何もわからなかった。

ライブが終わってから私は、今まで聞いてきた大阪ロマネスクを思い出すために、過去のライブ映像を引っ張り出して、過去の記憶を呼び寄せた。
そこにはちゃんと、好きな人の歌声が、記憶のとおりの歌詞を歌っていた。

私の思い出の中にいる大阪ロマネスクはどこへ行ってしまったのか。
きっともう戻ってくることはなくて、新しい5人の大阪ロマネスクを受け入れるしか選択肢がないこともわかっていた。
でも、ライブ直後の私は受け入れたくなかった。胸がぎゅっと締め付けられる思いに駆られた。

5人の関ジャニ∞は、どうやってこの歌割りを決めたのだろうか。
この歌割りにしたのは、何か意味があるのだろうか。
いろんな疑問やいろんな思いが、私の頭の中をよぎった。

5人の大阪ロマネスク


ここからは完全に私個人の主観と推測になる。

きっと、関ジャニ∞は5人になってから、6人になった時以上に、持ち歌の歌割りをじっくり考え直したのだと思う。
最近の彼らの歌への向き合い方を見ると、歌割り一つにとっても、蔑ろにせず、大事にしていることが伺える。
ましてや、この大阪ロマネスクは、彼らが大阪にいた時代から大事に歌っていた曲だと聞いている。

この大阪ロマネスクの歌割りを考え直すにあたり、今までそのパートは誰が歌っていたのか、前後のパートは誰なのか、5人の歌声のバランスを考えたうえで、新しい歌割りを決めたのかな、というのを実際に見て感じられた。新しい歌割りのロマネスクは、非常に歌声のバランスが良いと感じた。
丸山くんは今まで歌っていた箇所ではない歌詞を歌っていてパートは全チェンジしているし、記憶が定かではないが、おそらく横山くんか村上くんも、変更点があったはず。
私は歌手になったことがないからわからないが、グループで活動している歌手が、今まで歌わなかった他人のパートを歌うようになるのは、慣れておらず最初は大変だというのも聞いたことがある。
それを考えると、きっと、丸山くん含め、慣れなくて大変だったのだろうと、推測できる。

それに、単純に歌割りの再編成をすれば、すんなり歌えるようになる曲だとは思っていない。
それまでその歌詞に息を吹きこんでいた、渋谷くんや錦戸くんと、ふたりのファンがどう思うのか。ふたり以外のファンがどう思うのか。
eighter想いの関ジャニ∞であれば、そこも考慮したうえで、歌割りを決めたのではないかと、私は勝手に思っている。
関ジャニ∞が大阪にいた時代は私は応援していなかったのでわからないが、節目のライブのセットリストにはこの大阪ロマネスクが入っていたことを考えると、やはり彼らにとってもこの曲は昔から大事な曲なのだろう。

この歌割りが決まった背景を想像しながら、5人の関ジャニ∞の新しい「大阪ロマネスク」を聞くと、胸が締め付けられるのだった。

大切な落ちサビ

そして、大事な落ちサビを、大好きな人が、
ソロで歌っているという事実に、胸が張り裂けそうになる。
正直、私の中では、プラスの感情よりも「しんどい」感情が勝った

7人の関ジャニ∞時代に比べると、丸山くんの歌割りは確実に増えている。これは、大阪ロマネスクに限ったことではない。(※大阪ロマネスクは今までは3人と4人で別れて歌っていて、イントロと落ちサビをそれぞれ渋谷錦戸で歌っていたので、そこまで歌割りが増えた感覚はないが。)
歌割りが増えたことだけを考えるなら、純粋に嬉しい。
実際に、5人体制になってから発売したシングルは、マイナスな感情を抱くことなく、聞くことができるし、歌いだしが丸山くんだったときも、素直に喜べた。(今までは丸山くんが歌いだしのシングルはあまりなかった。)

だけど、大阪ロマネスクで丸山くんが歌っていたのは、今まで関ジャニ∞とeighterで大事にしてきた、錦戸くんが歌い続けてきてくれた、時には「eighter歌って」と私たちに歌わせてくれた、落ちサビだったのである。

そんな大事な落ちサビを、私の好きな人・丸山隆平が歌う。
彼が何も考えずに、彼が誰かを思わずに、この歌詞を歌うとは、私は思えないのだ。
以下引用は、渋谷すばる脱退会見時の、丸山くんのコメントだ。

