悔しいけど、編集者から見て、「編集も完璧」な本
編集者、という仕事柄、
物語の作り方、みたいなテーマの本に対しては
どうしても見る目が厳しくなってしまいます。
仮にも、プロの漫画家さんや作家さんに、
「ここをこうしたほうが、もっと物語が動き出すと思います」とか「ここは思い切って、丸ごと削ってしまったほうがいいんじゃないでしょうか」とか、意見するようなことを日々やっているわけです。
物語の構成や創作術みたいなものは、それ相応には、学んできているのです。
たいていの「物語作りの秘訣」本に対しては、
そのくらい知ってるよ、
そういうノウハウを超えたところで漫画家さんや作家さんは戦ってるんだよ、
的に接してしまいがちなわけです。
なのですが・・・
それでも、この本は面白かった!
書かれている情報の大半は既知のことです。
けれども、その伝え方、そして、まとめあげかたが、実に見事です。
さらに、本の構成が、完璧。
完璧、なんて生半可に使っちゃいけない言葉ですが、
編集者だからこそ、この本を作り上げるのに、どれだけの労力がかかったか、よくわかります。
そして、同じだけ労力をかけたとしても、
並大抵の著者&編集者では、この域まで完成度は高められません。
『「ついやってしまう」体験のつくりかた
人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ』
すばらしい本です。
物語作りなどに関わる人だけが読んでいるようでは勿体ない。
全人類にとって、役立つ&楽しめる内容だと思います。
子どもにもおすすめ。
もっともっとたくさんの人に読んでほしい一冊です。
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