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リスク管理の練習 (vol 160)

BCPを作る

大上段に振りかぶると、「これは大変だ」と思ってしまいますが、日常の活動計画の中でもBCP立案の練習はできます。
BCP(Business Continuity Plan:災害やパンデミック下での事業の継続計画)

それは、日々の活動の中でのリスクマネジメントです。
リスク管理」と言うと、大そうなことに受け止められるかもしれませんが、実は日常の中でのリスク管理とは、そんなに大変な管理でもありません。
怪我しないように計画するのは当然として、怪我した時はどうする?も考えることです。

私たちが日々取組んでいるタスク、計画通りにすべてのことが実行されればよいのですが、なかなかそうはいきません。途中で何か問題があった時にパニックに陥ったり慌てて対処しなくて済むように、余裕を持ったり事前に対応行動を想定しておくことが必要です。

例えば、最近経験した設備のオーバーホール。
「計画通り進めれば1週間で終わります」との保全部門の情報で、製品在庫を1週間分作って、保全活動に着手しました。
数日後「遅れそうだ!」の一報で、慌ててバックアッププランの議論をせざるを得ませんでした。八方手を尽くして挽回できましたが、もう少しでお客様に迷惑をかけるところでした。

どうしておけばよかったのでしょうか?
最悪シナリオを想定して3週間分の在庫を準備しておくのも一つの方法。
あるいは、事態の悪化時に外注先に緊急対応してもらって挽回できるかを事前に検討。そして、シナリオ発動はいつ、何を起点にして発動するかを決めておくこともできるでしょう。
もう一つは、最善と最悪の中間、チョット余裕の対応シナリオを頭に描きます。
中間シナリオについては、費用的に許す範囲での余裕、例えば、最悪の3週間分の作りだめでなく2~3日分は持っておく、といったシナリオです。

中間シナリオを持つことだけで、小さなトラブルにいきなり慌てるといったリスクを大きく減らすことができます。

当初の計画最悪事態の回避計画、中間シナリオを作り、実際にはどれを選ぶかを考える。
一つのシナリオの決め打ちでなく、最悪とその中間も考える習慣。
詳細が難しければ、もしも(What if...)の質問を考えて、ザクっとした対応ストーリーだけでも持っておく習慣。これが日常の中でのリスク管理の練習です。

To what extent should we assume risk management?
If you don't have a margin for your plan, a small deviation from the plan can cause panic.
If you have too much margin, you may end up incurring unnecessary costs.
First, Consider the worst possible scenario for your plan.
The second is to assume a middle case of the planned and worst scenarios.
Make an action plan in advance for what steps you will take in case the worst-case scenario is likely to occur. And define for what is the trigger to be started. This should be your BCP.
If some margin preparation for risk response is necessary even with additional cost, prepare for the middle case.
Making those two plans would be one of the guidelines for risk management.
リスク管理はどこまで想定しておけばよいでしょう。
計画に対してマージンを持っていないと、少し計画から実行がずれただけで慌てることになります。
マージンを持ちすぎると無用のコストがかかることにもなるでしょう。
まず、計画に対して、想定される最悪シナリオを考えてみましょう。
次に、計画どおりと最悪シナリオの中間も想定してください。
最悪シナリオになりそうな場合はどの様な手を打つか、事前に行動計画を作っておく。これがBCPになるはずです。
リスク対応へのマージン準備が必要な場合は、中間地点を想定して準備する。これがリスクマネジメントのガイドラインの一つになると思います。

ベストシナリオ、最悪シナリオ、中間
こんなふうに書いてしまえば、「な〜んだ」と思えることも、当事者として活動していると、「ヨシ、これで行こう!」と、ワン・シナリオで走ることが多くみられます。
「ホンマに大丈夫か?」と立ち止まって考える余裕を持てるように声掛けするだけで、リスク管理が始まります。
「イケイケどんどん!」で権限委譲しているように見せながらも、影ではチキンハートで見守るのが拠点長です。

最後までお付き合い、ありがとうございます。


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