創世記33:18~20★2021/04/29掲載分
デボーションガイド*ハーベストタイムより
【御言葉】創世記33:18~20
18 こうしてヤコブは、パダン・アラムからの帰途、カナンの地にあるシェケムの町に無事に着き、その町の手前で宿営した。
19 そして彼が天幕を張った野の一部を、シェケムの父ハモルの子らの手から百ケシタで買い取った。
20 彼はそこに祭壇を築き、それをエル・エロヘ・イスラエルと名づけた。
《参考》
カナンの地に入る
*これまでの経緯
パダン・アラムを出たヤコブ一家が、カナンの地に入る。
(1)ヤコブは、ペヌエルで祝福を求めて神と戦い勝利した。その時ヤコブに、『イスラエル』という新しい名前が与えられた。
(2)ヤコブは、長年恐れていた兄エサウと平和的再会した。
(3)ヤコブは、すぐにカナンに入ろうとせず、その手前のスコテに1 年半ほど滞在。
(4)ようやくヤコブの一家がカナンの地に入る。しかしヤコブは、ベテルに上る前にシェケムに留まり、悲劇(ディナ事件)が起こる。
*ディナ事件の舞台設定
(1)ヤコブは無事にカナンの地に到着。「無事に着き」とは、創世記28:15、31:3 の約束の成就。(神がともにおられる)
創世記28:15 あなたがどこへ行こうと、わたしはいつも共にいて、あなたを助ける。無事この地に帰れるように必ず守ろう。約束のものをすべて渡すまで、わたしはいつでも共にいる。」
創世記31:3 主がヤコブに彼の父の国へ帰るように命じたのは、そのような時でした。「あなたの先祖の国、親族のところへ帰りなさい。わたしがついているから心配はいらない。」
(2)当時のカナン人の共同体は、都市国家。ヤコブの一家は、遊牧民なので、当時の習わしにより町の手前で宿営した。
これは、アブラハム、イサクの生活も同じで、ロトもソドムの住民になる前この生活パターンに従っていた。
(3)ヤコブは、天幕を張った野の一部をハモルの息子たち(ハモルはシェケムの父親)から100 ケシタで購入。
当時の貨幣価値は、不明。(ケシタは「羊の刻印のある貨幣」と考える人もあり、その場合100 ケシタは羊100 頭分くらいになる)
(4)ヤコブは、族長たちの習慣に従い、そこに祭壇を建設。これは、感謝のいけにえを献げるための祭壇で「エル・エロヘ・イスラエル」と名付けられた。「神、イスラエルの神」という意味で、イスラエルという名前が初めて使われた事例。
ここでヤコブの行動に、いくつもの疑問がわく。
なぜ、ベテルに行かず、シェケムに滞在したのか。
なぜ土地を買う必要があったのか。
アブラハムやイサクは天幕生活(遊牧生活)をしたが、ヤコブは定住生活を望んでいたようだ。
ここからヤコブは、まだベテルに上る霊的準備ができていなかったようだ。言い換えると、ヤコブの内に、イスラエルという名にふさわしい実質がまだ育っていなかった。
★ここに私たちへの教訓がある。
ヤコブがベテルに上るのを躊躇し、シェケムに留まったために、ディナ事件が起こる。神の御心の外に出ることは、自らの身に危険を招く。自分の計画と神の御心が一致している人は、幸いです。
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