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私という名の時限爆弾

私に触れると、時限爆弾が作動する。みんなそう思って、私というものに触れたがらない。皆、私から一定の距離を取って接しようとする。

私が楽しくなって、その口を開こうとすると、皆必死になってその口を押える。余計な事は言うなって。皆自分のそのバケの皮がはがれる事を怖れてる。嘘で塗り固められたその自分が露わになるのを怖れてる。

私は皆からしたら時限爆弾。触れた途端に作動する時限爆弾。

触れなければ何も作動はしない。だから、皆あえて何も触れない。自分のかぶったそのバケの皮が剥がれる事を怖れて誰も私に触れようとしない。

何も触れずにそっとしておけば、何の害にもならない。今ある嘘で塗り固めたその自分を露わにされる事もない。だから、皆私にふれない。

私に近づいてもし何かがあった時に困る。だから、皆私から離れた所で私と話す。

私からすればそれがあまりにも遠い。だから、近づいて話したい。でも、それがかなわない。近づいてその口を開けば、その口は強制的に閉じられる。

皆にとって私は都合の悪い人間。何もかも隠して、それで今ままで綺麗に自分の人生を着飾り、彩ってきた。でも、それを私によって汚されるのが嫌。素敵な思い出を台無しにされるのが嫌。だから、皆私を嫌う。皆、そこにある真実よりも偽りを好む。偽りで塗り固めたその自分の人生を皆愛している。それを私は破壊する。そんなのみんな嘘だ!と私ははっきりという。だから嫌われる。私は嘘がつけない。いい様に事を自分に都合よくすり替える事も出来ない。そんな技は持っていない。

黙ってろ!!黙ってろ!って誰も私に話させてくれない。何かを話せば、それらは皆別の話にすり替えられていく。自分の話したいことはこうなのに、その論点がどんどんとずれていく。

そうやって議論を解消しようとする。なにもなかった事にする。皆今此処で話した事を何もなかったこととして処理する。私の声を排除する。そして私という存在もなかった事にされる。私は消える。

何か都合の悪い事を言われるのが嫌。自分たちに理解出来ない事を話されるのが嫌。だから、私の声は排除され、その存在も消される。

皆美しくて綺麗な自分でこの世界に生きていたい。でも、私はそういう人たちを真っ黒に汚してしまう。天国で幸せに生きている人たちを私は地獄に引きずり下ろしてしまう。だから、私は嫌われる。

誰も地獄になどいたくはない。だから、みんな私を見ると、まるで犬を追い払うかの様に、シッ、シッ!と言ってその手を振る。

ここにはあなたの話を聞く人なんていないよと言って、私は追い出される。

同じ人間なのに、どうして私の話は聞いてもらえないのだろうか?この世界は平等に出来ているんじゃなかったのか?私からしたらこの世界は全くもって不平等だ!!

私は押し込められてる。何もかもその全てを押し込まれてる。何も言わせてもらえない。表現させてもらえない。そういう環境下にあった。だからかな、その表現が今はこの私を強烈に乗っ取る。

私は表現の鬼。



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