サイバラ酒場_126以降のメインビジュアル

編集者が「飲食店プロデュース」する理由 〜サイバラ酒場、はじめます

あけましておめでとうございます。

2020年の仕事は、人生初の飲食店プロデュースで幕を開けます。

漫画家・西原理恵子さんの「キャラカフェ」とでも言うべき、サイバラ酒場」が、2020年1月17日に新宿歌舞伎町でオープンします。
(2月16日までの期間限定開店です)

「編集者がなんで飲食店に関わってんの??」
と思われる方もいるでしょう。
「スキマ仕事、見つけるの上手いねー」なんて言う人もいます。

しかし、僕はむしろ、
2020年代の編集者のド本流仕事
だと思って取り組んでいます。

前の記事 「コンテンツの価値を最大化」視点から「出版社ビジネスモデルの変遷」を図解してみる で記した
出版コンテンツにおける「第三の流通」を築いていく
ことにも通じると考えています。
ぜひ、そちらの記事も合わせて読んでいただけるとうれしいです。

■ハム太郎カフェの成功から始まった

この「サイバラ酒場」企画の発端は、昨年1月に始まった「ハム太郎カフェ」です。

表参道、越谷、大阪と三都市で展開し、大盛況でした。

「飲食×コンテンツ」にはまだまだ大きな可能性が眠っている
と実感する機会となりました。

「ハム太郎カフェ」の企画運営を担当したレッグスさんに紹介してもらったのが、今回、「サイバラ酒場」の店舗運営をお任せする養老乃瀧さんなのです。

■コンテンツの展開を紙・ウェブに限定する必要はない

「編集者がなんで飲食店に関わってんの??」

他業種の方からならばまだしも、同業の方から、この手の質問が来ることが、私はむしろ不思議で仕方ありません。


上述の前記事に掲載した図を、若干編集したうえで再掲載します。

出版社ビジネスモデル・昨今・流通牛耳っている

「書店流通」の縮小を止めることはかなり厳しく、
「ウェブ流通(ウェブを活用した情報・コンテンツの流通)」には光が見出しにくい以上、
これまでオマケだった「派生収益」部分を拡大すると共に、
「収益率の向上」と「新たな収益の仕組み作り」が肝要
になってきます。

出版コンテンツの「第三の流通」:「コンテンツの価値を最大化」

コンテンツの展開場所を紙・ウェブに限定するなんて時代錯誤なのは、もはや明らかです。

(「既に出版コンテンツは、アニメ、映画、ドラマ、グッズ、食品、等々、さまざまな流通で展開されているじゃないか」
と思われる方もいるかもしれませんが、
それらはあくまで、コンテンツの「二次利用」として、外部企業が自身の流通に乗せているものに過ぎません。
出版社自体は「書店流通」「ウェブ流通」以外の流通は、ほぼ持てていない = その流通以外の仕事に直接関わる編集者はほぼいない
というのが現状です)

「サイバラ酒場」は、ふざけたこと満載で、楽しい企画なのですが、
結構マジメにコンテンツビジネスの未来を見据えた展開だったりするのです。

■自分たちが関与する割合を増やしていく

これまでオマケだった「派生収益」部分を拡大するためには、
これまで外部に出していた部分において、自分たちが関与する割合を増やしていく必要があります。

「ハム太郎カフェ」は基本、レッグスさんにお任せしていましたが、
今回の「サイバラ酒場」はメニュー開発、グッズ制作、デザイン、内装、外装、収益構造作成、等々、かなりガッツリと主体的に関わっています。

■クラウドファンディングを活用した飲食店プロデュース

また、今回の「サイバラ酒場」が特殊なのは、
初期費用をクラウドファンディングで集めている、という点です。(募集は終了しました)

数多のキャラカフェを手がけているレッグスさんでも、前例がないそうです。

実際にクラファンを成功させてみて、
「コンテンツ系イベント飲食×クラウドファンディング」は、かなり相性がいいと感じました。
今後もっと広がっていくと思います。


ちなみに、余談ですが、西原理恵子さん担当として、ファンの間で有名な編集者がお客さまをご接待させてもらうコースもあったりします。(募集は終了しました)

中瀬ゆかりさん、新保信長さん、八巻和弘さんと共に、不肖ながらわたくしも参加させてもらいます。西原ファンの皆さんと直接お会いできることが今から楽しみです(^^)

■2020年代のスタンダードを創っていく

思い起こせば2010年、
「電子書籍元年」なんて言葉がありました。

紙か? デジタルか?
なんてことが、日々マジメに議論されていました。

そして今や、「デジタル反対!」なんて言ってる編集者はほぼ見かけなくなりました。


2020年代、
「コンテンツの展開場所を紙・ウェブに限定している編集者」
は過去の遺物になっていく
でしょう。


…なんて強気なことを言ってみたりしてますが、
正直なところ、初めての取組みだけに、思っていたよりはるかに大変で、年末年始も返上気味で準備しています。。
やってみたいことの1割もできていないのが実情だったりします。

しかし!
この「サイバラ酒場」は一回かぎりの企画とは思っていません!

今回の取組みをスタートに、
新しい出版のカタチを創る場にしていくつもりです。


…なんてマジメなことはさておいて、
「サイバラ酒場」、面白い店になることは間違いありません!

皆さまのお越しをお待ちしております!

西原理恵子の居酒屋「サイバラ酒場 feat.高須院長」

開催時期:2020年1月17日(金)~2月16日(日)
開催場所:新宿歌舞伎町
無休
 
※1月22日は事前登録者のみご入店いただけます。
営業時間:17:00~24:00 (ラストオーダー 23:30)
全席禁煙
店舗運営:養老乃瀧 
企画:小学館 
協力:小学館集英社プロダクション、GREEN FUNDING


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