若草物語 自分を見直す
婚活とは”自分を見直す行為”、なんだとか…恋愛心理を眺めていると、度々そのような言葉を見掛ける。
自分がどんな人間で、何をしたいのか、どうなりたいのか、何を求めているのかなどをしっかり自分で把握しておかないと、自分は棚にあげて、相手に求めるものが多くなり過ぎて、不満を溜めたり、平等な関係を結べずに恋愛失敗ケースに至るのだとか。
相手に依存しすぎるのがメンヘラ女性、メンヘラ男子。相手から重荷に感じられて上手くいかなくなる自虐爆進コースを進むのが良い例だ。
そんな折、私が鑑賞した1964年日本の『若草物語』には高度成長期の女性たちの結婚感が反映されていた。
親の言われるままお見合い結婚した優しい長女、定時にキチンと帰宅する旦那様の為に、せっせと食事を用意する団地妻。
美人でおしゃれな次女は、資産家の息子にみそめられ押しきらるように、でも幸せな結婚をする。
穏やかだが情熱を隠した三女は、次女に憧れる幼馴染の仕事人間のカメラマンに長年に渡り思いを寄せ続け、ついに姉に失恋してフリーになった彼を追っ掛けて行く。
奔放で飛行機に乗って外国に行く夢を持つ四女は、仕事先で知り合った柔軟な考えの同僚と仲がいいが、彼は家業を継ぐために里に帰ってしまう。まだ、未来は分からないが、念願の飛行機に乗って彼を追いかけるのでは⁈と想像してしまう。
各自の性格や、気性に合った相手と上手く出会いパートナーとなっていた。
『若草物語』1964年公開日本映画。森永健次郎監督長女役に芦川いづみ、次女に浅丘ルリ子、三女に吉永小百合、四女に和泉雅子。日活の看板スター勢揃いの作品。
『若草物語』といえば、アメリカの作家ルイーザ・メイ・オルコットによる自伝的小説を思い出す。1868年から1869年に出版された。19世紀後半のアメリカを舞台に、敬虔なプロテスタントであるマーチ家の四人姉妹を描いた物語である。
2019年公開アメリカ映画。『ストーリー オブ マイライフ 私の若草物語 』グレタ ガーウィグ監督の作品が記憶に新しい。昔原作を読んだものより、華美な感じがした。原作はもっと、質素な暮らしぶりだったイメージが残っているので、違和感が残った。
庶民の暮らしぶりと言う面では、1964年の日本版の方が現実味があって面白かった。今はビルが立ち並ぶ大阪の風景も、まだ広い空き地が見られて、何にもなくて歴史を垣間見たようだった。
とは言え、オルコットの作品と1964年の日本盤とは、四姉妹を描いたと言うこと、姉妹の内1人が玉の輿に乗る以外にストーリー的な共通点はないのだけれど…
それぞれの登場人物が、それぞれに見合ったパートナーと出会い結ばれていくのはやはり共通している。
映画だけれど、他人の幸せは嬉しい。ハッピーエンドは、自分のハッピーエンドを予感させるものだと思っている。
しっかりと自分を大切に、自信を持って、今やるべきことをやりしょう。
そんな中で私に似合うパートナーとの出会いが用意されているはずだと思っている。