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#37 “お正月バテ”に気をつけて!

パーソナルトレーニングジムSISEIの宮谷です。

「もういくつ寝るとお正月」という歌がありますが、楽しみなお正月休みに入った方も多いのではないでしょうか?
みなさんは、この大型連休をいかが過ごされますか?

旅行に行かれたり、実家に帰省されたり、家でゆっくりされたりとさまざまだと思います。
カラダをゆっくり休められるはずの連休なのに、休み明けには心身ともに疲れてしまったり、体調を崩してしまったりされる人も多いのでは?

そんな“お正月バテ”にならないための原因と対策について、今回はお話しさせていただきます。


お正月にバテてしまう原因とは?

“お正月バテ”になりやすい要因はいろいろと考えられますが、大きくはこの4つです。

❶ ごちそうやお酒を暴飲暴食

お正月は普段の食事よりも豪華なごちそうを食べることが、楽しみの一つでもありますね。
しかし、高脂質・高カロリーの食事を休み中毎日摂ると胃腸が疲れてしまいます。

胃腸の疲れは胃腸の機能低下を招いて、胃もたれや下痢、便秘といった消化器官の不調を引き起こしやすくなります。
さらに、胃腸の機能が低下すると食べ物の消化や吸収が十分に行えなくなり、エネルギー不足となって全身のだるさや倦怠感につながることがあるのです。

Image by g-graphica from photoAC

高級霜降り肉など脂肪分が多い食品は、特に胃腸への負担が大きいとされています。
その根拠は、脂肪が他の栄養素に比べて消化に時間がかかってしまうことにあります。
脂肪は過剰摂取することで分解されないまま、そのまま腸へ移動することになります。脂肪自体に腸管蠕動(ぜんどう)運動を促進する作用があるので、下痢を起こす原因になります。



またお正月は、昼夜関係なくお酒を飲めることを楽しみにしている方も多いと思います。

出典 : 宝酒造

お昼からたくさん飲酒してしまい、ほろ酔い気分のまま気がつけば日中はごろ寝、起きては夕食とともにまた飲酒…
こんなお正月の過ごし方をしている人もいらっしゃると思います。

アルコールは肝臓でアセトアルデヒド→酢酸へと分解され、全身に送られ、筋肉や脂肪組織で二酸化炭素と水に分解され、呼気や尿となって体外へ排出されます。
これは「身体に有害な物質を解毒・分解して処理する」という、肝臓の“解毒”という働きです。

      【肝臓の主な働き】

解毒・・・アルコールや薬物など、身体に有害な物質を解毒・分解して処理する。

代謝・・・栄養素を体内で利用できるカタチに変換して貯蔵する。

胆汁生成・・・脂肪の消化吸収を助ける胆汁という消化液をつくる。

アルコールの大量・高濃度摂取は、“解毒”作業で肝臓をオーバーワークさせてしまい、働きの一つである「エネルギーの産⽣・貯蔵」を妨げてしまうことで、“スタミナ切れ”の状態になって肉体の疲労につながります。
またアルコールの過剰摂取は、胃酸による自己消化を防ぐ胃の粘膜防御機構を壊わすことで胃粘膜が荒れてしまい、結果的に胃の消化機能も低下させてしまいます。

またお酒に酔ってしまうと、脳の視床下部にある満腹中枢が麻痺してしまいます。

視床下部には摂食中枢と満腹中枢の2つの中枢があり、胃が空っぽになったときは摂食中枢が働き食欲がわきます。
一方で、満腹中枢は食事によって血液中にブドウ糖濃度が上昇することに反応し、摂食を抑える働きをします。
アルコールによって満腹中枢が麻痺するということは、摂食中枢を抑えることができず働き続けさせてしまうため、食欲が抑えられず、逆に増進させてしまう結果になるのです。

このようにアルコールの過剰摂取は肝臓に大きな負担をかけ、満腹中枢を麻痺させて過食による胃腸の機能低下を招き、お正月バテの原因になってしまうのです。


❷ グダグダした不規則な生活リズム

Image by Fast&Slow from PIXTA

「お正月は寝正月」という方もいらっしゃると思います。
日頃の仕事疲れを癒すために、時間を気にしないでゆっくりしたい気持ちはよく分かります。

ですが、1日中だらだらと寝たり起きたりの生活をしていると、運動不足で逆に疲れを溜めてしまいます。
ゴロゴロ寝てるだけで筋力をほとんど使わなかった場合、1日で約3〜5%、1週間で約20%の筋肉が減少し、筋力を回復させるには1日休むと1週間、1週間休むと1ヶ月を要すると言われています。
筋肉の減少は安静時にもカロリーを消費する基礎代謝量の低下を招き、“正月太り”の要因になります。

