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#毎週日曜日更新
綾瀬さんと真谷くん1「綾瀬さんと僕」
僕には好きな人がいる。今日も麗しい綾瀬響さんだ。さらりとした長い髪の毛が陽光を反射して青みがかって、まるで物語のお姫様のように艶めく。その髪を耳にかければきらりときらめく華奢なイヤーカフ。校則が緩いから邪魔にならなければアクセサリーを身につけてもOKで正解だ。可愛らしさが際立っている。
何も見た目だけじゃない。中身だって素晴らしい。学級委員長を務められる誠実な人柄、そして誰に対しても優しく接する
綾瀬さんと真谷くん31「文化祭の打ち上げ」
文化祭も無事に終わり、予定が合う人たちで友達の親が経営している居酒屋で打ち上げ会をすることになった。僕はカウンター席でだし巻きを食べていた。そこへクラスメイトの男子がやってきた。
「なぁ真谷~」
「なんだ?」
「文化祭の店番の時、なんであんなに女子の視線が多かったんだ?」
「それは僕にも分からない」
「なんだよそれ」
笑いながらそう言われたけど実際になぜ視線が多かったかは分からない。
その後も同じ
綾瀬さんと真谷くん50「進路」
「どっちがいいんだろう……」
僕は机に置かれた2枚のパンフレットを見て唸っていた。
「どうしたんですか?」
顔を上げると響がこちらを見ていた。
「実は海外の大学に行こうと思ってて、選択肢はだいぶ絞れてきたけどこの2校で迷っててね」
僕は机の上にあるパンフレットを指さした。
チラシに書かれていたのはミュンヘン大学とゲッティンゲン大学の校風などが書かれたものだった。
4月には受験生になるため予め決めて
綾瀬さんと真谷くん68「心の瞳」
私は中学生の頃はどちらかと言うと内向的な性格でした。仲のいい友人はそこそこ居ましたが、一緒に出かけたりすることは少なかったです。
そんな自分を変えようと演劇部に入りました。
最初は演劇部ってなんだか堅苦しそうって思ってたけど体験入部に行ってみると意外と和気藹々としてました。演劇部では、よく公演されるような演目からオリジナル脚本での劇もありました。
いわゆるラブコメのような演目もありました。
私を巡
綾瀬さんと真谷くん70「大学出願」
夏の暑さも少しひいた頃、僕は大学出願に向けて本格的な準備をすることにした。
「出願に必要な書類は成績証明書と高校の卒業証明書、語学力の証明書、僕の場合は共通テストのスコア、そしてパスポートのコピーか」
語学力、ねぇ……一応頑張って勉強はしてきたけど、大丈夫かな……共通テストは……あ、やべ、出願しないと。書類のミスとか怖いな……一発勝負だもん……
取り寄せた書類と睨めっこする。滑り止めと言っていいの
綾瀬さんと真谷くん71「Coming out」
海外留学になる以上響に遠距離恋愛になることは伝えないといけない。
そして留学中に奪われるのも嫌だからピュリティリングも買っておかなければ。でもまずは響を呼び出してこのことを伝えておかないとな。
「響、放課後ちょっと話があるから体育館に来てくれない?」
「わかりました」
ちょうど今日はバスケ部とかが体育館を使わないと聞いていたので好都合だ。
辺りを目だけ動かして見回すと何かあったのか、とこちらを見る
綾瀬さんと真谷くん72「心に決めたこと」
今日は久しぶりに1人で街に出かけている。とくに目的地は定めていないのでぶらぶらと散策している。それにしても今日はいつもより寒いな。薄手の長袖着てて正解だ。
「今日はいつもより寒いな……」
そんな独り言を呟きながら歩いていく。
気がつくと日が傾き始めていた。
早足で駅に向かい、電車で自宅の最寄りへと向かった。
車窓から見える街の風景を見ながらこれからのことを考えていた。
ドイツに行っても現地の人達と
綾瀬さんと真谷くん73「修学旅行」
今日は修学旅行だ。初日の行先は広島の福山市だ。
民泊となるみたいだからちょっとどきどきする。
必要な荷物をバスの下の収納に入れ、3日目のラフティング後の替えの靴や水筒などを入れたバッグを車内に持ち込む。
バッグの中には、事前に買った300円分のグミも入れてある。
僕は事前に配られた座席表を見て指定された席に座る。どうやら一番前の席だったようだ。
席は二人がけだったので左側の席に座る。
もう1人座る
綾瀬さんと真谷くん80「クリスマスに向けて」
あと2週間でクリスマスだ。
僕にとっては国内で過ごす最後のクリスマスになる。どうしようか……例年通り響とのデートにするかそれとも何人かでパーティーをするか。
でも他のやつに色目使われるのは困るしなぁ……
パーティーは来年でもできるし、デートでいいか。さてプランを考えねばな。
その前に予定空いてるか聞いとかねば。
「響ークリスマスって予定空いてる?」「空いてますよ。どうかしましたか?」
「来年から留