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Allbirdsは何がサステナブルなのか?〜サステナビリティレポートを読んでみる〜

皆さんは今アメリカのテック企業を賑わすD2Cサステナブル・シューズのメーカー「Allbirds(オールバーズ)」はご存知でしょうか?
https://allbirds.jp/

「軽い」「洗濯機で洗える」「環境にいい」というまさに最強のスニーカーとして満を辞して2019年に日本にも上陸しました。
現在はECを中心に原宿・丸の内に店舗を構えており、アパレルの展開も始まっています。

さてそのAllbirdsが先日「サステナビリティ・レポート」を発表しました。
・プレス記事
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000052205.html
・サステナビリティ・レポート
https://cdn.allbirds.com/image/upload/v1628100851/marketing-pages/Allbirds_2020_Sustainability_Report_JP.pdf

環境活動家でもある俳優レオナルド・ディカプリオも投資をしているこの企業がどうして「サステナブルである」と言われるのかをこのレポートから紐解いていきましょう!
※上場企業ではないため財務諸表などがなく、今回はサステナビリティに関することのみ取り上げます。

0. Allbirdsとは?

Allbirdsは、サンフランシスコ発のD2Cサステナブル・シューズ/アパレル企業です。いわゆるユニコーン企業に成長しています。
ウールを使用した環境負荷の少ないスニーカーやランニングシューズを主力とし、今年からアパレル製品の展開も開始しています。

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1. 明確な目標設定

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ここでは、企業のミッションとして「ビジネスの力で気候変動を逆転させる」と掲げ、何のためにAllbirdsが存在するのかと言うパーパスを明確にしました。

さらに、優れているのが具体的かつ数値的な目標の設定です。
今回のレポートで最もインパクトがあったのがこの部分でしょう。

・2030年までは製品の単品カーボン排出量を95%減らす
・上記目標を達成するために、2025年までに製品毎のカーボン排出量を50%削減する
・そのために2025年までの10の優先事項を設定

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いや95%削減とか正気で言ってるの!?という感想ですよね。笑
これはバックキャスティング思考と言って、SDGsの基本にもなっている考え方を採用している結果だと言えます。
パリ協定を実現するため2050年までに1.5℃以内の気温上昇に抑え、SDGsを達成すためにはこれだけ野心的な目標を掲げることが必要であるということです。逆にこれだけ厳しいことをやらないと「ビジネスの力で気候変動を逆転させる」というミッションは完遂されないのです。

近年の脱炭素の潮流でカーボンニュートラルを宣言する企業は増加していますが、ここまで詳細な製品のカーボンを削減する数値目標を謳う企業はあまりないのではないでしょうか。
さらに目標を2030年、2025年と実現可能性を踏まえた設定にしていることもポイントでしょう。

※: 再生型農業(リジェネラティブ農業)
農地の土壌をただ健康的に保つのではなく、土壌を修復・改善しながら自然環境の回復に繋げることを目指す農業を指します。土壌が健康であればあるほど多くの炭素を吸収(隔離)するため、リジェネラティブ農業は気候変動を抑制するのに有用な手法だと考えられています。
https://ideasforgood.jp/glossary/regenerative-agriculture/

2. マテリアリティの優先順位付け

企業のサステナビリティ戦略を考える上で重要なことのひとつにマテリアリティ(重要事項)の選定があります。
その企業がどの領域に影響を及ぼすか、及ぼせるか、どのような未来を描きたいか、どのようなリスクがあるかを短期〜長期で考えます。

その際に往々にして起こってしまうのがSDGsの17のゴールを幅広く何でも設定してしまうことです。一見、多くの分野に影響を及ぼせそうで良いことのように見えます。しかし、要するに「どの分野に影響力を発揮し世の中を善くしていくか」という取捨選択ができていないということなのです。

さて、Allbirdsのマテリアリティはどうでしょうか?
2030年の目標を達成するために2025年までに取り組む10の項目を整理しています。そして、その中でも3つの主要項目を設定しています。
①再生型農業
②再生可能素材
③環境的責任のあるエネルギー

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もちろんどの項目も社会・環境的に非常に重要です。しかし。ドミノの最初のひとつのように起点となるレバレッジ・ポイントを考えることが非常に重要なのです。
しかも、この3つはAllbirdsの企業としてのコアコンピタンス(競合優位性)にもなっています。Allbirdsは自らをスニーカーメーカーでなく「マテリアル・イノベーション(素材革命)・カンパニー」と位置付けています。素材やその調達に必要不可欠な農業に重点を置くことは、即ち彼らの事業上の強みを強化していくことにつながります。

3. 情報の開示と対話

困難な目標を達成するためには、様々な知恵が必要になります。また、顧客や投資家といったステークホルダー(関係者)に対してしっかりと製品が果たして本当にサステナブルなのか説明責任を果たさねばなりません。

その際に重要なのは、現在の状況を計測し、開示することにあると私は思っています。
ダイエットをするときにはまず自分の体重を測って把握するように、Allbirdsは環境、人的に重要な項目を計測して今回のレポートで詳細に開示しています。

こちらはAllbirdsの製品の平均カーボンフットプリント(※1)の変化です。
現在はサプライチェーン排出量(※2)のうち、スコープ2までの計測と開示のようですが、今後スコープ1~3の全てを計測に含むとのことです。
正確に計測することから減らすための行動は始まります。
他の企業もこれに追随し、ぜひ自社製品のカーボンフットプリントをスコープ3まで計測できるようにして欲しいですね。