丸山:好きすぎて何も言えなかったですね。面と向かってはなかなか、何がプラスになるか分からないけど、グループっていいですよね。(略)面と向かって話せない分を、夜中に文章で送りましたけど、読み返すのも恥ずかしいくらい好きさが溢れていたので、何を書いたかも思い出したくないです。2人だけで共有したい

これだけ丸山くんは渋谷くんへの愛を、公共の場で伝えるくらいには、渋谷くんのことも好きで、グループのことも好きなのである。
同じように錦戸くんのことも、渋谷くんと同じくらいメンバーとして好きだったと私は思っている。過去の映像や、言動からも、それを感じ取っていたからだ。
ゆえに、丸山くんの、錦戸くんやグループに対する感情および思いを想像すると、丸山くんが何も考えずに誰かを思わずに、それまで大事にしてきた大阪ロマネスクの落ちサビを歌うとは思えない、という結論に至ったのである。

それ以降、自分の中で、
丸山くんが、もともとは自分のパートではない歌詞を新しく自分が歌うようになることで、「丸山くんの荷が重くならないか?丸山くんがいろんな思いを抱えすぎてつらくならないか?」と考え始め、勝手に私一人でしんどくなってしまったのである。
そんなのは余計なお世話であることは重々承知している。それに、所詮、私は9年しか彼を応援していない。でもこの9年で彼の人柄や考え方の癖はなんとなく把握しているつもりだ。
確か6人体制になってから初のツアーで、彼がそれまで歌ってなかった渋谷くんのパートを担当したが、自分がそのパートを歌うのを忘れた際に「ああ、間違えた・・・」と切なそうに言ったのを今でも忘れられない。

それに、彼は物覚えがよいタイプでもなさそうなのだ。
ライブのメイキング映像で、振り付けを覚えられなくて叫んで走り回って大倉くんや村上くんに落ち着けと言われている映像も鮮明に覚えている。(確か、ツアーDVD「関ジャニズム」のメイキング)
新しい歌割りで大阪ロマネスクを歌おうとして、丸山くんの中に「慣れない」感覚があったんじゃないかな。最初は、もともと歌っていたパートを歌っちゃいそうにならなかったのかな、とか。新しい歌割りの歌詞、覚えるのに時間かかったのかな、とか。

大阪ロマネスクの落ちサビを彼が歌うことになったという事実によって、私の中にいろんな思いが巡って、私をしんどくさせたのだった。


新しい大阪ロマネスクを受け入れること


実際に、丸山くんが何を思って、大阪ロマネスクの新しい歌割りや落ちサビを歌っているかはわからない。何も思ってないかもしれない。別に関ジャムFESで、大阪ロマネスクを歌う丸山くんの表情が曇っていたわけでもない。
もしかしたら、これからまた歌割りが変わって、落ちサビは丸山くんじゃなくなる可能性だってある。

でも、結局は5人の大阪ロマネスクを受け入れるしか選択肢はない。飲み込みに時間がかかっても、もう7人の大阪ロマネスクは聞くことはできないから。
私の今の手元には7人で歌う大阪ロマネスクの音源しかないから、余計に頭が追いつかないけれど、「5人の大阪ロマネスク」と、沢山の思い出ができることを願って、私も前を向いて、受け入れる準備を始めないといけないな、と、関ジャムFESから2週間経って、ようやく思えるようになった。

「5人の大阪ロマネスク」とは、どんな思い出ができるかな。どこで「5人の大阪ロマネスク」を聞けるかな。

「7人の大阪ロマネスク」
私は「5人の大阪ロマネスク」にようやく出逢えたから、「7人の大阪ロマネスク」は大事な思い出が沢山詰まっている宝箱に入れて、大事にしまっておくね。たまにはその宝箱を開けて…、"たまに"どころか、頻繁に宝箱を開けてしまうかもしれないけど…、5人の関ジャニ∞と、前を向いて歩んでいくね。
「7人の大阪ロマネスク」、沢山の思い出を、本当にありがとう。

丸山くん、
丸山くんが歌う新しい大阪ロマネスクはまだ慣れないし、歌詞忘れたりしないかな?ってたまに心配になるよ。(笑)
もう聞けないのかもしれないけど、錦戸くんが大事に歌い続けてきてくれた、落ちサビを、今度は丸山くんが歌っていくのかな。
丸山くんと一緒に、新しい大阪ロマネスクで思い出を作っていけますように。

"忘れられない君の優しい声"が、
今でも忘れられなくて声が優しくて大好きです。


7人の大阪ロマネスク、またね。
5人の大阪ロマネスク、これからよろしくね!

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