9月3日「山小屋生活2日目」
晴れた9月の初め、山に囲まれた大好きな場所にいた。薄い長袖の服を着てきて正解だった。少し暖かい風が吹いていて、しかしそれはさらっと乾いて柔らかく、どうしようもなく心地がいい。レポートが終わらなくても、就活に悩んでも、空が晴れていれば私はとりあえず、まだご機嫌になれる。
そこら一体の空気に含まれる、緑色の匂いを愛おしく思う。穏やかな日の、色んなものが混ざり合った草木の匂い。私は小さい頃からずっと、それを知っていたはずなのに気づくことができなかった。当たり前すぎて、気にとめるこ