出典 : ハルメルク365

またお正月は高カロリーな食事やお酒を暴飲暴食をすることで、摂取カロリーが増えてしまうことも“正月太り”の要因の一つです。

体重が増えるとカラダが重く感じ、疲れやすくなってしまいます。
太った脂肪分の荷物を背負って生活すると考えたら、疲れるイメージが湧くと思います。

寝正月で筋力が減少し、正月太りで脂肪だけが増加しては、疲れやすくバテやすいカラダになってしまうのも理解できますね。


❸ 寒い外、暖かい部屋の寒暖差

お正月に限らず、寒い冬は暖かい部屋でゆっくり過ごしたくなりますね。
暖かい部屋から寒空の下に外出するのが、億劫になる人も多いのではないでしょうか?

実は、夏よりも冬の方が室内外の寒暖差の差が激しくなる傾向にあるようです。
以前の記事「“冬バテ”にご注意!!」で詳しく触れておりますので、気になる方は合わせてお読みください。

室内外の寒暖差が激しくなるほど、自律神経が乱れてしまう可能性が高くなってしまいます。

〈自律神経が乱れることが、カラダの不調に繋がるメカニズム〉

自律神経とは、無意識に自動的に反応する神経で、呼吸・血液循環・体温調節・消化・排泄・生殖・免疫などの機能を調整しており、生命維持には欠かせないものです。

交感神経と副交感神経からなり、いわばアクセル(交感神経)とブレーキ(副交感神経)の関係で、さまざまな臓器に働きかけています。
この2つは臓器にとって異なる作用であることから、その都度働きを切り替えないといけませんが、本来は徐々に切り替えていくものです。

しかしそれが1日の中で急激に、それも何度もアクセルとブレーキをかけると、臓器に多大な負担をかけてしまうため、それぞれの臓器に関係したさまざまな不調が現れることになります。

引用 : 小林製薬HP

人は体温を調整する際、自律神経を使って、筋肉を動かしてカラダを震わせたり、血管を収縮させ筋肉を硬くすることで体温を上げます。
それと共に汗をかくことで体温を下げる身体活動も行うため、上げたり下げたりする働きが1日の中で何度も切り替わると、自律神経が過剰に働くことで疲労してしまうのです。

Image by 熊澤充 from photoAC



❹ 活動量が減ることによるカラダの冷え

冬は気温が下がることによって、カラダの冷えを感じると思われていませんか?
この考え方に間違えはありませんが、これが冷えの大きな原因とは言えません。

気温が下がると、みなさん着込んだり、部屋を温めたりすることで寒さ対策をしていますね。
寒さ対策の便利グッズや家電が手に入る現代において、気温の低下が冷えの直接的な要因とは言えないと思います。


人間はカラダを動かすとき、頭を使うときにも体内で常に熱を生みだしていますが、日常生活が活動的でないと熱を作り出す力が弱まってしまいます。
カラダを動かさないと、熱を産み出す働きがある筋肉が機能しないためです。
これが手足の末端や下半身の冷えの原因になるのです。

Image by TY from PIXTA

また、胃腸の働きが弱くなると消化・吸収能力が低下しているので、食べる量もおのずと減り、カラダの中で熱を作る力が弱まって冷えになりやすい傾向があります。
胃腸の働きを弱める要因には、お正月に特に気をつけなければならない暴飲暴食、高脂質・高カロリーな食事などや、冷たい飲み物をガブガブ飲んだり、ジュースやスイーツなどの甘いものを摂り過ぎることが挙げられます。



“お正月バテ”しないための対策

それでは、“お正月バテ”しないためにはどうしたらよいでしょう?
単純に考えると原因と真逆のことを行えばよいわけですが、それではお正月が楽しく過ごせないと思いますので、注意しなければいけないポイントを3つ挙げていきます。

① ダラダラ食べ&飲みに気をつける

お昼からお酒をダラダラ飲んだり、高脂質・高カロリーのごちそうやおつまみをダラダラ食べ続けることはやめましょう。

特に注意が必要なのが、アルコールの過剰摂取です。
原因のところでも触れましたが、アルコールは満腹中枢を麻痺させてしまい、ダラダラ食べの原因になるためです。

出典 : ハルメルク365

アルコールに含まれるカロリーは1gあたり7kcalで、脂肪の9kcalに次ぐ高カロリーな食品です。
ダラダラお酒を飲みながらごちそうを食べていると、知らず知らずのうちに1日の推奨摂取カロリーを大幅に超えているかも?!

