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「普通」を分析してみた

コミュニケーションって難しい。

他者に自分の考えを正確に分かってもらうことも
他者の考えを正確に分かることも
とても難しい。

そんな風に感じたことのある方、きっとたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。


かく言う私も日々、試行錯誤しながらコミュニケーションをとっているのですが

「あ、これは伝わってないな」と思う時や
相手の話が「よく分からないな」と思う時
多々あります。


そして、意思疎通が上手くいかない時に
よく使われていると感じる表現があります。

それは「普通は…」


そこで「普通は…」が出るとなぜ意思疎通が上手く図れなくなるのか、いろいろと考えてみました。


すると、何の変哲もないこの「普通」には
実に驚くほどいろいろな意味が含まれていて
だからこそ話が食い違う現象があちこちで起きてしまっていることに気がついたんです。


今回は、この「普通」の分析と、少しでも正確に意思疎通を図る方法を書いていきます。




「普通」に込められた意味


「普通は〇〇でしょ」という言葉が飛び交う時、この「普通」が何を基に導き出されているのか、考えたことはありますか?


以下に私がよく遭遇する3種類の「普通」と、それぞれの注意点をあげてみます。



❶その人の経験

自分はこんな経験をたくさんしてきた。
だからこの場合も「普通」は、私が経験してきたものたちと同じでしょ。

…という意味の「普通」。


唐揚げには「普通」レモンでしょ
学校には「普通」歩いていくでしょ
公園に行くなら「普通」この道通るでしょ


このような個人の経験に基づく「普通」で気を付けなければならないのは、他者は自分と同じ経験をしていないというところです。


地域や世代が違うと、この経験の差はとても顕著で、両者の「普通」は大きくかけ離れます。


相手から、こういった経験からくる「普通」の話をされた場合は「そういうご経験があるんですか?」等と質問をして、経験談を引き出す必要性がありそうです。


また「普通」に含まれている人数が増えると、この差はさらに大きくなってしまうので、より一層の確認が必要になってきます。



❷その人の信念

2つ目は、その人が正しいと信じている考え。

例えば電車内で大きな声で騒いでいる人がいる。
「電車内では静かに過ごすべき」なのに、それを守らない人がいる。
「普通」は、静かにするでしょ!

…という意味の「普通」。


電車内では「普通」静かにするでしょ
話してる時は「普通」スマホは見ないでしょ
挨拶は「普通」後輩からするでしょ


気を付けなければならないのは、手法について指摘されていたとしても、そこに信念が関わっているが故に「私の信念を否定した!」と感じてしまいやすいところです。

「ちょっと別の方法を…」と言ったら突然、激昂されてしまった。という現象の裏には、おそらくこの信念の問題が隠れています。


信念は「〇〇は△△すべき」という形で語られることが多いので、普段からよく出てくる「べき」を観察しておくと、自分の信念や他者の信念を知ることができます。


この「べき」にはもちろん例外(緊急時等)があるのですが、何をもって例外とするのかという線引きが人によって異なることにも注意が必要です。



❸コミュニティ内の暗黙の了解

特定のコミュニティ、特定の状況でのみ機能する暗黙の了解。いわゆる「常識」。

そのコミュニティで多くの人がしている行動とは異なる行動をとる者に対して「普通」は〇〇するよね。

…という時に使われる「普通」。


「普通」箸で食べるでしょ
「普通」は10分前に来るでしょ
聞かなくても「普通」分かるよね


気を付けたいのは、コミュニティの常識=世間の常識=世の中全員が当然知っていること、と思ってしまいやすい点です。


「全員が当然知っている」と思っていることは、わざわざ説明する必要のないことであり、説明されないと分からない人=仕事ができない人という認識ができあがっている場面にも、何度も遭遇してきました。


どんなに「普通」だと思うことでも、世の中全員が知っていることなど何もないという前提に立って、きちんと説明をしていくことが大切です。


だから言語化

「普通」って、とても便利な言葉なのですが、こうやって分析してみると

それぞれの経験や信念、所属しているコミュニティが違うのだから「普通」が嚙み合わないのは当然のことですよね。


では、そういった便利な言葉を使わずに生活すればいいのかと言われると、それもまた困ります。


上手く嚙み合わなくて誤解を生じさせやすいと分かっていてもよく使う言葉というのは、それだけ多様な場面で使える、短くて、便利な言葉だということだからです。


だからこそ、是非試してほしいことがあります。

それは、言葉の定義を確認すること。



例えば、職場でよく使う言葉。


「仕事」「指導」「聞く」「話す」等の定義を
あなたは説明できるでしょうか。

その定義は上司や部下、同僚たちと揃っているでしょうか。


おすすめの構文は
「〇〇」とは( 誰 )に( 何 )を(どうする)こと


混乱に陥った際はもちろん、少し時間をとって定期的に定義を確認することで、共通認識がもてるようになり、意思疎通がスムーズになっていきます。



まとめ


普通分かるでしょ
普通に分かりません

誰もに共通する「普通」など存在しないからです。

だからこそ、よく使う言葉の定義を確認する。


コミュニティ内で言葉の定義が揃うと、共通認識をもてるようになり、意思疎通の質もスピードも上がります。

「〇〇」とは( 誰 )に( 何 )を(どうする)こと


まずは、お隣の方と定義を出し合ってみてください。



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