会議がオープンになるといいのに
教員時代、とても不思議に思っていたことがあります。
それは、会議に他のメンバーが参加してはいけないのはなぜなのかということです。
例えば生徒指導について話し合われる会議、特別支援について話し合われる会議なんかは、特に経験の浅い先生方にとっては、とてもいい研修の場になると思うんです。
実はこの疑問、教員の時から、そしてカウンセラーになってからも、何名かの管理職にぶつけてみたことがあります。
そしてその度に「そうか…」「確かに…」という、考えたことがなかった!という反応が返ってきます。
今回はそんな、会議を研修化することによって得られる可能性について考えていきたいと思います。
会議の研修化を考えるようになったきっかけ
突然ですが、この会議、なんで参加できないの?と思ったことはありますか?
自分も知りたいのにとか、もっといろんな人に聞いてもらいかったとか、あの人に聞いてもらいたかったとか。
私は、何度もあります。
よく感じるのは、次の2つです。
ひとつは生徒指導の会議。
特に、定例のものではなく、大きな生徒指導が起こった際に緊急で開かれる、その時集まれる関係者だけが集まって方針を決定する会議です。
管理職や生徒指導主事、学年主任などが集まって方針を決めるわけですが、その会議のメンバーではない他の教員(私たち)は、会議で決まった方針を聞かされるのみでした。
その方針に不満があるわけでも何でもないのですが、私はその度に感じていたことがあります。
「なんでそう決まったとか、どういう考え方に基づいたとか、誰も教えてくれないのはなぜ?」
「それって、途中式教えずに答えだけ"3だから!"と教えてるのと同じじゃない?」
「でも若手(私たち)には、自分で式を立てて答えまで出せる人材になってほしいって、きっと思ってるよね」
「それならなおさら答えだけ教えてちゃ、力がつかなくない?」
繰り返しますが、方針に不満はありません。
でも自分がそのトラブルの直接の当事者でない時ほど、つまりコトの成り行きを客観的に見れる状況にある時ほど、こういった疑問が頭の中をグルグルと回っていました。
もうひとつは特別支援の会議。
こちらは多くの学校で定例で行われているものです。
教員時代も最後の頃に参加させていただいていたのですが(メンバーではなかったのですが、入れていただきました。勉強になりました。ありがとうございます。)
カウンセラーになって、たくさんの学校の会議にほぼ毎回参加させていただくようになり、この会議で話されていることが、もっとたくさんの先生方に広がるといいのにと思うようになりました。
もちろん、会議後には議事録のようなものが配られたりして周知はされるのですが、そこには載りきらない、もっと細かな有益情報に溢れているんです。
会議の内容は個人情報の塊ですので、学校外への公開ができないことはよく分かります。
しかし、校内で公開できない情報は取り扱われていないはずです。
むしろ多くの場合、教職員に周知しておいた方がいいことが取り扱われていたりしますよね。
では、具体的にどのように参加することが考えられるのでしょうか。
参加の方法
有益情報に溢れているからといって、参加を義務化するのは、先生方の業務負担の面から考えてもNGだと思っています。
では、どのように参加すると良いのか。
私は、オブザーバー(観察者)参加が適当なのではないかと思っています。要するに、希望者が会議を見学に行くということです。
生徒指導や特別支援の会議には基本的に、役職をもっている先生方が参加しています。この先生方はつまり"高い意思決定スキルをもっている先生方"といえます。
そして、多くの先生方や管理職も、より多くの先生に高い意思決定スキルを身に着けてほしいと願っていることと思います。
しかし他の先生方、特に若手の先生方がいつまでも"意思決定スキルの高い先生方が出してくれた決定に従う"ことを続けていては、自身の意思決定スキルは向上しません。
そこで、会議を見学しにいくことによって、どのようにして意思決定がなされていくのか、意思決定スキルの高い先生方は何を主軸に意思決定をしているのか、などを学びにいくのです。
質の高い意思決定には、筋の通った意思決定プロセスが必要で、何をどの順番で検討するのかを見るだけでも大変な勉強になります。
その場で発言をして場を乱すようなことはNGだと思いますが、会議後に「先生があの場面で〇〇について確認されたのは、どんな理由があったんですか?」などと質問できれば、プロセスの意図の確認も行うことができるでしょう。
また他学年の大きな生徒指導などは、若手の先生方も自分なりに対応策を考えながら、客観的な視点で対応の勘所を学んでいく、良い機会となるのではないでしょうか。
顔も名前も、ましてや特性も分からない子どものケースを聞くことは、状況を見立てる力をつけるのにとても良いトレーニングになります。
参加者にもあるメリット
会議をオープンにしてメリットがあるのは、見学者だけではありません。
元々の参加者にもメリットがあります。
最大のメリットは、緊張感をもって会議に臨めることでしょう。
それは別に、見学者に監視されているとかいう意味ではありません。
例えば子どもたちだけの空間で話をさせるのと、口は挟まずとも大人が同じ空間に居る中で話をさせるのとでは、話の逸脱度や結論が変わってくるという経験は、皆さんあると思います。
見学者がいる。
メモをとっている。
後から質問されるかもしれない。
こういった中で話を進めると、例えば感情的な話(「アイツは生意気だから別室指導にしよう」など。ありえないと思いますが)や、根拠が明確でない話(「分からんけど、いいんじゃない?」など)ができなくなってきます。
さらに、ボーっと座って時間が過ぎるのを待つ…などという参加の仕方も難しくなってくるでしょう。
そうするとおそらく、議事の進行はスムーズになり、意思決定の質は向上する(感情的な決定やなんとなくの決定が抑制されるため)ことにも繋がっていくことが予想されます。
会議=研修 あり?なし?
学校の中に有益な情報があるのに、
それが話し合われている場所があるのに、
後から個別で情報収集したり、学校外へ情報を求めたりしている現状を、私はもったいないなと常々感じています。
校内にあるリソースを負担のない形で活用する方法。その1つとして会議をオープンにする、というご提案でした。
あくまでも参加を強制するものではなく、学びたい!と思っている先生が見学をしに行くという自主性がポイントですね(強制されていることは身につかないため)。
また、例えばベテランの先生が見学に入って睨みをきかせ、横から口を挟む…なんて状況も避けたいものです。見学はあくまで見学。場を乱すべきではありません。
参加者にも見学者にもメリットがある。
学校全体の共通認識・共通言語が増える。
学校内のリソースを有効活用する。
予算も手間も必要ない。
会議を、オープンにしてみませんか?
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