誘惑も多いのは分かりますが、「お酒は夕飯のときだけ」などご自身の中でルールを作ることが大切です。

また、お正月のごちそうも2日までとし、3日からは通常の食生活に戻していくことも、胃腸の疲れを癒すために必要です。


② 生活リズムを整える

お正月は次の日の仕事の心配もないことから、ダラダラと深酒をしたり、特別番組や動画配信サービスでバラエティ、ドラマや映画を深夜まで観てしまう人も多いのでは?

夜更かしをすると、次の日はお昼近くまで寝てしまいがちです。
たまにはゆっくり自分時間を過ごすことは良いことですが、それが数日続くと生活リズムが乱れてしまい、すぐに元の生活リズムに戻せなくなってしまいます。

休み明けの仕事初めから、「眠くてダルくて疲れてる」では問題ですね。

夜更かしもごちそうと同様に2日までとし、3日からはいつもの生活リズムに戻す努力をしましょう。
観たい特別番組もあると思いますが、番組録画や見逃し放送などを上手く活用して、早寝早起きに心掛けて自律神経を整えることが大切です。


③ カラダを動かしましょう

お正月は、“寝る”“食べる”ことにおいては不足することがありませんが、“カラダを動かす=運動する”ことは皆さん不足しがちです。

お正月に限らず、日常生活においても不足しがちな「運動習慣」。
摂取カロリーが増えるお正月において、消費カロリーを増やす運動はすごく重要です。

原因でもお話ししましたが、お正月をゴロゴロ寝て過ごすと1日で約3〜5%筋肉が減少すると言われ、筋力を回復させるには1日休むと1週間を要すると言われています。

お正月明け、いつもどおりの通勤路がキツく感じるのは、筋力の減少や体力の減少が原因なのです。

Image by あめんぼ from photoAC

昔の日本には、お正月になると凧揚げやこま回しをしたり、羽子板をしたり、百人一首(かるた)をする風習がありました。

凧揚げの風習には、「立春の季に空に向くは養生のひとつ」(立春の季節に空を見上げるのは健康に良いことの1つ)という言葉があります。
これはほかの遊びと同じく、縁起を担ぐ意味合いもありますが、「運動不足になりやすいお正月に走り回って凧揚げをすることは、健康に良いことですよ」と捉えることもできるのではないでしょうか?

幼少期に返り、お正月の遊びでカラダを動かしたり、日中の暖かい時間に外出して、歩くことで身体活動量や運動量を増やしてみましょう。

寒冷地で屋外での運動が難しい方は、屋内でのトレーニングを行いましょう。
スクワットやヒップリフトなどに代表される下半身のトレーニングは、カラダの中でも大きな筋肉を鍛えることになり、消費カロリーも増やせます。

イスを使ったスクワット 出典 : 日経×woman
ヒップリフト 出典 : beauty news tokyo



一年の計は元旦にあり

Image by CoCoMo1996 from photoAC

「一年の計画は、年の初めの元日に立てて行うべきである。物事は初めが肝心である。」と言う意味のことわざです。
“新しい一年を迎えるにあたり、その一年になすべきことを、年の初めの元旦にきちんと計画を立てなさい”と、身に沁みる思いの教えですね。

この計画とは、仕事や学業、スポーツなどの行動目標・到達目標と捉えられますが、僕はご自身のカラダの状態目標にも当てはまると思います。

「5キロ痩せて、スキニーパンツが履けるようにする!」
「腹筋を6パックに割る!」
など、ご自身が一年の始まりに長期目標を立てて決意しないと、ボディメイクやダイエットの成果や結果はついて来ないものです。

“お正月バテ”で一年のスタートに失敗しないように、まずは今年のお正月の過ごし方を気をつけてみてはいかがでしょうか?



今回も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
記事を気に入っていただけましたら、高評価&フォローをよろしくお願い致します。

みなさまが素敵な一年をお迎えくださいますよう、心からお祈り申し上げます。

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