創世記33：1～17★2021/04/28掲載分
デボーションガイド＊ハーベストタイムより
【御言葉】創世記33：1～17
1 ヤコブが目を上げて見ると、見よ、エサウが四百人の者を引き連れてやって来ていた。ヤコブは子どもたちをそれぞれレアとラケルとふたりの女奴隷とに分け、
2 女奴隷たちとその子どもたちを先頭に、レアとその子どもたちをそのあとに、ラケルとヨセフを最後に置いた。
3 ヤコブ自身は、彼らの先に立って進んだ。彼は、兄に近づくまで、七回も地に伏しておじぎをした。
4 エサウは彼を迎えに走って来て、彼をいだき、首に抱きついて口づけし、ふたりは泣いた。
5 エサウは目を上げ、女たちや子どもたちを見て、「この人たちは、あなたの何なのか」と尋ねた。ヤコブは、「神があなたのしもべに恵んでくださった子どもたちです」と答えた。
6 それから女奴隷とその子どもたちは進み出て、おじぎをした。
7 次にレアもその子どもたちと進み出て、おじぎをした。最後に、ヨセフとラケルが進み出て、ていねいにおじぎをした。
8 それからエサウは、「私が出会ったこの一団はみな、いったい、どういうものなのか」と尋ねた。するとヤコブは、「あなたのご好意を得るためです」と答えた。
9 エサウは、「弟よ。私はたくさんに持っている。あなたのものは、あなたのものにしておきなさい」と言った。
10 ヤコブは答えた。「いいえ。もしお気に召したら、どうか私の手から私の贈り物を受け取ってください。私はあなたの顔を、神の御顔を見るように見ています。あなたが私を快く受け入れてくださいましたから。
11 どうか、私が持って来たこの祝いの品を受け取ってください。神が私を恵んでくださったので、私はたくさん持っていますから。」ヤコブがしきりに勧めたので、エサウは受け取った。
12 エサウが、「さあ、旅を続けて行こう。私はあなたのすぐ前に立って行こう」と言うと、
13 ヤコブは彼に言った。「あなたもご存じのように、子どもたちは弱く、乳を飲ませている羊や牛は私が世話をしています。一日でも、ひどく追い立てると、この群れは全部、死んでしまいます。
14 あなたは、しもべよりずっと先に進んで行ってください。私は、私の前に行く家畜や子どもたちの歩みに合わせて、ゆっくり旅を続け、あなたのところ、セイルへまいります。」
15 それでエサウは言った。「では、私が連れている者の幾人かを、あなたに使ってもらうことにしよう。」ヤコブは言った。「どうしてそんなことまで。私はあなたのご好意に十分あずかっております。」
16 エサウは、その日、セイルへ帰って行った。
17 ヤコブはスコテへ移って行き、そこで自分のために家を建て、家畜のためには小屋を作った。それゆえ、その所の名はスコテと呼ばれた。
《参考》
エサウとの再会
＊謙遜なヤコブ
ヤコブは兄エサウとの再会を恐れていたが、非常にあっけない結果に終わった。
（1）エサウは、400 人の者を連れて来た。
（2）ヤコブは、家族の先頭に立ち、地に7 度、ひれ伏し兄に近づいた。当時、相手に敬意を表するための儀礼。
（3）エサウは、一切の儀礼を無視し行動。以前持っていた怒りや復讐心は、エサウの心からは消えていた。
「エサウは彼を迎えに走って来て、彼をいだき、首に抱きついて口づけし、ふたりは泣いた。」
（4）ヤコブは、自分の家族をエサウに紹介し、用意していた贈り物を渡した。
（5）エサウもヤコブと同じように、裕福になっていたので、ヤコブからの贈り物を断った。それでもヤコブが受け取ってほしいと言ったので、最後にはエサウも受け取った。
★ヤコブは、エサウの変化ぶりに驚いたはず。
エサウは憎しみの心から解放され、自分に与えられている物で満足できる人物になっていた。私たちも、心に憎しみがあるなら、まず神に告白し、平安をいただこう。
＊スコテに留まるヤコブ
（1）エサウは道案内・部下の案内役を申し出たが、ヤコブは断った。
（2）ヤコブは「私は、…ゆっくり旅を続け、あなたのところ、セイルへまいります」と約束したが、その後セイルへ行った記録はない。おそらくヤコブは、その場をしのぎの約束をしたのだろう。むしろ「ベテルに上るとの誓願を神に立てたので、セイルには行けない」と言うべきだ。
（3）結局ヤコブは、スコテに移動。スコテは、ヨルダン川の東、約束の地の外側にあった。そこに家を建て家畜のために小屋を作り、しばらくそこに滞在した。*ラビ伝承では、1 年か1 年半くらい住んでいたとされている。
*ラビ・・・ユダヤ教に於いての宗教的指導者であり、学者でもあるような存在。
スコテとは、小屋・仮庵という意味。（スカーの複数形）仮庵の祭りは、スコットとも呼ばれ「スコテ」と同じ言葉。
ヤコブは、すぐにベテルに上らなかったことが、のちに（34 章）悲劇（ディナ事件）につながる。小さな妥協や気の緩みが、大きな失敗を招く。
★ヤコブの失敗から、教訓を学ぼう。
主の御心を知りながら、実行せずに先延ばしするのは、危険なこと。
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