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閉塞感から始まったコーヒードリッパー開発 #1

古き良き営業マンの閉塞感

これはまだ新型コロナウイルスが猛威を振るい始めた2020年中盤の話。

コロナ禍となって数か月、「これは思っていた以上に大変だ」と会議室に集まった一同。
わが社の営業マンたちです。
仕事はもちろん「みつわポンプ製作所」という名前の通り、工業用のポンプ販売
そして、サイドメニューとして工業用ストレーナー(ろ過器)も販売しています。
いままでユーザーや代理店へ直接足を運んで営業をしていた営業マンたちには、このコロナ禍で「会えない」といういままでにない環境に不安がつのります。

「直接会えなくてもなにかできることはないか」

という問いに、オンライン面談、動画配信、Webサイトの刷新・・・地道な施策の数々が出てきます。

もちろん、これらをひとつひとつ行っていくことは当然重要です。
でも、もっとなにかできることはないだろうか・・・。
先が見えない閉塞感から、「なにかひとつでも明るい兆しがほしい」。
そんな気持ちが営業マンの間に見え隠れしていました。

まさかの即GOサイン

そんななか、ひとりの社員が口を開きます。

「奇策ですが・・・昔、うちのストレーナーの"ろ材(孔が空いている部分)"を使ってコーヒードリップしたらおいしかったじゃないですか?
あれをリデザインして一般消費者向けのコーヒードリッパーを作ってクラウドファンディングする、なんてどうですかね?
紙フィルターより美味しくて、いつか商品にならないかなぁと思ってたんですよね。
ストレーナーの性能や会社のプロモーションにもなるし、うまくいけば売上もたてられて新しい事業にもなるかもしれません。
まあ、奇策ですけどね・・・。」

半分以上の人は「クラウドファンディング」という言葉がわからなかったので、その社員は「クラウドファンディングは一般消費者からネット上で資金を募る資金調達の一種である」ことや、今回のやり方は「基本的に予約販売と同じなので、予約数が確定してから制作を進めればいいので在庫リスクが低い」ことなどを説明。
そこからは、「おもしろい!」と希望の光が見えたかのように会議室に活気がもどりました。

とくにストレーナーの開発責任者は、自分が開発に携わった製品でもあり同時にコーヒー好きでもあることから前のめりに。
「奇策」と予防線を張りつつ提案した社員もびっくりの、その場で「やってみよう」という声がかかりました

コーヒードリッパー開発秘話のはじまり

わたしたちは、もともとはBtoBビジネスをしている工業用ポンプメーカーです。
それがなぜか一般消費者向けのコーヒードリッパーをつくり、さらにそれをクラウドファンディングで出す・・・。
なにもかもがはじめてで、思っていたほどうまくいかないことがほとんど。

ここからコーヒードリッパー開発秘話がはじまりました。
古き良きポンプ屋の奮闘記。
つづきはまた次回

▼実際に行ったクラファンページはこちら▼

▼制作したドリッパー:Mitsuwa Seahorse Dripper販売ページはこちら▼

▼連載リンク▼

▽本編▽
#1 閉塞感から始まったコーヒードリッパー開発(本ページ)
#2 ひとつめの落とし穴
#3 科学的な味の追及方法
#4 クラウドファンディング出品ではどのサービスがいいのか?
#5 プロダクト開発で問われる〇〇力
#6 カンタンにユーザーの声を集計する方法
#7 プロトタイプのチカラ
#8 デザインに"賭ける"のはコストの無駄遣い
#9 素人とプロの違い
#10 食品プロダクトの壁
#11 プロモーションがもっとも効果をあげるタイミング
#12 達成率95%と29%のボーダーライン
#13 設定ミスで失ったメリット
#14 プロダクト販売に使うECサービスはどれがいい?

▽きっかけ編▽
#2 -1 きっかけとなった派生品開発プロジェクト①
#2-2 きっかけとなった派生品開発プロジェクト②
#2-3 きっかけとなった音声メディアの言葉
#2-4 体系化されているアイデアのつくりかた

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