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プリクラも苦手。

「ギャルが苦手」相変わらずの大好評である。
この機に乗じて、続編を書いてみる。

瑞野蒼人、プリクラも苦手である。なんか、あのキラキラガヤガヤした空間にどうも私は馴染めない。ゲームセンターの近くを通り過ぎるだけで、なんか変にドキドキしてしまう。反射的に遠ざかりたくなるというか。

最近、会社の同期の男女複数人と遊びに行ったとき、女子が「プリクラを撮りたい」と言い出して、ぞろぞろとゲームセンターへ遊びに行った。この時点で私はもう全くと言っていいほど気乗りしていない。今からもなにかしらの理由を付けてその場から引き返したいのだが、それでみんなをシラケさせても申し訳ないので、黙ってついていく。

そしたらビックリした。
最近のプリクラコーナーってのは凄い。

レンタルできる制服があって韓国風のポップな感じで撮影出来たり、すぐそばにドデカイ鏡とコンセントが大量に備え付けられてて女子が一生懸命にそこで髪を巻いて居たり。ちょっと昔には無かったサービスが激増していて、写真を撮るだけの空間になっていない、というところに驚いた。

しかし、それゆえに感じる壁。なんというかこう、自分みたいな陰の人種が足を踏み入れていいスポットじゃないなぁと直感で感じてしまうのだ。もう一刻も早く撮るだけ撮ってこの場から出たい。

というか、そもそも基本的なことを言うが、私は別に写真に映えを求めていない。風景を映す写真なら綺麗に撮れているかとか構図は大丈夫かとか多少のこだわりがある。でも、自撮りに関しては別にどうでもよい。奇跡的にいい見栄えになっていたらそれでいい、ってぐらいのレベル。

なので、必死に髪を巻いて、カメラの角度を気にして、らくがきブースに入って加工を施している女子の、映えに対する徹底的なこだわりってやつがなかなか理解できない。まして、出来上がったプリントシールの中に入り込んだまるで別人のように肌の白い自分は、すげー嫌い。嫌いというか、好きになれない。うわぁ・・・俺こんな感じじゃないんだけど・・・って思っちゃう。どうしても。

遥か昔のそのまた昔。写真というシステムが発明されたころ、人々にレンズを向けると「自分の魂を取られてしまう」と警戒していたとかいないとか・・・。そういう感覚にある種似ているというか、自分が自分でなくなってしまうかのような錯覚に陥るのだ。

とにかく撮影の時だけ、私は必死に耐え忍んだ。早く撮り終わってくれ、早くラクガキも終わってくれ。そう祈るような気持ちで、私は息をひそめて潜伏していた。間違っても、他のメンバーに弄られたりしないように。「何でそんな黙ってるの?」とかからかわれないように。

その後、みんなと別れた後で一人で行ったジュンク堂の居心地の良さたるや、もう天国のようだった。ジュンク堂でなら永遠に過ごせる。

やはり、自分には眼鏡と本と独りの休日が
一番お似合いだ、そう強く強く思った
とある5月の週末だった。



おしまい。



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