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古人は月を見て、何を想う?

 8日、帰り際に夜空を見上げたら、なんと満月が欠けているではないか!11月の満月はBeaver Moon(ビーバームーン;アメリカ先住民の風習に由来する)と呼ばれ、1年半ぶりの皆既月食となった。さらには、天王星食も重なり、442年ぶりの天体現象である。宇宙に興味のある私は興奮して、歩きながら何度も観てしまった。カメラで撮影したかった…。
 約38万kmも離れているところを公転しているのに、太陽光による地球の影にすっぽり隠れてしまうことは凄い確率であり、もはや神秘的としかいえない。しかし、本影に入っても不思議と見えなくなるわけではない。僅かに赤みを帯びるのだが、大気層を通過した赤い光が月面を微かに照らすために起こる。大好きな夜空であるけれども、この異様な赤みを帯びた月を観ると、何だかおどおどして落ち着かない。オオカミの如く叫びたくなる。とはいえ、400年前の古人はあの月を見て、何を想っただろうか。煌々と光る満月が突如、赤くなることに禍々しささえも感じ得たかもしれない。そんなことを思い耽り、帰路に就く。
 月は自転周期と公転周期が同じ27.3日だが、互いの重力に引かれ合って“同期自転”という現象が起こったために、常に地球に同じ面を向けている。この月に魅せられて、ニール・アームストロング船長はアポロ11号にて1969年7月に初めて月に降り立った。そして、こんな言葉を残す。
 “That’s one small step for a man, one giant leap for mankind.”
 月に向かって旅立つためには巨大なロケットが必要であり、月に辿り着くこと自体も魔訶不思議な一つだが、ロケットを持っていないのにどのようにして地球に帰還するのか未だに理解できない。それくらい緻密な計算をした計画なのである。今は成し得ないことであっても、揺らがない信念をもって突き進むことの大切さを物語る言葉といえる。
 大塚邦明著『病気にならないための時間医学』を読んでいて、驚愕した。我々人間のみならず、動植物の細胞には何個もの時計遺伝子が存在している。一つは概日リズム(circadian rhythm)と呼ばれる約24時間周期。昼夜の交代や季節の移ろいという環境変化に適応する生命機能である。実際、人間は25時間周期なのだが、昼の明るさによってこれを調節している。その役割を果たすのが、青空というわけだ。30分連続で光を浴びることで効果をもたらす。この調節がうまくいかないと様々な病気を引き起こすと言われている。ますます、空を見上げようと思った。
 この時計遺伝子を普段意識することはないが、旅行に行くなどイベントがあると、目覚まし時計に頼らずとも予定した時間より前に起きた経験はないだろうか。実は、こういう働きにも関係しているようだ。確かに、体内時計を持っていなければ、動植物はうまく活動できないだろう。個々の時間に応じた身体から出てくる反応に、素直に心を傾けてみることは大切かもしれない。

果てなく続く無辺の空に 僕らは生きて行く意味を知る
         (星村麻衣『ひかり』ドラマ“Tomorrow”主題歌)


🎵 人生相談&哲学対話ほのぼのカフェ 🎵
 
【Q108】KPOPを好きになったきっかけは何ですか。
【A】きっかけはKPOPを録音されたテープを聴いたからですが、初めて聴いたときに何だか懐かしい感じがするとともに、JPOPのテンポと異なるのに何だかしっくりしました。これだって!

【Q109】歴史に名を残す人とそうでない人と何が違うと思いますか。
【A】何かを成し遂げようとする「志」が明確に違う気がします。世間的に非難されようとも、世になくてはならないものだと貫徹しているところは、まさに武士道的な「魂」をビリビリ感じますね。

【Q110】結婚はしないといけないと思いますか。先生はなぜ結婚したのですか。結婚して驚いたことはありますか。
【A】何が何でも結婚しなければいけないということはないと思いますよ。私は自分に足りないところがたくさんあると分かっていましたから、それを補い合って、人生の楽しみが増えていけたらいいなと思ったからですね。結婚しなくても生きていくことはできます。それを良しとするか否かは個々で決めることでしょう。特別驚いたことはないですが、諺「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」は本当だなと…。

【Q111】成績が下がると勉強しなければいけないのに、自分の実力が他者より下がってきているのではという劣等感が強くなり、更にモチベーションが下がることがあります。そういうときはどうすればいいでしょうか。
【A】分かります。1年の最初の考査(実力テスト)で、数学は満点でしたが、英語はあまりにも低くてさすがに萎えました。これが高校のレベルなのかと思い知らされました。まさに劣等感ですね。毎回、考査の返却時では、数学はイキイキしていました(というか考査の点数なんてあまり気にしていませんでした)が、それ以外は縮こまっていました(笑)。確かにモチベーション下がりましたね。でも、そもそも勉強はするべきものとは思っていませんでした。勉強自体は大好きでしたから、楽しくやっていました。だって、やることによって新しいことを身につけたり、気づきがあったりしながら新たな「自分」になっていけるのですから、ワクワクしていましたよ。それに、やる気は起こすものではなく、やる気は起きるものです。深く考えずにやってみることです。それと同時に、授業でも何でも楽しめる部分があったら最高ですね。最近大切だと思うことは、他者と比べないことです。どんなに頑張ってみても自分より優れている人はどこにでも現れます。自分の良いところ(実力)は他者と比較することで見つけるものではなく、自分の中でどう捉えているかです。自分が得意だと思ったら、明確な根拠なんてなくても得意だと自負していいと思いますよ。私が現役のとき、校内に数学ではライバルはいません。勘違いかもしれませんが(笑)。今では、考査も模試もたくさんあるから他者と比較しやすくなっていますが、まず自分がそのものに向き合えているか自己対話みたらどうでしょうか。

【Q112】疲れている人はそっとしておいた方がよいでしょうか。
【A】そっとしておいてあげましょう。ただ、無視するのではなくて、人によっては労って(声がけをして)あげることも必要かもしれませんね。どうして疲れているのか受け入れて、共感することができたら優しい人だなと思います。たとえば、家事は手伝うものではなく、お互いにやることなので、疲れている人がいれば、その分をやってあげます。マッサージをしてあげます。そういう心遣いが自然とできたらいいな。

2022.11.11

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