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ため息俳句 花々に会えば・・・。

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折々に出会う花々に寄せた句日記。 野草・野菜の花から名木と云われる一本桜まで、花にもいろいろ、人と同じのように思います。
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記事一覧

ため息俳句 桜の花、三つ。

ため息俳句 桜の花、三つ。

 我が家の桜は、大島桜の交配種であるらしいのだが、低く矮小な樹である。
 夕刻近くその樹の下に、一輪落ちていた。
 そこで、ごちゃごちゃに交差する枝の内を子細に見ると、あと二輪咲いていた。

 どうやら、花を三つ咲かせたようだ。その一つが、地面に落ちていたのだ。

 落ちた花を拾って見ると、本来春の咲く花に比べると、なんとも貧弱に痩せた花であった。

 季節外れの桜が咲いたというのは、先月まで続い

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ため息俳句 ダリア花園

ため息俳句 ダリア花園

ぼくんちに言語警察がやってくるポンポンダリアと言ったばかりに  加藤治郎

 「ポンポンダリア」に「言語警察」が反応するというのだが、ただただ可笑しい。深読みするのもばかばかしいと。
 不用意な一言で、とんでもないハレーションを呼び起こしたという経験は誰にも一度や二度はあろうものだが、「ポンポンダリア」によって刺激される言語感覚って、あろうものかと。お調子に乗った言葉の悪ふざけ?。とても楽しい。

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ため息俳句 茶の花

ため息俳句 茶の花

つべこべ云いたくない日もあるのだぞ。

媚びられてうれし恥ずかし茶花とて 空茶芒分け吹き来たる風背なを押す

ため息俳句 韮

ため息俳句 韮

 畑のぐるり取り巻きの一部に韮が生えてくる。
 菜園を始めた初期に、韮の種を一度蒔いたのだが、それがそのまま根づいて、毎年花を咲かせる。徐々に勢力をつけて広がり続けるのをみると、いかにも「スタミナ」野菜らしい旺盛な生命力である。
 花はというと、かわいらしい。

  この韮は、古事記や万葉集に登場するというから、古くから食べられていたのだ。

伎波都久の岡のくくらみ我摘めど籠にものたなふ背なと摘ま

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ため息俳句 十五夜草

ため息俳句 十五夜草

十五日蕾みがちなる紫苑かな  空茶

 十五夜草とは、紫苑の別名である。
 その紫苑は、十五夜飾りには芒と共に欠くことが出来ないというのが、我が家のしきたりだが、今年はやはり暑さのせいか花が咲くのが遅くなっている。
 例年であれば、満開であったのに。それでも、なんとか今夜に間に合ってくれたのだ。
 紫苑は、畑の隅で毎年咲いてくれる。芒も畑にある。ともに今夜のために植えてある。
 桔梗や撫子など秋の

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ため息俳句 吾亦紅

ため息俳句 吾亦紅

 この時期になると、目に触れさせておきたいという草花がいくかある。
 吾亦紅もその一つである。

吾も亦紅なりとつひと出て  虚子

 すぐに思い出す句であるが、この句の成立はその名をアイデアとしている。

 吾亦紅は花の姿に惹かれるというより、その名が誘う哀れさのような感じが、秋に似合うのである。木の実のような形のものは、小さな花の集合であって、それもバラの仲間であるらしい。それにしても地味な花

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ため息俳句番外#50  現の証拠

ため息俳句番外#50  現の証拠

「現の証拠」とは、野草の名である。

 今年の夏、連日外出は控えてといわれていた、そのせいにするわけでは無いが、森林公園から足が遠のいた。昨日、秋風も感じ始めたと一月振りに出かけたのよいが、真夏日となった。

 その森林公園で、現の証拠はいつものところに咲いていた。
 昨年は、白い花で無くて、こちらにであったのだ。

 色は違うが、現の証拠である。

 さて、この「現の証拠」という奇妙な名であるが

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ため息俳句 颱風来

ため息俳句 颱風来

 この颱風10号、ぐずぐずと進まない。
 通過地域と被害を受けた方々にはお見舞いを申し上げます。
 週明け以降、当地にやってくる頃は熱帯低気圧になっているという。
 しかし、警戒を緩めるわけにはゆかない。
 昨日は、この辺りも激しく降っていたが、今日はおおむね穏やかな一日になった。断続的に雨は降ったが、本降りは一時で、後は小雨であった。
 
 その雨の切れ間に、庭に出た。
 
 松葉牡丹が開いてい

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ため息俳句 唐辛子

ため息俳句 唐辛子

 唐辛子、これは鷹の爪だが、今年もよく採れた。
 束ねて軒に吊した。
 ざっと降って、すぐに青空、そんなのの繰り返しだ。
 

雨晴軒に吊りたる唐辛子 空茶

ため息俳句 白槿

ため息俳句 白槿

黒雲はぞろぞろぞろと白槿  空茶
 昨日も今日、おどろおどろしい雷鳴とともに、真っ白く視界を遮るように雨が降った。
 玄関前の通学路は濁流めいて雨水が流れていく。
 庭には白槿と百日紅が咲いてるのだが、雨と風に翻弄されていた。
 ゲリラ雷雨とは、不穏ないいようである。
 自分は外国のことは一抹の見聞すらないのだが、よく聞く南国のスコールという気象とは、どう違うのだろう。
 ともあれ、人間界の都合に

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ため息俳句 シンテッポウユリ

ため息俳句 シンテッポウユリ

 唐突に庭先に生えてくるらしいが、そんなびっくりの白百合がしきりに目につくような気がする。

 これは、外来生物のシンテッポウユリであるという。環境省の生態系被害防止外来種リストに挙げられているそうだ。

 そこここで見かけるこの白百合は、そういう素性のものである。

 我が家にも散布された種子が飛んできた。妻の庭いじりのテリトリーにも発芽して、みるみる生育し始めたらしい、彼女としては心あたりもな

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ため息俳句 今年も咲いた綿の花

ため息俳句 今年も咲いた綿の花

 木綿の花が咲いた。
 

 昨年のこの花から残した種が、今年も咲いたのだ。
 
 もともと綿は降雨量が多く日照り時間の長い地帯に適した植物で、熱帯原産の綿が好む環境(平均気温25度程度)が揃っているインドやペルー、メキシコなどの地域では古くから栽培が行われきたという。そうして、綿は時間をかけて寒さへの耐性をつけ、北の地域へと広まってきたのだそうだ。
 そのせいであろう、この暑さで作物が軒並みやら

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ため息俳句 桔梗

ため息俳句 桔梗

 歳時記上では、桔梗は初秋になる。
 山百合は姿も香りも、蠱惑的であるが、桔梗は清楚に気品高くある。
 
 秋の七草の一つであるが、梅雨明けの今頃には咲いている。昨日も、森林公園で見かけた。

喰う寝る遊ぶを求めざる桔梗かな  空茶

ため息俳句 山百合を見に

ため息俳句 山百合を見に

梅雨が明けた。
今年の森林公園の山百合はどんな風か見に行くことにした。
・・・・、それにしても蒸し暑い。
暑さにめげて、止めようかと、・・・・、でも今日で年間パスの期限が切れるのである、更新せにゃなるまいて・・・・、とか。

 山百合は、見頃の終わり近くと見受けられた。
 暑さをおして来てよかったかも知れない。
 二三日遅れたら、すこしがっかりしただろう。

 森の入り口に咲いていた山百合に足をと

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