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下記はどのようにして2025年目標を達成するかのプラン表です。
現在の体重だけでなく、どうやってダイエットしていくかの計画表まで掲載しているわけです。情報の透明性ハンパじゃないですよね。
ここまで徹底的に情報を開示することは、製品を購入する消費者に対する「誠実さ」でもあるわけです。

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※1: カーボンフットプリント
直訳すると「炭素の足跡」。商品やサービスの原材料の調達から生産、流通を経て最後に廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算したものです。
https://sustainablejapan.jp/2016/02/04/carbon-footprint/21073
※2: サプライチェーン排出量
サプライチェーン排出量とは、事業者の原料調達・製造・物流・販売・廃棄など一連の流れ全体(サプライチェーン)における組織活動に伴って発生する温室効果ガスの排出量のことを指します。Scope1(直接排出量)、Scope2(エネルギー起源間接排出量)、Scope3(その他間接排出量)から構成されています。
https://www.amita-oshiete.jp/qa/entry/010752.php


4. 徹底的な第三者機関による認証

さて、Allbirdsはこのようにサステナブルであることを様々な面からアピールしているわけですが本当にそうなのでしょうか?
それを確認するひとつの手法として「第三者機関による認証を受けているか?」「またその認証機関は信頼に値する機関か?」を見るというものがあります。
皆さんも買おうとした食品にトクホの認証マークが付いていたら「体にいいだろうな」と思いながら買いますよね?つまりはそういうことで、別の団体から厳しくチェックされているかを確認するわけです。

Allbirdsに話を戻しましょう。
彼らの凄いところは徹底的に認証を取得していること、また認証の中でも上位な認証を得るための努力をしていることにあると考えています。

そもそもAllbirdsはその企業自体がサステナブルであると認証されています。
「B Corp」というサステナビリティに重点を置く企業を認証制度があります。B corpはガバナンス、従業員、コミュニティー、環境、そして顧客に焦点を当てた事業活動を保証する認証制度です。この認証は3年毎に再審査があり、その度に数値の改善が求められる非常に厳しい認証制度です。

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※: PBC
PBCとはPublic Benefit Corporation(パブリック・ベネフィット・コーポレーション)の略で、一般的には「B-Corp」として知られています。各アメリカ州法に沿ってベネフィット・コーポレーションとして設立した企業のメリットは、Bラボ認証を取得しようとする際に、規定に沿った企業の定款の変更をする必要がない点です。
https://www.sustainablebrands.jp/article/story/detail/1190957_1534.html


さらに素材も認証制度を活用し、サステナブルであることを示すようにしています。
Allbirdsの主力製品に使用されるウールは環境や動物愛護を認証する「ZQ認証」を、テンセル素材に使う木材では「FSC認証」を通過したものを使用しています。

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自社だけで「この製品はサステナブルである」と主張しても、消費者や投資家は本当にそうなのかを知ることができません。そこでAllbirdsのように認証制度を活用することで、第三者から「実際にサステナビリティにコミットしている」という信頼を得ることができるのです。

最後に

ここまで最強のサステナブル・スニーカーD2C企業Allbirdsのサステナビリティレポートを紐解いてきました。
今回は主だった点にフォーカスしましたが、他にも書きたいことは山ほどあります笑

例えば、
・動物愛護などSDGs外のテーマも掲げる
・ステークホルダーとの対話、特に従業員との対話を重要視している
・カーボンオフセット先を開示している

などが挙げられます。

これを読んでぜひAllbirdsに関心を持ってくださった方は是非、ECサイトを覗いてみてください。
また、丸の内と原宿に行くときは是非店舗にも足を運んでみてください。
きっとサステナブル以上の素晴らしい出会いがあるはずです!

【もっとAllbirdsのサステナビリティに付いて知りたい方へ】
・Allbirdsサステナビリティページ
https://allbirds.jp/pages/sustainable-practices
・地球温暖化と戦うフットウェアブランドAllbirdsがカーボンフットプリント・ゼロを目指す理由とは
https://forbesjapan.com/articles/detail/36526/1/1/1
・世界一履きやすいスニーカーブランド「Allbirds」に学ぶ、愛されるサステナビリティ
https://ideasforgood.jp/2020/07/01/allbirds/
・Allbirds(オールバーズ)から学ぶ共創のあり方
https://note.com/info_uminari/n/nb079a9e86779
・世界一履きやすい靴で、まちを綺麗に。Allbirdsとgreenbirdsのみんなが幸せになるコラボ
https://ideasforgood.jp/2020/11/13/greenbird_allbirds_collaboration/
・話題のオールバーズ、「炭素税」自主導入から1年後の現況
https://www.google.co.jp/amp/s/digiday.jp/brands/1-year-in-allbirds-details-the-results-of-its-self-imposed-carbon-tax/amp/


余談〜おすすめのシューズ〜

ここからは完全に筆者の余談です笑
個人的に夏におすすめのシューズをお伝えしたいと思います!

①ベーシックofベーシックが好きなあなた「ツリーランナー」
Allbirdsの定番!「軽い」「シンプル」「通気性抜群」
メンズ👉  https://allbirds.jp/products/mens-tree-runners-chalk
ウィメンズ👉 https://allbirds.jp/products/womens-tree-runners-chalk

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②ランニングシューズがほしいなあなた「ツリーダッシャー」
Allbirdsの新定番!「軽い」「足に吸い付く」「衝撃吸収性高い」
メンズ👉  https://allbirds.jp/products/mens-tree-dashers-obsidian
ウィメンズ👉 https://allbirds.jp/products/womens-tree-dashers-blizzard

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他にもスリッポンやバレーシューズなど様々あります〜
では、快適なAllbirdsライフを!!👟