小松みゆ

小松みゆ

最近の記事

生きるということは

「うまいものを食べることじゃ、生きてる者同士、生身で触れ合うことじゃ」 先日まで池袋シアターグリーンにて上演させていただいた、舞台「冥途喫茶4」お玉のセリフの一部です。 今回、初めて冥途喫茶の世界に足を踏み入れました。 令和、江戸、そして天国と地獄の間にある「冥途喫茶」が織りなすのは、現代へのメッセージでした。 皮肉も批判も、「言うだけなら簡単」であり、誰でも出来るんですよね。それを、ネットを通して自己発信していく。便利な世界の裏で、使い方ひとつでだれかに一生物の傷を

    • 一口が大きい

      この前スタバに行った時に、隣に座ってきた女子がたまたま目に入ってきた。その人は白いクリームに包まれたシフォンケーキらしきものとドリンクを飲みながらiPhoneで何かを見ていたのだが、 本当に、つつくように、フォークでおおよそ5ミリずつのペースで食べ進めていた。というかつついていた。その食べ方で、ケーキの味がするのだろうか。甘いか辛いか塩辛いかしかわからなくないだろうか。いや、ケーキだから辛かったり塩辛いということはないってわかってるけども。 私はそういう人になりたかった。一

      • コスパ、タイパ、ハピパ

        生きるだとか、死ぬだとかについて毎日考えている。なぜいつかは死ぬのに生きるのか、生まれてきた意味、死後の世界。何も精神を病んでいたり、暗い気持ちの中にいるわけではないのだが、これが頭の中に居続ける状態が定期的に訪れる。小学生の頃には死が怖くて眠れないことがあったり、大人になってからは、逆にいつかは誰もが死ぬということに勇気づけられたりすることもある。例えば大きなステージの前、大事な本番の日、失敗した日。いつか私も、その瞬間を見ていた人も、死んで記憶がなくなるのだから、結果はど

        • 「夢中」

          夢の中にいる、と書いて夢中。私はこの2週間、出演させていただいていた舞台「昭和歌謡コメディ」に、夢中でした。 昭和歌謡コメディの座組の皆様と一緒にいると、こんな世界がこの世にはあったんだ、と思います。 やさしくて、あたたかくて、お客様に楽しんで頂くにはどうすればよいか、どうしたら芝居が伝わるのか、真剣に考えて、たくさんのアイディアが出てきます。私はそれに圧倒されるばかりですが、よりよい要素のひとつになる為に、全力でぶつかりにいきます。 今回は、いつもとは違う、私が今まで挑

        生きるということは

          芝居

          私たちが存在できる世界はひとつだけ。 だけど、芝居の稽古期間中の今、わたしは、その中の世界を、生きている。 ONE FOR ALL ALL FOR ONE ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために という言葉があるけど、昔は意味がわからなかった。 でも、集中稽古中の今、監督や、偉大な先輩方の言葉を受け取り、自分の中で、ぼんやり意味が浮かび上がってくる。 ひとりが責任をもって、『その人』として舞台の上で生きる。 その効果で、またひとり、またひとりと熱を帯びて、

          ちっちゃくて可愛い子

          ちっちゃくて可愛い子が横に並んだ時の「自分と同じ生き物じゃない」感はなんなんだろう だいたいいい匂いがして、ちょこまか動いて、食べるひとくちも小動物みたいに少しだけ。 とはいえ 人を見た目で判断しちゃいけないよね。 わたしは おとなしそうとよく言われる。 けど、内面では 自分の中に魔物を飼っています。 何の話だっけ。笑

          ちっちゃくて可愛い子

          アンガーマネジメント

          生きていると嫌でも好きでも色々なできことに直面するが、その度に感情の動きが伴っていた。 うれしい、たのしい、いらいらする、かなしい、さみしい、いろいろ。 感受性が豊かだと言われたことがよくあるけど、それ故に色々なことに敏感に反応していた。 誰かの発したたった一言に傷ついたり、いらだったり、そんな心の狭い自分に嫌気がさしたり。 最近KindleUnlimitedに登録した私は、 アンガーマネジメントについての本を読み漁っていた。 そこには、感情をコントロールする術がさまざ

          アンガーマネジメント

          「傲慢と善良」

          無意識に他人をラベリングして、この人はこうだと思い込み、自分のシャッターを閉じてしまう。 自己愛の表れ。 自分を傷つけないための手段。 「いい子」でいること。 「いい子」でいるしかなかった、それ以外の術を知らなかったこと。 なんだかかつての自分と少しだけ重なるところがあり、人との出会いって奇跡だなぁと思いました。 グサグサ刺さるのでおすすめです!

