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[理系による「映画」考察] ゴーン・ガール(2014) ➡支配の甘美

#以下、ネタバレを含みますので、まだ見られておられない方は、閲覧注意でお願いします。

支配の甘美、を描いた作品。

母親から娘への支配。

夫から妻への支配。

妻から夫への逆襲としての支配。
と、まあ支配の連鎖で、2014年公開。

同じ意図が組まれた作品が日本では、
血の轍(2017年スタート)→チェーンソーマン(2019年スタート)
となっているところを見ると、感性の高すぎるクリエイターは別として、当時の日本では今ほど理解されず少し早すぎたかな、と思ってしまう。

また、印象的だったのは、下記の対比。
I'm with you even before we were born. →生まれる前からwith youだった2人
That's a marriage. →契約と支配によるwith youの2人

見終わったときに、"セブン"ほど良い意味で気分悪くはならなかったが("セブン"を観た当時は10代…)、ここで終わるのかよ!、のツッコミに対して再度見直してみると、冒頭と終わりは繰り返しになっていて、構成的にはキチンと完結していました…

そして、この構図(見出し画像にて抽象化)、人間の骨格からは何かしら無理がある気がして、
女性の頭部は男性の膝にある?Yesならば、男性の目(顔)は膝と同じ高さにないといけない。男性の背中をソファにほぼ寝かして頭だけ上げている状態だと手が届かなくない?そもそも、この女性のカッコ、首と肩への負担が大きすぎて人間の普通のしぐさではないぞ…
とか、
マン・レイの"モンパルナスのキキ"からの引用だろう、
など、意図的に印象に残るようにしてある。

始めと終わりは違和感のある構図による"繰り返し"、
その間に"対比"と"連鎖"、
が描かれている、理系的には唸る作品です。




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