          「傲慢と善良」

          コロナ療養記録

          0日目 朝起きたら喉が痛い。今日は予約が取れないので、あす、検査に行くことになった。 濃厚接触者の可能性がある、とのことで自宅待機期間なので、アニメ 東京リベンジャーズを見始める。 明日は朝イチに起きて病院に電話をしなければいけないなと、早めの睡眠を試みる。 1日目 朝8:20起床。喉がやけるように痛い。身体がだるい。 4件目に電話した病院で、やっと11時台に予約が取れた。 病院へ行き、抗原検査とPCR検査を受ける。優しい看護師さんと先生だった。感染対策も徹底し

          コロナ療養記録

          ワクチン接種完了とその経過。

          お疲れ様です! 私は先日、ワクチンの接種2回完了しました。 経過をスマホのメモ帳に記録しておいたのですが、こんな感じでした。 1回目 15:00 ワクチン接種 20:00 力が入らない(倦怠感) 21:00 喉の痛み、頭痛 2:00 微熱 2回目 15:00 ワクチン接種 20:00 腕が痛み出す 0:00 強い悪寒 2:00 発熱 5:50 38.2の熱、関節痛 11:30 熱は下がらない 12:00 食事 16:00 37.9の熱、関節痛、頭痛 5:50 36

          ワクチン接種完了とその経過。

          自己肯定しかないよな

          こんなことを書くのもなんなんだけれど、地元にいた時はまあまあ自分に自信があったんですよね 高校生の頃は長い髪を二つにくくって、雑誌に載っていたピンクのガラケーに沢山マスコットをつけて、赤い自転車で坂道を登って。 ダンス部のステージできゃりーぱみゅぱみゅの曲をセンターで踊って、友達と撮ったプリクラを集めて、休日はクッキーを焼いたりカラオケに行ったり。そんな自分が好きだった。 でも、 東京でアイドル活動をし始めから、徐々にそんな自信が、水をやり忘れた観葉植物のようにカラカ

          自己肯定しかないよな

          キャンディーと過ごす休日

          カーテンのすき間から、朝日がこぼれる。 名前の知らぬ鳥の歌を聞き、ゆっくりとまぶたを開ける。 窓の外を見ると、オレンジ色の太陽が昇り、川沿いに広がる町を照らしている。 今日は何をしようかと、こだわりのコーヒー豆を挽きながら考える… というのは、理想である。 休日の過ごし方というのは、だいたい予定通りにいかないものでー特に予定のない『予定』ともなればー計画通りにはほとんど進まない。 実際に、休日というのは前日の夜から始まっている。 ここで早寝出来たら、次の日もスッ

          キャンディーと過ごす休日

          52ヘルツのクジラたち

          ほかのクジラ達には届くことのない、『52ヘルツ』の周波数で鳴く孤独なクジラ。 私は、そんな52ヘルツの声は、誰もが持っているものだと思うのです。 生きるということは、時折、理不尽な出来事にさらされたり、誰かに傷つけられていたり、反対に、誰かを傷つけていたりする。 そんな時に、52ヘルツで上げる声。 誰にも届かないけれど、静かに叫ぶ52ヘルツの声。 そんな時に、気づいてくれる人がそばにいてくれること、そばにいなくても、それでも私にはあの人がいる、と思える人がいること。

          52ヘルツのクジラたち

          初めて一蘭に行った

          タイトルの通りなのだが、初めて一蘭に行った。 一蘭とは、全国に展開する人気のラーメンチェーン店。 赤い看板が目印で、ピークの時間帯は行列になっている店も多くあるという。 よくメンバーが 一蘭行きたーい! と口にするのだが、食べたことのない私はどんなものか分からず、微妙な笑みを浮かべることしかできなかった。 みんなが口々に美味しい、と言う一蘭。 興味はあったものの、一人で行く程でもないかな、などと思っていたが、ある日、思いもよらず一蘭へ足を運ぶこととなった。 と

          初めて一蘭に行った

          そして、バトンは渡された

          瀬尾まいこ氏による 『そして、バトンは渡された』 を読みました。 家族、そのバトンを渡すとき、の物語です。 主人公 優子は、幼い頃に母を亡くし、さまざまな事情で、新しい親のもとを転々としていきます。 しかし、どの親からも愛情をいっぱいに受け、逞しく生きている姿が描かれており、その勇気や強さに惹かれます。 最後の父親となった『森宮さん』は、何事にも動じずあっけらかんとしていて、しかし愛情深く、こんなお父さん素敵だな、と何度も思わされます。 食卓のシーンが度々描かれ

          そして、バトンは渡された

          推し、燃ゆ

          読みました。 読んだあとはどうしようもない虚無感に襲われます。 やるせなくて、身体が重い。 主人公の高校生あかりの推しが、『ファンを殴った』ことで炎上するシーンから始まるこの物語。 この事件をきっかけに、主人公あかりも、ゆっくりと崩れていきます。 人間は、なにかにすがって生きていきたいのだろうか… そんなことを考えました。 それは人それぞれで、お金だったり夢だったり、恋人だったり、名誉、地位だったり… それが、あかりには『推しを推すこと』だったのです。 私に

          推し、燃ゆ